ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

看護師3年目のはやりやまいは転職?辞めたい病と留学病

看護師の3年目のやめたいは、転職となることが多いのですが、留学、という熱病も密かにはやります。なぜ「留学」なのか。また、看護師の転職でよく使われる「紹介システム」が、いかに理にかなっているか、についてお伝えしましょう。

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看護師3年目の壁

仕事を始めて3ヶ月目や3年目、辞めたいと思う節目でもあります。3ヶ月目のやめたいを乗り切って、次に目の前に立ちはだかる看護師の3年目の壁。乗り越えた先に見える景色は…

  • 同じ病院で自己研鑽をしキャリアを積む
  • 転職で職場環境や勤務条件を上げる、他の場所でキャリアアップ
  • 留学

3年目の壁の越え方は色々ありますが、勤務を続ける、辞める(転職する)というのが多くの場合の2択。そこに、留学するという方法もあると言うのは意外でしょうか。

 

看護師の留学熱

「このままでいいのだろうか。他の道もあるのではないだろうか」…

2年目までは忙しさのあまり考えもつかなかったことが、3年目、というある意味「魔の空白」に入り込んできます。そしてその後の発想が面白いことにみんな同じようなのです。

 

別の道を探したい→今までの自分をどこか違う場所でリセットしたい→どうせなら語学力もついたらいいな→やっぱ、海外でしょ

 

となるのがお決まりのパターンです。医師たちが「なんで看護師さんたちは3年目になると海外に行きたがるの?」とぼやくことになるわけです。

3年目に辞めていく人の多くが海外?

3年目に、ふっと我に返って辞めていく看護師の2割~5割が、辞めた後海外に行く、という誠に不思議な状況。ただでさえ看護師不足です、医師たちがぼやくのも自然でしょう。

看護師の給料がある程度良いので、海外にいくだけの資金も貯まっている、というのもこのおかしな現象に拍車をかけているのかもしれません。海外へは、語学留学、ホームステイ、ワーキングホリデーなど、行先も目的も人それぞれです。

ふっと我に返る看護師たち

後述しますが、課題の山から開放されて仕事にもなれ、プリセプターに「昇格」して今度は自分が新人看護師の教育、相談係になるというプレッシャーなど、3年目の壁を転職せずに乗り越えた看護師は、遊ぶ余裕もでき、合コン、飲み会のお誘いなども増えてきます。

仕事は順調にいっています。先輩としての貫禄も出てきました(多分)。でも、ふっと我に返る瞬間、というものがあるのです。

「このままでいいのだろうか。他の道もあるのではないだろうか」と…

で、留学を経験したことで、新たな道を見つける人もいるし、やっぱり私は看護師!と復職する人もいる。明確な目的意識を持って留学するなら、その先にはきっと道が続いているのだと思います。

 

看護師は究極の売り手市場

2025年問題が言われ始めて随分立ちますが、依然としてどこの病院でも看護師不足です。看護学校や大学を出たナースの卵たちにとっては、今は究極の売り手市場。合同説明会ではあの手この手の新人看護師の争奪合戦が繰り広げられています。

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10年ほど前になりますが、特定の病院に学生が偏るのを避けるために、スタンプラリー方式が実施されたこともありました。たくさんの病院の説明を聞き、一定のスタンプを集めると、抽選で海外旅行が当たる…

あの手この手で誘惑して採用する病院側にも、多少問題があるのかなあ、とも感じますが、新人看護師が、3か月目、3年目でやめてしまう(ほとんどの場合は転職しています)ケースが少なくないのは、こんな状況も背景にあるのではないでしょうか。「看護師って、どこに行っても歓迎されるんだ」と勘違いしてしまい、安易に転職を考えてしまうのも無理はないのでは。

中堅看護師の転職事情

では、中堅の看護師はどうでしょう。実は新人の争奪合戦を繰り広げる、就職説明会ほどの派手さはありませんが、看護師の争奪戦もひそかに熱く繰り広げられています。

看護師専門の人材紹介会社なども、お祝い金、就職支度金と言ったような名目で、転職したい看護師を集めていますが、病院自体に看護師紹介システムがあり、看護師同士、医師や医療スタッフなどが紹介するケースも少なくありません、

例えば、看護師の紹介で新人看護師が入職した場合、紹介した看護師はまず1万円、紹介で入職した看護師が3年勤務した場合は、3年目にさらに5万円もらえるというようなシステム。

看護師紹介システムのおいしいところ

  • 病院にとっては、採用にかかる費用、人材紹介会社を介した場合の手数料を大幅に節約できる
  • 紹介した看護師も臨時収入が入るし、3年続けば更に5万もらえますから、長く続きそうな人を紹介します
  • 紹介で入植した看護師にとっても、事前に職場環境などを知ることができ、知り合いがいるので不安も減ります。それに条件もそこそこ良かったりする

3者それぞれにメリットがあります。うまいことを考えたものです。

医師の紹介、と言うのもあるようです。勤務先の不満を話したら、知り合いの医師から「うちにこない?3万円あげるわよ」と声をかけられた同僚がいました。その病院の医師は、1人紹介すると8万円もらえるのだそうで、そのうち3万円を上げても手元には5万円!なんだか人身売買みたいです(笑)。

条件の良い病院の求人は希少

看護師はこういった「紹介」で転職するパターンが一般的ともいえます。看護師は他の職種と比べると、たしかに転職の多い職業ですが、ある意味情報がありすぎて、自分で転職先を探すのは、意外と難しいのです。

転職情報を探す手段は、以前は新聞の折込求人や、求人情報誌でしたが、今はインターネットで全国の求人情報がすぐに手に入る。だから、看護師を募集している病院の情報を集めるだけなら、さほど手間はかかりません。

しかし、給料や福利厚生が良さそうな病院でも、知り合いの看護師や病院スタッフに聞いてみたり、手間ひまかけて詳しく調べてみたら、異様に看護師の回転率が高い病院であることも。離職率が高い、つまり看護師が定着しない病院だったりするのです。

安易な転職はしない

結局、本当に条件が良い病院は、定着率も高いので通常はほとんど看護師を募集しない、ということなのでしょう。安易に「看護師不足だから、転職は簡単にできる」と考えもなしに辞めてしまうことは避けたほうが無難です。

それに、本当に働きやすい病院かどうかは、実際に働いてみないとわかりません。特に、勤務体制だけでなく、人間関係や職場の雰囲気とか。そういう意味では、紹介システムは、とても理にかなっているのかもしれない、と思います。

 

新人看護師の2年間と3年目

多くの場合、看護師の2年目までの「新人看護師」時代は、もうとにかく大変のひと言!

仕事に慣れる、研修もある、覚えることはたくさんある。更に気の遠くなるような膨大な課題の山が…

新人看護師(プリセプティー)には指導を担当するプリセプター(大体勤続3~4年めの先輩看護師)が着くのですが、配属されている科に関するレポート形式の課題などが出されます。ときには、プリセプター以外の、更に上の先輩看護師からの課題が出されることも。

看護師の仕事はとにかく忙しい。その上新人看護師は膨大な課題をこなさなければなりません。休日や睡眠時間を削り、レポートを書き、締切に間に合わないときついおしかりを受ける。あっという間にすぎてしまうと言えばそうなのですが、とにかく大変な思いをして、たどり着いたのが3年目です。

プリセプター制度のウラの目的

3年目になると、プリセプティーは卒業。課題地獄からは卒業できますが、今度は自分がプリセプターになる番…

プリセプターは指導係、というよりも慣れない新人看護師の教育・相談係です。気が合わないことだってあります。ストレスも増すばかり。指導する方なのだから楽、と言うのは大間違いです。先輩と言っても経験に関しては2年程度の貯金しかありません。そう、指導するのは指導されるよりずっとずっと大変なものです。

新人看護師の間違いを指摘するには、正しいことを教える知識がないとできないし、新人の失敗やギクシャクした行動などを見ても、忍耐強く対処しなければいけません。更にプリセプターとしての仕事ぶりを「見守る」師長や先輩たちの目もあります、今まで一番下だったのが、新人と先輩の板挟み状態に。

こう考えてみると、プリセプター制度と言うのは、新人看護師を指導するだけの目的ではなく、3年目で慣れてきた看護師の気を引き締めるための教育制度、3年目の辞めたいを乗り切るための制度、といえるのかもしれません。ひいては転職を防ぐ布石でもあるのかもと。

新人看護師の教育と同時に、ちょっと先輩になったもと新人看護師の教育。プリセプター制度には限界もあり、他の方法も合わせて行う病院も増えてきているようです。

 

まとめ

どの仕事にも起こりうる3年目の壁。看護師という仕事では、そこを乗り越えた先に留学があることも多いのは、意外でしょうか。

そしてまた、看護師は他の職種よりも転職が多い職場でもあります。それ故、「紹介システム」がうまく機能していると言えるのかもしれません。

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