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息が苦しくなる原因は?肺や心臓の病気の危険信号かも

息が苦しくなる原因には、肺や心臓の病気があることも多く、中には急を要する病気の危険信号であることもあります。自己判断せずに医療機関で検査や診断を受けることが大切です。今回は、どんな病気が疑われるのかをお伝えします。

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息が苦しくなる原因とメカニズム

息が苦しくなる原因は、気管支などの呼吸器の病気や、心臓の病気を始め、様々な部位の病気などによって起こることがあります。また、COPDなどの重い病気や、気胸、心筋梗塞などの急を要する病気の場合もあるので、医療機関を受診してください。

メカニズム

呼吸に関する以下の過程の何処かに異常があると、息が苦しくなります。また、貧血や心理的ストレスでも息苦しさを感じることもあります。

肺は吸い込んだ空気から酸素を血液中に取り入れて心臓に送り、心臓は十分に酸素を含んだ血液を全身の細胞に供給しています。全身から送られてくる二酸化炭素を含んだ血液は、心臓から肺に送られ、肺は血液から二酸化炭素を受取り、呼気として体外に排出します。

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出典:Wikipedia ガス交換

肺で行われている「酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する」働きを「ガス交換」と言います。

 

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この過程の何処かに異常があると息が苦しくなります。

息切れを感じるときとその原因となる病気

一般にどのようなときに息切れを感じるのか、よくあるのが次の4つです。それぞれ原因となる病気は異なります。

  • 坂道や階段で息が切れる
  • 発作的な呼吸困難
  • かぜやインフルエンザで、息が苦しい
  • 心理的ストレスで呼吸が早くなる

息が苦しくて何科を受診したら良いのかわからないときは、まずかかりつけ医に相談しましょう。長い間喫煙しているなど、呼吸器の病気が疑われる場合は、呼吸器内科など、心臓の病気が疑われる場合は、循環器内科などを受診してください。

坂道や階段で息が切れる

私たちは普段、脳の司令によって呼吸をコントロールしています。例えば坂道や階段を登るなど、体を動かす場合、全身の筋肉が必要とする酸素の量や、排出する二酸化炭素の量が増えます。

そこで脳は、「もっと呼吸をするように」という指令を出しますが、呼吸器や心臓に異常があると、その司令に的確に応じられません。必要な酸素の量に呼吸が追いつかず、息が苦しくなるのです。

原因となる病気

呼吸器の病気ではCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など、心臓の病気では「慢性心不全」などが代表的な病気です。貧血が原因になることもあります。

COPD 
肺の中では、気管支が分岐を繰り返して細くなっていき、その末端に肺胞と言う組織が無数にありガス交換が行われています。
COPDは長い間の喫煙が原因で、肺胞の壁が壊れたり、酸素の通り道である気管支が細くなってしまうもので、息切れが起こります。気管支に炎症が起こり、咳や痰も出るようになります。

慢性心不全 
心不全というのは1つの病名ではなく、全身に血液を送り出す心臓の働きが低下した状態を指し、様々な心臓病が原因となります。
全身の血液がうまく循環しなくなり、肺などの臓器や体の各部に血液が滞り、息苦しさの他、脚のむくみ、疲労感、倦怠感等が起こります。

貧血 
血液中の赤血球や、赤血球に含まれているヘモグロビンが減少して、ヘモグロビンの濃度が低くなった状態のことを言います。ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きをするので、不足すると体が酸素不足になり、息切れなどが起こります。
貧血の主な原因は、偏食等によるヘモグロビンの合成に必要な鉄分やビタミンの摂取が足りないことや、慢性腎臓病などの病気で、赤血球を作る機能が低下することが揚げられます。

 

COPDや慢性心不全は、放っておくと徐々に進行する病気で、進行に伴い息切れはだんだん強くなります。一旦進行するともとには戻りませんので、早めに医療機関を受診し、原因を突き止めて適切な治療を受けることが大切です。

発作的な呼吸困難

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呼吸器の病気では、全速(気管支喘息)、気胸など。心臓の病気では、心筋梗塞、不整脈などが原因です。発作的な呼吸困難が起こる場合は、すぐに医療機関を受診してください。

ぜんそく 
気道(気管や気管支など)に慢性的な炎症が起こり、過敏になっている状態。そこに何らかの刺激が加わると、発作的に気道が狭まり、空気の通りが悪くなるので息が苦しくなったり、咳が起こります。また空気が狭まった気道を通るので「ゼーゼー」という呼吸音がします。これはぜんそくの特徴的な症状で、喘鳴(ぜんめい)と呼ばれます。

気胸 

何らかの原因で肺の表面に孔があき、空気が漏れて肺が縮んだ状態のことです。突然の呼吸困難や胸の痛みなどが起こります。20歳前後の細身の若い男性に起こりやすいのですが、最近はCOPDなど呼吸器の持病がある、中高年男性にもよく見られます。

心筋梗塞 
心臓は、心臓を動かすための心筋という筋肉で出来ていて、心臓に血液を供給する冠動脈が心臓を取り囲むように広がっています。心筋梗塞は、動脈硬化によって狭まった冠動脈が、血栓などにより突然詰まるもので、生命に関わることもあります。

胸の強い痛みが代表的な症状ですが、息が苦しいと感じることもあります。高齢者や糖尿病がある人は、痛みを感じる神経の働きが低下していて、心筋梗塞が起こっても、強い痛みを感じないことがあるので、注意しなければいけません。

不整脈 
心臓の鼓動の速さやリズムが乱れ、拍動が遅くなるタイプ、早くなるタイプなどがあります。どちらのタイプも、息が苦しいと感じることがあり、特に拍動が早くなって息が苦しいと感じる場合は、突然死に至る場合もあるので、注意が必要です。

発作的な呼吸困難が起こった場合には、急いで医療機関を受診してください。特に心筋梗塞が疑われる場合は、迷わず救急車を!

かぜやインフルエンザで、息が苦しい

一般にかぜやインフルエンザで息が苦しいと感じることはまれです。かぜの場合は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳など。インフルエンザの場合は38度以上の発熱、関節痛、筋肉痛などが主な症状です。

しかし、風邪やインフルエンザを起こした後に肺炎を併発すると、38度以上の高熱、咳、痰、胸の痛みなどの他に、息が苦しくなることがあります。

高齢者の場合、典型的な症状が目立たず、食欲が無い、ぐったりしている、活動に乏しいなどが現れることもあります。風邪やインフルエンザの後に普段と異なる様子がないか、周りの人が気を配るようにしてください。

心理的ストレスで呼吸が早くなる

不安や悩みが原因で息が苦しくなることもあります。通常、運動などで体に負荷がかかり、必要な酸素の量や血中の二酸化炭素の量が増加すると、脳は呼吸を早くし、ガス交換の量を増やすように指令を出します。

20歳前後の若い女性に多いと言われている過換気症候群は、心理的なストレスがかかり、不安が強い場合に脳から呼吸を早くするように指令が出て、呼吸が過剰に早くなります。

不安や悩みが強い状態で起こりやすく、息が苦しくなるほか、口や手足の先のしびれやこわばり、めまい、動悸などが起こる場合もあります。このような症状があった場合は、医療機関を受診して、肺や心臓などの病気が隠れていないか確かめることが必要です。

過換気症候群であると診断された場合は、ゆっくり呼吸をすることが大事。周囲の人が本人の気持ちを落ち着かせ、呼吸をゆっくりするように支持します。場合によっては心療内科などで治療を受けるようにしましょう。

 

まとめ

息が苦しくなる原因には、状況や隠れている病気によって色々とあります。重い病気や急を要する病気が原因の場合もあるので、息が苦しいと感じたら、自己判断せずに医療機関を受診してください。

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