健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

親の介護で離婚?認知症初期症状のチェックで防ぐ家庭崩壊

 認知症は早期に発見できれば、進行を遅らせたり、良い状態を長く維持することが可能です。認知症の早期発見、早期治療で家庭崩壊を防ぐ、認知症初期症状のチェックポイントと注意点です。

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認知症が招く家庭崩壊

認知症の人の介護は、時として介護をする人も巻き込んだ、不幸な問題に発展することも少なくありません。

認知症の親の介護には、精神的、肉体的な問題だけでなく、金銭面でも多くの問題を抱え込むことになります。

悲しいことですが、認知症の親の介護をめぐり、

  • 介護離職をせざるを得なくなり、生活が成りたた無くなった
  • 家庭内争議で離婚に至った
  • 介護疲れで、自分も病気になった

と言ったケースも少なくありません。将来を悲観して生命をたってしまうことも。

 

認知症初期症状チェックで家庭崩壊を防ぐ

残念ながら、認知症の親の世話を誰がみるのか、押し付け合いになったり、夫婦間でも、認知症の夫、妻の介護をしたくない、と離婚問題に発展することが無いとはいえない現状もあります。 

認知症の予防に効果のある方法も、いろいろとわかってきましたが、物忘れがひどくなってきた、少しおかしいかも、といった段階の場合は、認知症初期症状を見逃さないことが重要となります。

初期症状を見逃さないための、チェックポイントや注意点を解説します。 

※精神病を理由にした離婚は原則、出来ません。離婚には、強度の精神病で回復の見込みがないこと等、いろいろな条件を満たすことが必要で、医師の診断を参考に裁判所が決定します。

 

物忘れテストと認知症初期症状チェック

認知症が原因で離婚などの問題に発展しないよう、まずは認知症を疑う大きなきっかけとなる、物忘れテストをしてみましょう。 

次に初期症状をチェックして、物忘れ(記憶障害)以外の認知症初期症状を確認します。 

 

物忘れテスト

テストは簡単です。まず、「花、カレー、新幹線」のように関連性のない3つの言葉を覚えてもらいます。少し時間を置いてから思い出してもらうテストです。

  • 3つの言葉を口頭で伝え覚えてもらう
  • 少し時間をあける(5~10分後位)
  • 別のことに意識をそらす
  • 思い出してもらう

認知症がなければ、通常2つは答えられます。3つ目はすぐ思い出せないこともよく有りますが、ヒントを出すと応えられます。 

1つしか答えられなかったり、ヒントをだしても2つ目以降が出てこない場合は、次の初期症状チェックで、確認します。 

 

認知症初期症状7つのチェックポイント

客観的に判断するために、家族と一緒に初期症状のチェックをしましょう。認知症のリスクは年齢とともに高まりますので、定期的にチェックすることが望ましい。

 

□ 同じことを何回も話す、尋ねる 

□ 置き忘れが増え、よく探しものをする 

□ 料理や買い物に以前より手間取る 

□ お金の管理ができない

□ ニュースなど周りの出来事に関心がない 

□ 趣味や活動に興味を持てなくなり、やめた

□ 怒りっぽくなった、疑い深くなった 

 

当てはまる項目が多いほど、認知症の可能性は高くなると考えられます。

本人がチェックして、当てはまる項目がある場合、家族にもチェックしてもらいます。本人と家族のチェックの結果の差が大きいほど、認知症の可能性が高いと言われています。

 

各項目の内容と認知症の関係

記憶障害の症状

同じことを何回も話す、尋ねる、物の置き忘れが増え、よく探しものをする 

 

実行機能障害の症状

以前は出来た料理や買い物に手間取る、お金の管理ができない

(物事を順序立てて考えられない、実践できない)

アルツハイマー病は、実行機能障害から始まる場合もあります。

 

意欲低下の症状

ニュースなど周りの出来事に無関心、意欲がなく趣味や活動を辞めた

物事への興味ややる気がなくなるのは、特徴的な認知症初期症状です。 

怒りっぽくなるのは、記憶障害や実行機能障害、意欲低下などの症状で、物事が思うようにいかなくなることが影響しています。 

疑い深いのは、記憶障害で物の保管場所がわからなくなるため。

  

注意したい症状

物忘れテストや初期症状チェックの他にも、認知症の早期発見のために注意したい症状があります。

  • 取り繕い
  • 幻視

です。

 

取り繕い

質問をされた時の答えに、具体性がないことが特徴です。例えば

  • 「休日には何をしていますか」と聞かれた時に
  • 「いつもと同じです」「特別なことはしていません」などとこたえます。

質問の意味はわかっても、何をしているか、という記憶が出てこないので、無難に答えようとするのです。 

こうした取り繕いを繰り返す場合は、アルツハイマー病が疑われます。 

 

幻視

実際にはいるはずのない人が見えたり、声が聞こえたりするので、一人で会話をするようなことがあります。 

また、室内に知っている人がいると錯覚するようなことが多く、「◯◯さんがきているわよ」などということもあります。 

これらはレビー小体型認知症に特徴的な幻視という症状です。 

 

認知症が疑われたら物忘れ外来

物忘れテストや、認知症初期症状のチェックで疑いがある場合は、認知症を専門とする、物忘れ外来の受診が最も確実です。 

その他専門医がいる医療機関は、神経内科、精神科、老年科などです。本人に抵抗がある場合もあるでしょう。かかりつけ医がいれば、そこでまず相談するのも良いと思います。 

どこに言ったら良いか迷ったら、各市区町村にある地域包括支援センターに相談しましょう。適切な医療機関を紹介してくれます。 

認知症に関する詳しい情報は、各都道府県にある「認知症の人と家族の会」に相談するのも良いでしょう。 

 

認知機能テストなど

医療機関では問診や認知機能テストなどを行ないます。認知症が疑われた場合、血液検査、画像検査を行って、認知症の原因となる病気を診断します。 

ここまでの手順はかかりつけ医、専門の医療機関どちらでも同じです。 

診断が難しい場合は、脳をより詳しく調べる検査を専門の医療機関で受けます。 

 

認知症とは

認知症とは、脳がダメージを受けて記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障が出る状態です。認知機能の障害→日常生活動作の障害→運動機能の障害、と様々な支障が徐々に起きます。 

認知症は一度発症すると、元の状態に戻すのは極めて困難です。また、進行した場合も、その前の段階に戻すことも難しくなります。 

しかし、認知症を予防するための効果的な方法が、いろいろわかってきたので、まずは予防を第一に心がけていくことが大切です。 

 

物忘れと認知症の違い

人の名前や昨夜の食事内容などを思い出せない、ということはよくあることで、「体験したこと」を覚えている場合は、単なる物忘れで基本的に心配は入りません。 

認知症の場合は、体験そのものを忘れてしまいます。厚生労働省の2015年の推計では、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると、予測されています。 

本人や周りの人が、注意すべきポイントを定期的にチェックして、認知症初期症状が現れていないかどうか確認することが大切。

もし、気になる項目が多い場合は、かかりつけ医や、物忘れ外来などの専門医を受診しましょう。 

 

まとめ~介護による家庭崩壊を防ぐには

認知症の親の介護をめぐって、子どもや親族の生活設計が狂ってしまう、家庭崩壊に至ってしまう。残念ながら、そういったケースが増えているのが現状です。 

認知症は予防法もいろいろわかってきましたが、現実問題として発症の一歩手前、あるいは初期症状が現れている場合もあります。 

初期症状を見逃さず、早期に発見し、適切な治療を行うことで進行を遅らせたり、良好な状態を長く維持出来るのです。

本人の生活の質の維持、また、認知症が原因の家庭崩壊を防ぐためにも、認知症初期症状のチェックを定期的におこなってください。

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