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不眠・過眠はうつのサイン?うつ治療と不眠。お父さん、眠れてる?

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不眠・過眠はうつのサイン?うつ治療と不眠。お父さん、眠れてる?

 

睡眠障害はうつ病の患者さんの9割以上に見られる、特に多い症状です。そのうちの約9割が不眠、残りの1割が過眠です。

 

また、不眠が原因でうつを発症することもあり、うつと睡眠障害は相互に関係しあっていると考えられます。

 

不眠や過眠が長引く場合はうつ病がないか、診察を受けてみましょう。うつ病がある場合は治療が必要です。

 

 

うつ病の早期発見に「“お父さん、眠れてる?”キャンペーン」

中高年の男性にうつが原因の自殺者が多い。不眠はうつ病の症状でも非常に多く、周りの人も気づきやすいものです。

 

周りの人が「ちゃんと眠れている?」と声をかけることで、うつ病の早期発見、早期治療につなげようと言うキャンペーンが、全国に広がっています。

※詳細は後述しています。

 

几帳面で真面目な人ほど発症しやすいうつ

高齢者でうつ病を起こす大きな要因は、親や配偶者との死別が多いのですが、不眠も大きな危険因子に上げられています。若いころに不眠があった場合も、中年以降になってうつ病を発症しやすい。

 

不眠がうつ病を招く仕組みには、ストレスが大きく関わっているので、まじめで責任感が強すぎてもうつを発症しやすいのです。中高年の男性に多く見られるのも、ストレスがより多い年代だから、ともいえます。

 

看護師のうつ

看護師も交代勤務など不規則な生活、常に緊張やストレスを受けているので、不眠からうつを発症し、看護師の仕事を辞めざるを得ないケースも少なくありません。

 

しかし、大抵の場合、根っから看護師の仕事が好きですから、しばらく仕事から離れても、病気が治ると、復職したり日勤だけの職場に、転職をするケースも多いです。

 

不眠がうつを招く仕組み

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うつ病のケーススタディ

几帳面で真面目なAさんは、上司からも信頼されていて、大きなプロジェクトを任せられました。しかし、毎日残業してもなかなかはかどらず、疲れきって家に帰っても、ただ寝るだけの毎日で不眠が続くようになりました。

 

なかなか寝付けず、なんとか眠れても朝の4時には目が覚めてしまいます。睡眠不足が続き、身体はだるいし仕事もはかどりません。食欲も落ちてくる。

 

上司も心配して、産業医に相談することを勧めました。検査や診察では異常はなく、医師はストレスが原因の不眠と判断し、メンタルの専門家を紹介、そこでうつ病と診断。

 

幸い、薬物療法で不眠が改善されると、うつの症状も治まり、仕事も順調に進めることができました。

 

不眠を伴ううつの治療

うつの治療は、薬物療法では、抗うつ薬と不眠の改善のために睡眠薬を併せて使います。その他に「高照度光療法」や欧米で行われている「断眠療法」などがあります。

 

不眠そのものの対処方は、前回の「眠れない原因はあなたにあるの…看護師の仕事と不眠症改善の対処法」で詳しく書きました。

 

不眠が先か、うつが先か~睡眠障害の対処法

不眠がうつ病の引き金になることも、うつ病を発症して、その症状として不眠が現れることもあります。うつ病なのに、不眠症なのだと思い込んでいることも多く、治療が適切に行われないとなかなか良くなりません。

 

不眠や過眠以外にも「食欲低下」や「体重減少」などがある場合は、早めに医療機関を受診してください。

 

うつ病の治療で、不眠や過眠と言った、睡眠障害が改善する可能性もあります。うつ病で不眠の症状がある人に、抗うつ剤と一緒に睡眠薬を処方すると、うつ病の治りも早くなることが欧米では報告されています

 

うつ病で多く見られる睡眠障害

約9割が不眠です。「早朝覚醒」「入眠障害」「中途覚醒」も多く見られます。

過眠も約1割。「非定型うつ病」「季節うつ病」に伴います。「双極性障害」の場合は不眠、過眠、どちらも見られます。

 

※うつ病にはいくつかの種類がありますが、ここでは一般にうつ病と呼ばれる、「抑うつ症状」を伴う「大(だい)うつ病」のことを指します。

 

過眠が現れるうつ病の種類と治療

過眠が現れるタイプは

  • 双極性障害(躁うつ病)
  • 気分変調症
  • 非定型うつ病
  • 季節性うつ病(冬季うつ病)

です。

 

双極性障害(躁うつ病)

うつ状態と躁状態が交互に現れます。うつ状態の時に過眠が現れる場合が多いですが、不眠が現れることもあります。躁状態では気分が紅葉し、眠らなくても平気なことも。

 

気分調整作用のある「炭酸リチウム」「バルプロ酸」(気分安定薬)、「オランザピン」(非定型抗精神病薬)などが処方されます。

 

気分変調症

軽い抑うつ状態が続き、疲労や食欲不振などが2年以上継続。不眠、過眠、どちらも現れます。

 

抗うつ薬を用いる薬物療法以外に、「認知行動療法」も行われます。これは物事や考え方の捉え方などを、少しずつ変えていく精神療法の一つです。

 

非定型うつ病

特に若い人に増加の傾向があります。自ら「うつ病だ」と訴え、周囲に責任を添加します。過眠を伴うことが多く、生活のリズムも乱れがち。

 

抗うつ薬を用いる場合は、衝動的に行動する危険性があるので、注意しながら使わなければいけません。

 

生活習慣の改善や、認知行動療法も行われます。

 

季節性うつ病(冬季うつ病)

文字通り、冬の間だけに強い抑うつ症状が現れます。春になると自然に良くなっていくタイプです。過眠や過食、気力の低下などが現れます。

 

冬の間の日照時間の不足が関係しているといわれ、高照度光療法が行われます。

 

 

まとめ

不眠や過眠が2週間以上続いたり、食欲不振、体重低下などの症状があったら、うつのサインかもしれません。早めに病院を受診してください。

 

また、様子がおかしいのは周りの人も気づきやすいので、家族や職場で「ちょっとおかしいな」「最近眠れないのでは」という方に気づいたら、受診を促してあげtください。

 

早期に発見し、治療を開始すれば仕事にも支障なく治すことが可能です。

 

 

「”お父さん、眠れてる?”キャンペーン」

中高年男性のうつ病の早期発見を目的としたキャンペーンです。

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画像出典: 内閣府 自殺対策 睡眠キャンペーン

 

2007年に静岡県富士宮市で、中高年のうつ病による自殺予防の一環として、開始されました。その後全国的に広がり、ポスターが貼られたり、政府インターネットテレビなどでも広く放映されています。

 

睡眠キャンペーンとは?

我が国における自殺者数は、平成10年から12年連続で3万人を超えています。

その中でも、中高年男性の自殺がもっとも多く、自殺は、がん、心疾患、脳血管疾患の三大死因に匹敵する問題となっています。

中高年の自殺で、「うつ」が起因しているものは少なくありません。ただし、「うつ」の症状には、本人の自覚しにくいものも多く、家族や周りの人も気づきにくい傾向があります。そのような中で、「うつ」の症状の中で、もっとも自覚しやすいものは「不眠」です。

2週間以上継続する不眠の早期発見が、うつ病の早期発見・早期治療、ひいては自殺予防につながります。

「睡眠」の問題を切り口として、「うつのサイン」に気づいていただくこと、早めの専門機関への受診を促すことがキャンペーンの目的です。

出典:target="_blank">内閣府 自殺対策 睡眠キャンペーン

 

 

参考: 

nettv.gov-online.go.jp  (2010年9月30日公開)

 

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