ナースほど誇れる仕事はありません

健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

後悔しないためのキャリアプラン~看護師の転職で失敗しない考え方

看護師がキャリアアップを考えるには、本当に転職が良い手段なのか、と言うことも考えてみる必要があるでしょう。転職で成功する人、失敗する人の差は、自分のキャリアプランをきちんと考えるかどうかが、大きく関わってきます

f:id:lady-jhones:20160928161855p:plain

転職で失敗しないための考え方

看護師は様々なキャリアを積むことができる仕事です。一方できちんとしたキャリアプランを持っていないと、何かあるごとに次々と転職を繰り返し、いざ資格を取得したいときに,、経験年数として加算できないようなキャリアを、積んでしまう危険性もあります。

安易に転職してしまうと、折角のキャリアをきちんと形成していくことができなくなる可能性があります。

まずは自分がどんな未来像を持ち、看護師としてどのような経験を積んでいく必要があるのかを考えること、後悔しないためのキャリアプランをしっかり考えることが、転職で失敗しないために大切です。

看護師のキャリアプランの考え方、転職に失敗しない考え方についてお伝えします。

 

看護師のキャリアアンカーとキャリアプラン

看護師のキャリアは一般企業のように、「昇進」と言う単一的な考えにはとらわれません。専門職業としての意識の向上、社会的使命、役割意識などが含まれます。

仕事を通して実現したいことは個人によって違います。生活のため、自己実現のため、困っている人を助けたいため、など、同じ看護の仕事でも、大切にしている価値観や要求(キャリアアンカー)は一人ひとり異なります。

あなたのキャリアンカーは?

心理学者のエドガー・H・シャインが提唱するキャリアアンカーは下記の5つに分類されます。

  • 「管理能力」 組織の中での役割を望む
  • 「技術・機械能力」 自らの専門性が高まる
  • 「安全性」1つの組織に長く属したい
  • 「創造性」新しいことを生み出すこと
  • 「自立と独立」 独立すること

キャリア・アンカーはなにか。を上記の5つに当てはめて考えてみましょう。自分にとってキャリアアップになる方法を見つけていくために、自分の希望をもとにキャリアプランをたてていきます。

そのなかで、転職することでキャリアアップをという看護師も、1つの組織の中でキャリアアップを考える看護師もいます。

看護師の代表的なキャリア

まず看護師にはどのようなキャリアがあるのかを見ます。その中であなたはどのキャリアに興味があるのか、どのようなプランを立てていけばよいのかを考えます。

代表的なキャリア

  • 病院・施設(専門看護師、認定看護師、特定看護師、ナースプラクティショナー、管理職)
  • 学術(教育・研究)
  • 企業(起業・勤務)
  • 社会活動(国内・国外)
  • 政治(国・地方)
  • 行政(厚生労働省・地方)
  • 保健師活動(地域・企業)
  • 助産師活動(勤務・開業)

など。これだけでもたくさんのキャリアがありますね。それぞれの詳細については、ここでは割愛します。

臨床経験5年以上が必要な場合や、看護の経験があるからこそ求められるという仕事もあります。看護師専門の紹介会社も多数あり、病院や施設など、看護師を必要としている求人がたくさんあります。

看護師という仕事のアドバンテージ

入職して数年たち、看護師としてこのままで良いのかと悩み、5年、10年先のキャリアを考える前に辞めたり、転職してしまう看護師が多いのも事実です。

看護師は全国どこに言っても、今のところ勤務先に困るということは、殆どありません。条件だけで転職先を決めるのではなく、将来をキチンと考えたプラン作りが可能です。

看護師の仕事は、自分の希望を中心にキャリアプランを形成できる、という大きなアドバンテージを持っています。有効に活用して将来のプランに合わせた就職先を選んだり、転職をする前には、キャリアプランに支障が出ないかを考えた上で、行動することが望ましいでしょう。

看護師不足は一向に解消されず、2025年問題もあって看護師は売り手市場であることは紛れもない事実です。様々な病院、施設、企業だけでなく、看護師専門の人材会社も含めて看護師の争奪戦が起きています。

目先の金銭に惑わされない

紹介会社の中には、「高収入の求人」「転職支援金・お祝い金がもらえる」などの広告をおこなっているところもあります。しかし、なぜその病院や施設が高額な給料が支給できるのか、転職支援金とはどんなものなのか、などをよく考えると、目先の金銭に惑わされ、転職先を決めるのは危険、ということもあります。

もちろん、自分のキャリアプランにあった紹介先で、なおかつこういった条件が加えられている場合は、問題が無いかもしれません。

しかし、看護師の生涯賃金は、人事院で決められている額から大きくかけ離れている場合、少し慎重に行動したほうが良いかもしれません。

 

転職で失う利益

一方、転職で失う利益があることを忘れてはいけません。単純に生涯賃金を比較すると、転職をしないほうが退職金などの額の違いで、高くなります。

転職しないことで得られるメリットと、転職することで得られるメリット、どちらを選ぶかは、あなたのキャリアアンカーがどうなのか、によって変わってきます。

転職でキャリアアップしたい、職場環境を変えたいなどと漠然と思って、辞めたいと思うこともあるでしょう。しかし、転職理由に多い「人間関係」のうらには、転職に失敗しやすい結果がひそんでいることがあります。

転職サイトの広告や、一時的な感情に流されない転職で有れば良いのですが、事前に転職をした時のメリット、デメリットを知っておくことで、安易に転職を考えないことも大事です。

転職に失敗した事例4つ

実際に転職をした後に起こる可能性について考えてみましょう。転職した看護師からよく聞かれるのは「前の病院と○○が違う」ということです。勤務先が違うのですから、細かな違いはあって当然なのですが、今まで行っていたことが根強く残ってしまい、転職先ですぐに馴染めなかったり、転職を繰り返したりして、失敗することも多いのが現実です。

 

以前の職場にとらわれる
大学病院に5年、同僚が次々と辞め主任にならないかと声をかけられた。「管理職にはなりたくない、このままでは管理職になってしまう」と慌てて退職し、その後当面管理職にならないことを条件に、100床程度の民間病院に転職した。

教育体制や処置方法、感染対策などあまりにも大学病院と違っていることで、新しい病院に馴染めず、次の転職先を探すことになてしまった。

以前勤務していた病院との違いを引きずり、いつまでも新しい職場に馴染めず、「これはおかしい。以前は違った」等、周囲との距離を自ら作ってしまう、看護師の転職における典型的な失敗例と言えるでしょう。

辞めてしまった病院の良さを、転職して改めて知ることは残念なことです。退職してまで転職する必要があるのか、冷静に考えることが大切です。

 

人間関係
入職して半年の新人看護師。新しいことに挑戦したいと思い「部署を移りたい」とプリセプターに伝えたところ、「まだ半年、看護師としての基礎もできていないのだから、今はこの病棟で勉教し、一人前になってから希望を出しなさい」と言われたことがきっかけで、ここでは自分のやりたいことができない、と思うようになった。

希望の部署に配属してもらえるということで転職したものの、知識や経験のなさから、「こんなこともできないの?」と指摘され、転職したことを後悔するようになった。

これもよくある転職に失敗するケースです。ときには先輩からのアドバイスを理不尽に感じてしまうかもしれません。しかし、転職したからと言って、人間関係がうまくいくという保証が無いのも事実です。

仕事を円満に行う上で、人間関係は大きな要素です。厳しい先輩がいる、意見の合わない上司がいるということは、どこの病院や施設でもあることでしょう。

辛い人間関係に我慢しすぎることはありませんが、人間関係から来る転職は、まず何が原因なのかを考え、相談できる上司などと話し合った上で決めたほうが失敗に繋がりにくいです。

 

継続年数による生涯賃金の差
同じ学校を卒業し、同じ病院に就職した2人の看護師。一人は3年目で別の病院に転職し、2年ほどで同期の仲間がいる病院に戻った。

その後、ふたりとも勤務を続けていたが、勤務継続年数によって基本給やボーナス、退職金が大きく違うことをあとで知った。

キャリアアップのための転職では、一時的に給料が下がっても多くの学びが得られるのであれば、それは必要な転職です。しかし、なんとなくよそがよく見えたからと言う理由の転職はとてもリスクが高く、失敗といえます。

転職に失敗しないためには、キャリア・アンカーをしっかり考えることが大切です。

 

能力の無駄遣い
能力もあり、学習意欲もある。その時時で必要だと思う勉強をしながら転職を繰り返した。できることはたくさんあり、様々な仕事に挑戦したが、そのたびに、「これではない」とどの能力も生かせる仕事に巡り会えないと思っていた。

将来を考え、最後の職場にしようと応募した施設で、断られてしまった。施設側は能力を非常に高く評価し、管理職として力を発揮して欲しいと思ったけれど、「すぐに辞めてしまうのでは。」「責任ある仕事は任せられないのでは。」という不安が強かったため、不採用となった。

限度を超えた転職は信頼性を欠いてしまいます。キャリア・アンカーが絞りきれていないために、やりがいを見つけられず、これも違う、あれも違う、と途中で投げ出してしまうことは、転職に失敗するリスクが非常に大きいです。

 

まとめ

転職にはメリットもありますがデメリットもあります。あなたが大切にしている、看護の仕事に於ける価値観や要求(キャリアアンカー)が何かを明確にし、その上で転職をするかしないかを決めることが、転職に失敗せず、キャリアアップにつながる転職に成功するコツと言えます。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ