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ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

子宮筋腫の治療と妊娠~不妊が疑われるときは手術を検討

子宮筋腫で子宮の内側が変形すると、受精卵の着床がうまくいかず不妊の原因となったり、妊娠しても出血しやすいため、流産の可能性が高くなる可能性があります。子宮筋腫と妊娠の関係、治療についてお伝えします。

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子宮筋腫の治療と妊娠

新橋の女子会から2ヶ月後のことです。

 

粘膜下筋腫がいくつもあって、もしかしたら不妊の原因になっているかも、と言われちゃいました

 

過多月経だったのかな

 

そうだったんです。みんなこんなものかなあ、なんて思っていたのだけれど…

 

治療は勧められたの?

 

はい、「不妊治療を考える前に子宮筋腫を切除しましょうね」って。
子宮に深く入り込んではいないということで、子宮鏡下手術となりました

 

 

治療法

子宮筋腫が見つかっても、すぐに治療が必要とは限りません。過多月経で日常生活に支障がある、不妊の原因などの場合に治療を行います。ごくまれですが、画像検査で悪性との区別がつきにくい場合、確定診断をするために手術が必要になります。通常は経過観察と言って、半年から1年に一度程度の診察を受けて、筋腫が大きくなっていないかなど、様子を見ます。

経過観察

検査で子宮筋腫が見つかっても、症状がない場合は、半年から1年に一度くらいの割合で診察を受ける「経過観察」になることが多いです。自覚症状がなく、困っていないと婦人科にいくのはおっくうになりがちですが、急に大きくなる筋腫には、悪性に近いものもあります。定期的なチェックは必ず受けましょう。

筋腫は女性ホルモンの影響で成長します。生理が有るうちは少しずつ大きくなったり、新しい筋腫ができることも多いのが特徴です。今は問題がなくても、治療が必要になる可能性は十分考えられます。きちんと受診することが大切です。

薬物療法

過多月経で日常生活に支障はあるけれど、仕事や家庭の事情ですぐには手術ができない場合、とりあえず薬物療法で、症状を抑えます。

  • 止血剤で出血を抑える
  • 低用量ピルなどで出血量を減らす(妊娠を急がない場合)

これらの治療を行っても十分な効果が現れない場合は人工的に閉経状態をつくり、生理を一定期間止める方法もあります。いずれも根本的な解決方法ではなく、一時的に症状を抑える対処療法です。

低用量ピル

1日1錠、21日間服用し、7日間休薬。休薬期間中にごく少量の出血が起こりますが、服用中は排卵が起こらず、子宮内膜の増殖が抑えられるので、出血量が大幅に減少します。避妊薬でもあるので、服用中は妊娠しません。服用を止めれば妊娠可能です。

薬剤付加IUD

IUDは子宮内に装着する避妊具ですが、黄体ホルモンの働きで子宮内膜の増殖が抑えられ、出血量が大幅に少なくなります。一回の装着で5年間効果が持続します。取り外せば妊娠可能です。

止血剤(トラネキサム酸)

生理時の出血が多量な場合に服用します。肝斑の治療に使われる薬と同じですが、血管収縮を促し出血を抑える働きがあります。

GnRHアナログ

人工的に閉経状態にする偽閉経療法です。毎日スプレータイプの点鼻薬と4週間に一回の注射薬があります。副作用として更年期障害のような症状がおこり、骨粗しょうのリスクも上がるので、6ヶ月しか使えません。

治療期間中は出血がなくなり、子宮筋腫も小さくなりますが、治療を中止するともとに戻ります。手術前に、出血を抑えるために短期間使用する場合もあります。

手術

子宮筋腫を根本的に治療するなら、手術です。筋腫の部分だけを取る子宮筋腫核出術と、全摘術があります。良性の病気なので、すぐに手術をしなければ行けないわけではありません。閉経で自然に小さくなるので、40代後半なら、閉経までの「逃げこみ療法」として薬物療法を行い、手術を回避できる場合もあります。

  • 悪性の可能性がある
  • 不妊原因である可能性が高い
  • 過多月経

などの症状が薬でコントロールできず、外出が困難になるなど日常生活に支障がある場合は、手術を検討するのは速いほうが良いでしょう。子宮筋腫がある方で手術が必要になるのは、1~3割程度と言われます。

手術方法(子宮筋腫核出術)

筋腫のできている場所や大きさ、数によって異なります。本人の負担が最も少ないのは、膣からできる子宮鏡下手術ですが、粘膜下筋腫に限られます。

腹腔鏡手術の普及が進んでいますが、筋腫が大きすぎたり、数が多すぎたりする場合は、開腹手術が必要になることも多いようです。病院によって手術法の選択基準が多少異なる場合もあります。主治医とよく相談し、納得のいく方法を選びましょう。

子宮鏡下手術

子宮の内側に出来た粘膜下筋腫に、膣から子宮鏡を挿入して行う手術です。子宮に深く入り込んでいる場合などは、対象にならないことも。手術の傷が残らず、術後の痛みもありません。入院期間は通常2泊3日程度です。

腹腔鏡下手術

お腹に数か所、0.5~1cm程度の小さな穴をあけて腹腔鏡や手術器具を挿入し、お腹なの中の様子をモニター画面に映しながら、筋腫だけを切除します。開腹手術より術後の傷は目立ちません。手術中に出血が多い時などは、途中から開腹手術に切り替えることもあります。入院期間は4~5日程度です。

開腹手術

おへその下をたてか横に1cmほど切開し、筋腫を切除します。筋腫の大きさが10cmを超えると開腹手術になることが多いようです。入院期間は10日程度です。子宮にメスを入れるため、手術後にシュッsんする場合は、安全のために帝王切開で行われます。

子宮全摘術

子宮筋腫核手術のほうが術中・術後の出血や腸などの癒着のリスクが高いです。妊娠の希望がなければ子宮全摘術が進められます。開腹手術で行うことが多いのですが、腹腔鏡下手術で行っている病院もあります。

子宮がなくなるので、筋腫の再発を心配することはなく、毎月の生理からも開放されます。卵巣が残っているので、ホルモン状態は手術前と変わりませんが、妊娠はできなくなります。

新しい治療法UAE(子宮動脈塞栓術)

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出典: 杏雲堂病院>婦人科>UAE外来のお知らせ

多発性の筋腫などに効果があるとして、注目されているのがUAEです。UAEとは子宮筋腫に栄養を供給する血管を一時的にふさぎ、子宮筋腫を壊死させる治療法です。X線で血管の様子を観察しながら、脚の付け根からカテーテル(医療用の細い管)動脈に挿入し、子宮の動脈まで到達させます。

そこから塞栓物質を注入し、血液の流れを一時的に止めてしまいます。子宮筋腫は子宮動脈から血液を供給されて成長していきます。その道が閉ざされることで、子宮筋腫が壊死する仕組みです。

子宮自体は子宮動脈以外からも血液が供給されるので、壊死することはありません。入院期間は6日程度です。

メリット

体にメスを入れないので傷が残らず、子宮を温存できます。大きさや数にかかわらず、手術で困難な筋腫にも有効。壊死した子宮筋腫は1年後くらいに元のサイズの30%~40%に縮小し、手術後の癒着や再発のリスクは少ないです。

デメリット

筋腫を摘出せず、組織検査が出来ないので悪性が疑われる場合は行えません。術後に強い痛み(術後1~2時間語が最も強く、鎮痛剤・硬膜外麻酔で対処)がありますが、薬で数日ほどで収まります。

現状では妊娠・出産は進めないとされていますが、数年前から欧米では妊娠への影響は開腹手術などとそれほど差が無いという報告もあり、日本でも一部の医療機関では、妊娠希望者にも行われています。

費用

UAEは平静26年月から塞栓物質がエンボスフィアという物質の場合、健康保険が適用され、自己負担額は15~18万円程度。体内に残らないゼラチンスポンジを使用すると自費で45万円程度です。

 

手術後の妊娠について

子宮筋腫は、筋腫の種類や出来た場所、大きさなどにより手術方法を検討しますが、妊娠の希望があるかないかによっても、選択は異なります。

子宮全摘術は子宮筋腫核出術よりも、出血や腸などの癒着のリスクは低いですが、子宮がなくなるので妊娠は出来ません。また、開腹手術をした場合は、一定期間間を開けての妊娠を計画し、出産は安全のため帝王切開で行われます。新しい治療法UAEも、開腹手術などと妊娠への影響はそれほど差がないと言う報告もあり、現在は妊娠希望者への施術が行われている医療機関もあります。

Kさんの妊娠

Kさんの不妊の原因となっているらしい子宮筋腫は、子宮鏡下手術で切除でき、ウソのように出血が減り、体が楽になったことに驚いたそうです。その後めでたく妊娠しました。

 

普通の生理って、こんなに楽だったんですね!もっと早く検査をしていれば良かったです

 

妊娠おめでとう!なかなか他人と比べたりしないから、そういうものかな、なんて思っちゃうのかもね。

 

ありがとうございます。手術後痛みは殆ど無かったし、不妊はやっぱり筋腫のせいだったみたいで、手術して本当に良かった。Aさんに背中を押してもらえたお陰です。

 

実は、私も妊活をしようかな、なんて考えたのよ。最近は「高齢者用」(笑)のサプリメントとかあるらしいし。でも、看護師と子育ての両立は体力的に無理だろうなあ、と言う結論で、2人仲良く年を取りましょう、となりましたとさ

 

ごちそうさま!

サプリメント、私も飲んでいましたよ。

 

 

まとめ

子宮筋腫で手術が必要になる人は、1~3割程度と言われています。通常は治療の必要はありませんが、急に大きくなったりすることもあり、定期的な診察が進められます。日常生活に支障がある、不妊が疑われる場合は、医師と相談の上、納得のいく治療を受けましょう。

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