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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

アトピー完治スキンケアのコツ~保湿と洗うが基本

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アトピー性皮膚炎を完治させるのは難しい。根本的な治療方法はまだありません。しかし、医師の指導に基づき正しい薬物療法を続け、適切なスキンケアを行うことで、上手に付き合っていくことは可能です。症状を悪化させない、アトピーのスキンケアについてお伝えします。

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アトピーの治療

正しい薬物療法と同時に、適切なスキンケアを行うと、湿疹や痒みなどの症状をコントロールすることは可能です。しかし、アトピー患者さんやその家族が、ステロイド外用薬の使い方やスキンケアの方法を誤解していたり、科学的根拠が不明確な情報に振り回されて、かえって症状を悪化させていることが少なくありません。

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下し、刺激に弱くなっています。皮膚の仕組みを知ることで、バリア機能を強くするスキンケアについて、理解を深めしょう。

 

アトピーのスキンケア

スキンケアの基本は、「洗う」「保湿」の2つです。皮膚には皮脂に混じって汗、ほこり、かび、細菌、アレルゲンなどがついています。アトピー性皮膚炎で炎症を起こしている部分にも付いているため、じくじくしている部分も優しく洗うことが大切。キレイにしたら保湿です。皮膚の症状が改善しても保湿は習慣にして続けます。

洗い方

せっけんやボディソープは使わず、お湯だけで、とも言われますが、健康な肌ならそれで構いません。アトピー性皮膚炎の場合は、石鹸を泡立てネットなどを使ってホイップクリーム状になるまで十分に泡立て、泡をクッションにして体をなでるように洗うとよいでしょう。

泡が皮膚にのこらないよう、十分にシャワーで洗い流し、柔らかいタオルで押さえるように水分を拭き取ります。

天然クレイの吸着の性質を利用した洗顔剤などもあります。泡は出ませんが優しくなで洗いすることで、毛穴の汚れも流してくれます。

※お湯だけで洗う、石鹸などを使う、医師により判断が分かれることもありますので、よく相談し、指示に従ってください。

※すぐに泡立つボディーソープや洗顔剤などは、合成の界面活性剤が含まれていることが多いので注意してください。洗浄力が強いものは必要な皮脂も洗い流してしまい、バリア機能が低下します。乾燥肌の原因になったり、肌荒れにつながります。

皮膚バリアはわずか0.02mm

皮膚バリアを構成する層の厚さは食品用ラップフィルムの2枚分くらいしかありません。タオルで強くこすったり、ナイロンタオルでゴシゴシ洗ったりしたら壊れてしまいます。こすらなくても、しっかり泡立てて肌に乗せるだけで汚れは落ちます。

保湿の仕方

保湿はすぐに行います。入浴直後は皮膚は潤っていますが、水分は急激に失われ、浴室を出て20分ほどたつと入浴前より少なくなってしまうからです。タオルで水分を拭き取ったら、10分以内に保湿剤を塗ることが大切です。

保湿剤は入浴直後の皮膚が潤っている時に、皮膚にふたをして皮膚バリアの代わりに、水分の蒸発や外部からの刺激を防いでくれます。保湿剤は処方されることもあり、市販されているものもいろいろな種類があります。

保湿剤の形状には、軟膏、クリーム、ローションなどがあります。季節や気分によって好みに有ったものを使えば良いです。ただし、刺激の少ないものを選びましょう。

汗はかいても良い

汗が長時間皮膚に残っていると、汗に含まれる成分が皮膚を刺激し、症状を悪化させるので、汗はなるべく書かないようが良い、と考えがちです。しかし、最近の研究では汗を書くようにしたほうが、アトピー性皮膚炎の症状が改善した、という報告があります。

汗には皮膚を潤し、バリア機能を高める働きがあり、また、汗をかけるようになったということは、皮膚の機能が戻ったことを意味しています。積極的に体を動かし汗をかくようにしましょう。ただし、こまめにシャワーで洗い流したり、濡れたタオルなどで拭き取り保湿することが重要です。

 

アトピーの症状と皮膚のバリア機能

症状は多様です。急性期には赤い湿疹ができ、じくじくしたり、皮が向けてかさぶたになるのが典型的な症状。湿疹が長く続き慢性化すると、皮膚が厚くなってゴワゴワしたり、黒ずむこともあります。多くの場合強い痒みも伴います。

皮膚のバリア機能とは

  • アレルゲン(ダニやほこり、ペットのふけなど)や細菌などの外敵が体内に入るの防ぐ
  • 体内の水分の蒸発を防ぎ、肌の潤いを保つ
  • 紫外線など、外部の刺激から肌を守る

働きをする機能です。肌のターンオーバーにかかわり、美容と健康の面で若々しい肌を保つのに重要な働きをしています。

健康な皮膚

皮膚は細胞が何層にも重なり、表面は皮脂膜が覆っています。皮脂膜の下にあるのが角層。健康な皮膚では、角層の細胞がきちんと並び、決めが整った状態です。皮膚バリアは、皮脂膜、角層、顆粒層の一部で、アレルゲンや細菌、紫外線などの外からの刺激を跳ね返し、水分の蒸発を防いでいます。

角層の細胞の中には「NMF(天然保湿因子)」がたくさん含まれていて、細胞の潤いを保っています。細胞と細胞の間には、水分を保持するセラミド(細胞間脂質)という脂質の一種が豊富にあり、セラミドと水分がラメラ構造と呼ばれる層を作っています。

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元画像:スキンケア大学お肌の基礎知識~基礎講座 

スキンケアで皮膚のバリア機能を取り戻す

アトピー性皮膚炎の患者さんは、体質的に皮膚バリアを形成する皮脂膜が少なく、角層の保水力も弱いことがわかっています。バリア機能が低下した皮膚は、角層が乱れてめくり上がり、皮脂膜も少なくなっているので、アレルゲンや細菌などの刺激を受けやすくなります。

また保水機能も低下するので、水分が蒸発し、かゆみを感じる知覚神経が伸びて、かゆみを感じやすくなります。NMFが少なく、セラミドも不足しています。

かゆいと皮膚を書かずにはいられず、更に角層が乱れ、皮膚のバリア機能が低下する、という悪循環に。

アトピーの改善には、薬物療法と同時に、スキンケアで皮膚のバリア機能を回復し、強化することが重要となります。

アトピー性皮膚炎とは

痒みを伴う湿疹が顔や体にでき、良くなったり悪化したりを繰り返す慢性疾患。強い痒みに悩まされるだけでなく、顔や腕など目につく肌がぼろぼろになることで、自信をなくして不登校になったり、就職や結婚を諦める原因となったりします。

最近は、皮膚のバリア機能の低下が免疫に関連すると考えられています。敏感肌の人も同じ原因ですが、皮膚のバリア機能が低下すると、アレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)などが皮膚の中に侵入しやすくなり、その結果皮膚の炎症が引き起こされるのです。

衣服の刺激、ストレス、食べ物など様々な要因でアトピー性皮膚炎の症状は悪化します。

症状は一人ひとり違います。ここでご紹介した方法は、一般的なものです。かえって悪化する場合もありえます。必ず医師の診断を受け、指示に従って治療を続けてください。 正しい薬物療法と、適切なスキンケアでアトピーの症状は改善します。

まとめ

アトピー性皮膚炎は、正しい薬物療法と適切なスキンケアで、症状を改善することは可能です。医師の指示に従った治療と毎日のスキンケアを続けることが大切です。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ