ナースほど誇れる仕事はありません

健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

心から大切にしたいものとのわかれ~ナースが見た2つの死に学ぶ

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死によって、大切なものから引き離されるのは、悲しい。

でも、それ以上に悲しいのは、大切にしたいものを持てないこと。

 

他人とはいえ、亡くなっていく人を見送るのは、どんな時でも辛いものですが、人間は、いつか死を迎えるものであり、ナースの仕事に、死について学ぶことは必要です。

 

 

死と向き合う時~大切にしたいものを持つことができたかどうか

 

患者さんの死にショックを受け、ナースの仕事が怖くなってしまうこともある。

ナース自身の大切な犬や猫の死に、ペットロス症候群を発症することも。

 

死を考える、考えさせられる2つの出来事がありました。

 

 

孤独死は寂しい?幸せな死とは

新人ナースだったころ、病棟には入退院を繰り返す、やせ細った高齢の女性患者さんがいらっしゃいました。料亭の女将さんで、凛とされていて、闘病のやつれもあるのに、とても艶っぽい。

 

生涯独身を通し、身寄りもあまりいないようでしたが、彼女に似た雰囲気を醸し出す女性たちが、よく面会に来ていて、時に華やかな笑い声が病室から聞こえてくる。

 

 

心から大切にしているもの

彼女には、大切にしている犬たちが居ました。それも血統書付きで、ドッグショーでも度々賞を取るような犬たちです。

 

元気な頃は、犬たちの自慢話を、それはそれはとても嬉しそうに、熱っぽく語ってくれたものです。体調を崩してからは、人を雇って面倒を見てもらっていたそうですが、犬たちのことを本当に、心から大切にされていました。

 

 

孤独な寂しい死?

亡くなられた時、その死を看取ったのは、面会に来られていた女性ばかり。

夫も子供もいない、一人の女性の死に際を「孤独な寂しい死」ととらえる人もいるでしょう。

 

しかし、心から大切なものを持つことができ、心から集まってくれた大切な友人達に看取られた彼女の死は、決して孤独死ではなく、幸せだったように思えます。

 

 

ペットロスで仕事が出来ない

「親や旦那が死んだ時より、ペットとの別れのほうがはるかに辛かった」

 

ペットというよりも、家族という考え方のほうが多くなっている昨今、ペットロス症候群を発症し、うつ状態になってしまうことも増えてきました。悲しみのあまり、何もできなくなってしまう…

 

・泣いてばかりいる

・食欲がない

・体重が減る

 

などがペットロス症候群の症状と言われます。当然仕事への影響もあり、強くなるとうつを発症することもあります。

 

しかし、これらの症状がない状態での、ペットロスもあります。

 

 

私は薄情者なの?

若いナースが、大切にしていた猫が死んだ後、みるみる太ってきました。食欲もあり、冷たくなった身体をなでた時に泣いただけで、その後は泣くことも無い。

 

「あんなに大切にしていた猫が死んだのに、薄情なんでしょうか」と自分を攻め続けているのが、とても可愛そう。

 

 

心配な極度のストレス状態

通常、ペットロスは泣くことが出来ます。時間はかかるけれど、いずれは受け入れられる。泣くことでストレスを発散しています。

 

泣くことも出来ず、食欲がある、というのは、感情のコントロールが全く機能していない可能性があります。

 

泣けないので、極度のストレス状態を、食べることで発散させようとしているのです。

 

過食や異常行動が見られる場合は、精神安定剤の服用や、治療の必要が出てくるので、早めの受診を。

 

大切なもの-愛猫との別れ

ナースは人間の死を多く見ています。しかし、動物の死には人間とは全く違う、独特の悲しみが感じられる。

                     

「純粋な悲しみ」

人間と動物の関係は、人間同士のように、ドロドロしたものでなく、残されるのは楽しかった思い出のみ。

 

死はいずれ訪れる

大抵の場合、死に至るプロセスは、ある程度予測出来るようになります。

 

病院はかなり刺激の強い世界で、そうした状況に立ち向かい、力をつけるうちに慣れが生じないとも限りません。

 

しかし、予想以上に悪化が早かったり、思わぬ急変になることも少なくないので、生死の現場で感覚を麻痺すること無く、やっていけるのだと思います。

 

死というものは、人間の力を超える圧倒的な力を持っています。

 

 

まとめ

ナースの仕事は、患者さんの死にも何回も出会う。死はいずれ訪れるものですが、いざ亡くなるとうろたえてしまいます。

 

孤独死、と見られそうな患者さんの死も、大切なものを持つことが出来た、幸せな死だったと思ったり、猫のペットロスに「薄情なのだろうか」と責めたり。

 

様々な「死」から、ナースは多くのことを学び、強くなる。

 

 

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ