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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

狭心症再発予防~危険因子を改善する心臓リハビリ4つのポイント

カテーテル治療やバイバス手術で、狭心症の症状が改善しても、再発したり心筋梗塞が起こることもあります。病気との付き合い方を学びながら、再発予防のために行われる心臓リハビリテーションについてお伝えします。

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狭心症の再発と予防

適切な治療が行われても、治療前と同じような生活を続けていれば、再発の可能性があります。ステントを入れた患者さんも、治療後およそ15年程度で約30%の人が狭心症や心筋梗塞を再発しています。

再発予防のために行われる心臓リハビリは、運動療法を中心として入院中から行われ、退院後も通院して続けます。

 

心臓リハビリの目的

心臓リハビリには、狭心症や心筋梗塞の再発予防の他にも、以前の生活を取り戻すと言う目的もあります。これらの目的のために、運動療法を中心とした総合的な治療が行われます。

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心臓リハビリテーションとは
(以下のホームページに動画で案内があります)
出典:日本心臓リハビリテーション学会

狭心症、心筋梗塞の再発予防

心臓リハビリを行うと、心臓の冠動脈に狭くなった部分(狭窄)があっても、他の血管の血行を良くすることで、自然のバイパスができ、また、動脈硬化を改善する効果もあると言われています。

動脈硬化を起こした血管には、コレステロールなどがたまった、プラークという膨らみができますが、プラークの膜が破れると血液の塊ができて血管を塞ぎ、心筋梗塞につながります。

心臓リハビリで膜が薄かったり、コレステロールなどが多く不安定なプラークが、膜が厚くコレステロールなどが少なく破れにくい安定したプラークに変わります。

動脈硬化の危険因子を改善することができます。(脂質異常症、糖尿尿、高血圧、肥満などの生活習慣病や喫煙、運動不足、ストレス等)

以前の生活を取り戻す

心臓の病気を経験すると、何をするにも不安が伴って生活が制限されることもあります。心臓リハビリで適切な運動を行うことで不安を解消し、できるだけ発症前と同じ生活を送れるようにします。

 

心臓リハビリの4つのポイント

  • セルフモニタリング(自己観察)
  • 運動療法
  • 食事療法
  • 薬の適切な使用

セルフモニタリングで自分の体の状態を観察、記録し、運動療法を中心として行います。

セルフモニタリング(自己観察)

  • 狭心症の症状である胸の痛み、動悸、息切れなどの有無や症状の変化に注意。症状があったときは記録。
  • 血圧や心拍数を家庭用血圧計で毎日測る。
  • 体重も記録する。肥満の管理、むくみのチェックに役立つ。心臓の機能が低下してむくみが生じると体重がふえるため。

運動療法

運動療法を行うと

  • 楽に動けるようになる(運動能力が向上)
  • 狭心症の症状が軽減
  • 生活習慣病の改善が期待
  • 血管の拡張能力が上がる(心臓が楽に働けるようになる)
  • 不安やうつ状態が改善(心の状態を良くする効果が期待できる)

と言った効果があります。

運動療法を行う前の注意点

事前に検査を行い、体力や行える運動の限界を明らかにします。

運動負荷試験 
運動しながら心電図と血圧を調べる

心肺運動負荷試験 
上記に加え、呼気と吸気を調べ、体力(呼吸循環能力)を評価する

同年代の健康な人と比較し、どの程度の体力があるのか、どの程度の運動で体に異常が現れるのかなどがわかります。

検査結果に基づき、適した運動処方が作られてどのような強度の運動を、どのくらい行うのかが支持されます。強度の目安は目標心拍数で表されるので、その心拍数を守るようにします。ウオーキングや自転車こぎなどの有酸素運動が基本です。

運動療法の継続

心臓リハビリテーションは、健康保険が開始初日から150日間適用されます。継続することが非常に大切で、入院中だけ心臓リハビリを行うのに比べ、6ヵ月続けた場合には治療後の6年間で、再発が28&減少し、死亡も56%減少した、という報告もあります。

通院での心臓リハビリの終了後は、自分で運動療法を行います。目標心拍数の運動がどのくらいの強さなのかを覚えておくと役立ちます。

ただし、体調によっては目標心拍数に達する運動の強度では強すぎる場合があるため、必ず「ややきつい」と感じる程度にとどめます。

一日に30分間を2回行うのが理想で、週に3日以上可能なら毎日行いますが安全に行うために運動の目安や注意点を守る必要があります。

運動の強さは、最大能力の40%~60%が適切です。強いほど健康になるというわけではありません。

心臓病患者にとって適度な運度の強さとは?
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出典:国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス

運動の目安

  • 目標心拍数を目安にする
  • ややきつい程度の運動
  • 軽く汗ばむ・息がはずむ程度

時間・頻度の目安

  • 一日30分間 × 2回
  • 週に3日以上、可能な場合は毎日

運動の注意点

  • ウオーミングアップ/クールダウンを行う
  • 無理なくできる運動を行う
  • 水分補給をする
  • 起床や食事の直後はしない
  • 体調不良・疲労時はやすう
  • 症状が出たらすぐに中止
  • 起きてすぐ、食事の直後は、少なくとも30分間はあける。また、これまでにない症状が出た場合は、すぐに中止して担当医に相談する。

在宅運動療法の注意10か条

  1. 運動の種類は早足歩行(さっさと歩く) 、自転車こぎ、体操など。
  2. 運動の強さは最大能力の40~60%で行う。
  3. 1回の運動時間は30~60分。
  4. 運動回数は週3~7回、週2回以下では不足。
  5. 自己検脈を覚えて、適切な脈拍で運動する。
  6. 60歳を過ぎたらジャンプは禁物、ジョギングより歩行が安全。
  7. 必ず準備運動(ウォームアップ) 、整理運動(クールダウン) を。
  8. 食直後や起床直後の運動は避け、1時間以上空けてから。
  9. 夏は脱水に注意し水分補給を。冬は防寒を心がける。
  10. 前日の疲れが残っていたり、体調不良なら無理せず休む。

キーワードは (1)安全に (2)有効に (3)長く継続!

出典:国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス

食事療法・薬の適切な使用

食事は心臓リハビリにとても重要です。管理栄養士が食事内容を調べて、どのように改善するとよいかを個別に説明します。薬に冠したは担当医や看護師からだけでなく、薬剤師からの説明があることも。

心臓リハビリには医師、看護師、理学療養し、臨床検査技師、管理柄医療し、臨床心理士、ソーシャルワーカなど、多くの専門家が関わり、チーム医療が行われます。

 

まとめ

狭心症、心筋梗塞の再発予防には、心臓リハビリが欠かせません。多くの専門家が関わりチーム医療が行われますが、通院終了後も自分で継続することが大切です。検査結果に基づく運動処方にしたがって適切な強度の運動を継続しましょう。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ

参考

国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス /www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph50.html#12-10

日本心臓リハビリテーション学会