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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

朝起きられない!からだの時計が概日リズム睡眠障害でズレるせいかも

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朝起きられない、無理に起きると昼間に眠い…日常生活に大きな支障がある場合は、からだの時計のリズムがずれている概日(がいじつ)リズム睡眠障害かもしれません。特徴と治療をお伝えします。

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概日リズム睡眠障害とは

昼夜のリズムと体のリズムが合わないため、朝起きられない、寝る時間がドンドン遅くなります。体内時計は昼夜の24時間周期と重なるように時を刻んでいるのですが、実際には24時間より少し長め「概ね1日」でリズムを刻んでいます。これを概日リズムといい、概日リズム睡眠障害は、概日リズムが関係して起こる睡眠障害の総称です。

概日リズム睡眠障害で起こる問題と治療

体内時計の時刻がずれたり、24時間の調整がうまく行かなくなるなどの問題が起こってきます。深夜遅くや朝方にならないと眠ることができず、仕事や学校を休みがちになるなど日常生活に大きな支障が生じます。

主な治療方法は、生活習慣の改善、高照度光療法、薬物療法です。他の病気が原因となっている場合は、その治療もしっかり受けることが大切です。

外的脱同調と内的脱同調

外的脱同調 
体内時計が昼夜の24時間周期とズレている状態をいいます。外的脱同調が生じると、体内時計の時刻がずれる、24時間の調整がうまく行かなくなる、などの問題が起こります。

内的脱同調 
生理機能(体温、血圧、脈拍数、ホルモンの分泌など)が体内時計に合っていない状態で、内的脱同調が起こると、体内のリズムが乱れます。体の生理機能にも周期があり、通常は体内時計に合わせて変動しています。

 

概日リズム睡眠障害は、外的脱同調と内的脱同調によって引き起こされ、主なものは

  • 睡眠相後退症候群
  • 非24時間睡眠覚醒症候群
  • 睡眠相前進症候群

などがあります。

 

睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群は、体内時計の針が遅れた状態で維持され、睡眠の時間帯(睡眠相)が遅れます。深夜遅くや朝方にならないと眠れず、朝起きるのが困難となります。昼ころまで寝ていることもあり、日常生活にも大きな支障をきたします。

周りの人に起こされると、なんとか起きようと努力しますが、睡眠不足のために強い眠気に襲われ、昼間は集中力が低下して活動性も上がりません。夕方になるとだんだん調子が出てきて活動性も上がってきます。

若い人に多い睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群は主に小学校の高学年から中学校、高校にかけて発症し、30歳代になってから発症するようなケースはまれです。発症の引き金になりやすいのが夜更かしです。

体内時計の1日の周期は、24時間周期より1時間ほど長く、もともと睡眠草が後ろにずれやすい状態にあります。夜更かしが続くと、比較的簡単に睡眠相は後退していくのです。

診断は?

医療機関を受信すると、まず問診。聞かれることは

  • 就寝時刻と起床時刻
  • 入眠障害、中途覚醒、熟眠障害、日中の眠け
  • 普段の生活

などについてです。

睡眠日誌 
初診時に渡される「睡眠日誌」を2週間以上継続して記録し、次回受診時に持参します。

就寝時刻と起床時間が、通常より遅い状態が続いているようであれば、睡眠相後退症候群の可能性が高くなります。

アクチグラフ 
アクチグラフで2週間ほどの行動量を調べると、睡眠の時間対がわかり、睡眠相後退症候群華道家の診断がつきます。アクチグラフは薬物療法の効果を調べる場合にも使われます。

*アクチグラフ 腕時計によく似た機器で、常に手首に付けておきます。機器が重力の加速度を検知することによって体の動きをキャッチ、1日の行動量を記録します。夜中に起きているのか寝ているのかを客観的に区別できます。

治療は規則正しい生活と、光や薬を利用

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睡眠相後退症候群の治療には主に

  • 生活習慣の改善
  • 高照度光療法
  • 薬物療法

の3つが行われます。

生活習慣の改善

まず体内時計の針を進め、睡眠相を前進させて通常に戻します。光や規則正しい生活、食事、運動、会話など「時間の手がかりになるもの」を増やしていきます。

改善のポイント

  • 毎日決まった時刻に起床、寝床に入る
  • 朝起きたら日光を浴びる
  • 三度の食事を決まった時刻に摂る
  • 日中や屋外で体を動かす

*概日リズム睡眠障害全体で指導されます。

睡眠相を前進させるために、太陽の光は最も効果があります。朝の光をなるべく外に出て浴びます(照度が高いほど有効)。夏のよく晴れた日なら、木陰でも1日に15分程度で十分です。夕方の光は逆に睡眠相を遅らせるので、できるだけ避けます。

運動は睡眠相を前進させる作用があり、ウオーキングやランニングを毎日30分ほど行うと良いとされています。強度が強いほど睡眠に大きく影響するので、もともと運動の習慣がある人では、強めの運動を行うのも効果的です。

このような生活習慣の改善をするだけでも、睡眠相後退症候群の改善は可能です。

高照度光療法

高照度光装置を用いて体内時計を調節する治療法です。一般には、全波長の高照度光が用いられ、毎朝1~2時間ほど、高照度光装置の光を正面から見つめます。個人差はあるものの2週間ほどで効果が現れ、症状が改善した後は、再発防止のために朝の光を浴びます。

一般に入院して行われ、毎朝定時に起こされるので生活が規則的になり、何もしなくても改善することもあります。小型の高照度光装置の貸出で、自宅で治療する場合もあります。

薬物療法

現在はメラトニン受容体作動薬である、ラメルテオンが用いられます。

 

非24時間睡眠覚醒症候群

体内時計の調整そのものがうまく行かなくなり、24時間周期で生活ができなくなります。体内時計の時刻が、1日約1時間ずつ遅れていくので、睡眠相が毎日変わり、通常の時間対で寝起きできている時期も有れば、昼夜逆転の時期もあります。

時間の手がかりが少ない状況が発症の要因

寝つきが悪い、眠りにつく時刻が遅れていく事を、患者さんの大半が訴えます。日中に眠くなったり、倦怠感や活動性の低下などを訴えることもあります。睡眠相後退症候群よりも発症率は少なく、主に視覚障害のある人に起こります。太陽の光による体内時計の調整が行われないためと考えられています。

総合失調症や自閉症のある人は、あまり外に出ようとしないので、太陽の光を浴びる機会が少なく、生活が不規則になりがちなため、発症することもあります。

時間の手がかりの少ない状況が、非24時間睡眠覚醒症候群の要因になるとされています。

診断と治療

睡眠相後退症候群と同じように、問診、睡眠日誌、アクチグラフなどの結果から診断されます。

治療

睡眠を通常の状態に戻していくための、生活習慣改善の指導、高照度光療法、薬物療法などを受けます。

生活習慣改善のポイント 
生活にリズムをつけます。睡眠相が毎日変動するので、光を浴びるタイミングは、その時の患者さんの状態に合わせ、ラメルテオンを夕方に服用、睡眠相の変動を抑えます。視覚障害のある場合はラメルテオンで治療、総合失調症や自閉症がある場合は、その治療をしっかり受けることが重要です。

 

睡眠相前進症候群

体内時計の針が進み、24時間周期よりも短くなった状態で維持されてしまいます。睡眠相が進むのが睡眠相前進症候群です。

早期覚醒や中途覚醒が起こる

眠りにつく時刻が早くなるので、早朝覚醒が起こります。午前2~3時に目が冷めてしまいます。まれな睡眠障害で、高齢者や若い人に見られることがあります。高齢者は加齢にともなって体内時計が進む生理現象です。若い人の場合は、遺伝的な要因によるものがほとんどです。

診断と検査、治療

問診、検査は前述と同じです。加齢が原因で比較的軽度で有れば、気にすることはありません。睡眠時間は加齢にともなって短くなっていくので、1日6時間ほどの睡眠で十分、ということをしっかり認識することも重要です。

あまりにも早く目が冷めて悩む場合は、生活習慣改善の指導が行われます。夕方の光は睡眠相を遅らせるので、毎日積極的に浴び、朝の光は睡眠層をや前進させるので避けます。就寝時刻をできるだけ遅く設定し、夜をゆったり過ごすことが目覚めを送らせるために大切です。

 

まとめ

体内時計が正常に働かなくなる概日リズム睡眠障害、朝起きられないと悩み、生活に支障があるような場合は、医療機関を受診してください。概日リズム睡眠障害と診断されたら、医師の指導に従って治療を行います。軽い場合は、生活習慣の改善だけで症状が改善されることもあります。

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