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脳梗塞を前触れに気づいて防ぐ!冬のお風呂のヒートショックもご用心

早期に治療すれば良くなる人が増える、と言われている脳梗塞。意外と知られていない脳梗塞の症状や、気をつけたい前触れ、脳梗塞を防ぐにはどんなことに注意すれば良いのか、などをお伝えします。

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脳梗塞の前触れの症状を知る

脳梗塞は怖い病気、と知っていても、どんな症状か、予防するにはどうしたら良いのかはあまり知られていません。防ぐ方法を知っておくことはもちろんですが、発症したとき早期に気づき受診するためには、知っておいて欲しい脳梗塞の前触れとなることもある、主な症状をまとめました。これらの症状は急に現れ、数分程度で消えることもあります(一過性脳虚血発作)。

脳梗塞の主な症状

症状特徴
運動障害 (片麻痺) 体の片側だけが 動かせない、力が入らない
感覚障害 体の片側だけが しびれる、感覚が鈍い
構音障害 ろれつが回らない
失語症 言葉が出てこない 他人の言うことが理解できない
視覚障害 片側の目が急に見えなくなる 視野の片側だけが欠ける ものが二重に見える
意識障害 意識がもうろうとする
半側空間無視 左右どちらかにある物が見えているのに認識できない
失調 立てない フラフラして上手に歩けない
失行 日用品などの使い方がわからない
めまい ぐるぐる回るようなめまいが起こる

 

冬のおふろで脳梗塞

寒くなると、お風呂場で脳梗塞をおこし、救急車で運ばれてくる人が多くなります。多くの場合、ヒートショックが原因です。一般的な家庭では、普段人が集まるリビングなどは暖かいですが、脱衣所は冷えていることが多いです。

浴室温の違いによる入浴後の血圧変化

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出典:東京ガス(ヒートショックにご用心)
(//home.tokyo-gas.co.jp/furo/page_09detail.html)

暖かい部屋から寒い脱衣所で裸になり、冷えたからだで湯船に浸かる。これは急激な温度変化の刺激を体にあたえ、血圧の急激な変化、ヒートショックをおこすので、脳梗塞は心筋梗塞などを引き起こる恐れがたかいのです。

ヒートショックとは

医学的には

細胞が熱などのストレス条件下に晒された歳、熱ショックタンパク質群の発言が上昇して細胞を保護すること。

ですが、ここで言うヒートショックとは

急激な温度変化により身体が受ける影響のことであり、正式な医学用語ではない。比較的暖かいリビングからまだ冷たい浴室、脱衣室、トイレなど、温度差の大きいところへ移動すると、身体が温度変化にさらされて血圧が急変するため、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすおそれがある。

出典:Wikipedia ヒートショック現象

のことです。

ヒートショックの予防

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浴室や脱衣所を予め温めておきます。浴室暖房が有れば良いのですが、熱いシャワーを高い位置から浴槽に向けて給湯すると、蒸気で浴室内が温まります。

お湯の温度にも注意。熱いお湯は血圧の変動が大きくなるという報告もあります。温めに設定(38~40℃程度)するようにしましょう。

高齢者は熱いお湯が好きなことが多いので、特に注意が必要です。

脳卒中予防十か条

  1. 手始めに 高血圧から 治しましょう
  2. 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
  3. 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
  4. 予防には たばこを止める 意志を持て
  5. アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
  6. 高すぎる コレステロールも 見逃すな
  7. お食事の 塩分・脂肪 控えめに
  8. 体力に 合った運動 続けよう
  9. 万病の 引き金になる 太りすぎ
  10. 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
    出典:日本脳卒中協会 

 

脳梗塞の主な症状

特徴的な症状は、身体の半分だけに突然起こる運動麻痺や、感覚の障害です。片側の手足に力が入らなくなるような状態、顔や身体の片側の「運動麻痺」、感覚が鈍くなったり、しびれを感じたりする「感覚障害」や発音に問題がある「構音障害」。また、言語障害、視覚障害などもあります。

脳梗塞は、脳のどの部分が障がいされたかによって、現れる症状が異なります。

特に多いのは、運動障害、感覚障害、構音障害

脳梗塞で最も多く現れる症状で、運動障害、感覚障害は体の片側に現れます。程度の差はありますが、どのタイプの脳梗塞でも見られます。

運動障害(片麻痺) 
最も起こりやすい症状で、右脳が障がいされると左半身、左脳が障がいされると右半身にマヒがおこります。

大脳皮質にある運動中枢から出た神経は、内包、中濃、橋、延髄をへて手足に到達します。その間の何処かに梗塞が起こると、顔を含む体の片側の動きが悪くなると言う症状が現れます。

感覚障害 
感覚が鈍い、しびれるなどの症状が、多くの場合体の片側に生じます。「触覚、痛覚、温度の感覚、市の感覚」等、様々な感覚に障害が起こります。

感覚を司る神経は、運動を司る神経とほぼ同じ場所を通っているので、運動障害と一緒に現れることも。

構音障害 
舌がもつれる、ろれつが回らない、等、話す内容は普通でも発音に問題が起こります。口唇や舌、喉などの筋肉の運動障害が原因で起こります。

これらの部分の運動は、左右両側の脳によって支配されています。その為、梗塞が左右両側の大脳半球に起こった場合や、脳幹に起こった場合に起こります。

失語症、視覚障害など

障がいされた場所により、様々な症状が他にも現れます。幾つかの症状が同時に現れることもあります。

失語症 
言葉を司る言語中枢が障がいされると、言葉が出てこない、他人の言うことが理解できないなどの症状が現れます。

右利きの人は通常、左側の大脳(左半球)が障がいされると失語症が起こることがあります。

心原性脳塞栓症で起こることが多く、ラクナ梗塞ではまず起こりません。

意識障害 
なんとなくおかしい、という意識の変容と言われる程度から、昏睡状態まで様々な意識障害の程度があります。

左右両側の大脳皮質や、脳幹が障がいされると、意識が朦朧としてはっきりしない、という症状が起こります。

特に、脳幹に血液を送る脳底動脈が閉塞して梗塞が起こると、生命に係る場合もあります。

意識の変容はアテローム血栓性梗塞の場合に、昏睡状態は心原性脳塞栓症で多く見られます。

失調 
小脳や脳幹が障がいされると起こります。力はあるのに、立てない、フラフラして上手に歩けないと言った状態です。

視覚障害 
視覚中枢のある、大脳の後頭葉に梗塞が起こると、視野の片側が欠ける、同名半盲が起こります。左半球が障がいされた場合は、右側の視野がかけます。

脳幹が障がいされると、眼球運動が障がいされてものが二重に見えるなどの症状が現れます。脳幹のラクナ梗塞でも起こることがあります。

半側空間無視 
見えているはずなのに、視野の片側を無視することを言います。言語中枢と反対側の大脳半球(一般に、右利きの人は右半球)の頭頂葉を中心に、広範囲に障がいされると、右利きの人の場合は視野の左側にあるものを無視します。

失行 
運動障害や知能障害はないのに、良くしているはずの行動ができない状態です。例えば歯磨きなどの日常的な動作を、支持されてもできなかったり、マネができない観念運動失行、幾つかの動作を組み合わせることや、使い慣れたものが正しく使えない観念失行などがあります。

衣服をうまく着ることができなくなる着衣失行、形を真似る能力が障がいされる構成失行もあります。

脳梁を含む前大脳動脈の走る領域が障がいされると起こります。

失認 
視覚、聴覚、触覚などの感覚に障害はないが、見聞きしたり、触れたものが何なのかを認識できない状態です。中大脳動脈が詰まると起こりやすくなります。

めまい

脛骨動脈が詰まって小脳が障がいされると、ぐるぐる回るような回転性のめまいが起こります。多くの場合、吐気や嘔吐を伴います。脳梗塞で頭痛を伴うことはほとんどありません。

 

脳梗塞の後遺症を防ぐ

脳梗塞が起こっても、約2割の人は自然に症状がほとんど無くなり、3時間以内に適切な治療を行えば、約3割に増えます。しかし、治療の遅れや、梗塞の起こった場所や大きさによっては重い後遺症が残ることに。

後遺症が重ければ重いほど、本人はもちろん、家族など周囲の人にとっても深刻な問題を背負わなければなりません。後遺症を残さないためには、脳梗塞の前触れに気づきすぐに受診すること、発症後できるだけ早く専門医のいる医療機関で治療を受け、リハビリを早くから開始することが重要です。

◆都道府県の専門医名簿
⇒ 日本脳神経血管内治療学会

一過性脳虚血発作(TIA)

脳梗塞の症状が突然現れ、24時間以内に治まってしまうものを言います。数分から数時間程度で治まってしまいますが、放置しておくと数年以内に約30%の人が本格的な脳梗塞を起こすと言われています。

TIAの多くは、頸動脈などにできた、できて間もない小さな血栓が、脳の血管をつまらせてしびれなどの症状がおこります。しばらくすると血栓が溶けて血流が再開するので、症状も消えるのです。

しかし、症状がなくなったからと言っても、血栓ができる下地には動脈硬化があります。いつ血栓ができて再び血管をつまらせるか、わからないのです。TIAはいわば脳梗塞の前触れとして警告サインを出しているともいえます。

再発予防

一度脳梗塞を起こした人は、脳梗塞をおこす原因となる、血管や心臓の病気を持っています。生活習慣病や心臓病をきちんとコントロールすることが再発防止につながります。再発すると、確実に症状は悪化するので、危険因子をコントロールし、前触れの症状が起きたら見逃さないことが大切です。

脳梗塞の3つのタイプ

脳梗塞は、脳の血管がつまってその先の脳細胞が死ぬ病気です。脳細胞が死ぬと、その部分がになっていた機能が損なわれます。脳梗塞は血管のつまり方によって

  • ラクナ梗塞
  • アテローム血栓性脳梗塞
  • 心原性脳塞栓症

の3つのタイプにわけられ、脳の障がいされた部位によって、様々な症状が現れます。

それぞれの特徴については後日まとめようと思います。

参考

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介護が必要になった主な原因 要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「脳血管疾患」が21.5%と最も多く、次いで、「認知症」15.3%、「高齢による衰弱」13.7%、「関節疾患」10.9%となっている。 男性の「脳血管疾患」が32.9%と特に多くなっている(図1-2-3-12)。

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高齢者の死因となった疾病をみると、死亡率(高齢者人口10万人当たりの死亡数)は、平成24(2012)年において、「悪性新生物(がん)」が958.4と最も高く、次いで「心疾患」584.3、「肺炎」391.1の順になっており、これら3つの疾病で高齢者の死因の半分を占めている(図1-2-3-7)。

出典:高齢者の健康・福祉|平成26年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府 高齢社会白書(www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/zenbun/)

脳梗塞(こうそく)を起こした直後にカテーテルを使って血管の詰まりを除く「血管内治療」について、日本脳神経血管内治療学会は25日、専門医が偏在し、45都道府県の郊外などで患者が治療を受けられない可能性が高いとする調査結果を公表した。

脳梗塞による死亡数は年間約6万5千人(2015年)。世界規模の研ログイン前の続き究では、この治療によって社会復帰できる患者の割合は、従来と比べて14%高まるとされる。国内では10年に公的な医療保険が適用されるようになったが、発症から原則8時間以内に治療する必要があり、対応できる医療機関の分布や連携が普及のカギになっている。
出典:朝日新聞2016年11月26日朝刊

◆専門医配置図
⇒ 第32回日本脳神経血管内治療学会学術総会 学会宣言

まとめ

脳梗塞は早期に治療を開始すればするほど、よくなる可能性は高い。前触れの症状があったらすぐに専門医を受診しましょう。予防には、問題のある生活習慣を改善することと、生活習慣病のコントロールが大切です。冬場のお風呂は、ヒートショックに注意することも大切。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ