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胃潰瘍の原因はピロリ菌だけじゃない!NSAIDs胃潰瘍が増加中

胃潰瘍の主な原因はピロリ菌の感染ですが、最近増加中なのが、痛み止めの薬NSAIDS s の服用。ピロリ菌とは、NSAIDsとはについて、胃潰瘍の症状や治療、予防についてお伝えします。

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胃潰瘍の原因最新情報

かつてはストレスが主な原因とされていた胃潰瘍ですが、ストレスだけで胃潰瘍になるケースは少ないのです。7~8割がピロリ菌の感染、2~3割は痛み止めで服用する薬、NSAIDsの影響によって起こります。

ピロリ菌の除菌が普及し、現在ピロリ菌に感染している人は減少傾向にあります。そのため、ピロリ菌による胃潰瘍は減りつつあるのですが、NSAIDsによる胃潰瘍は少しずつ増える傾向にあります。

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出典:図1 食事と生活環境の変化が消化性潰瘍に及ぼす効果
第57回日本リウマチ学会総会・学術集会 NSAIDによる消化管障害 2013年4月20日

 

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染

胃潰瘍を引き起こす最も大きな原因です。7~8割がピロリ菌の感染によるものと考えられています。しかし、ピロリ菌に感染した人がすべて胃潰瘍になるわけではなく、感染した人が強いストレスを受けたときに、胃潰瘍を起こしやすくなります。

ピロリ菌は胃の粘膜に生息する最近です。感染すると、毒素を出したりするため胃の粘膜が障がいされ、炎症がおこり胃の粘膜の防御機能が弱くなるために、胃潰瘍が起きやすくなるのです。

ピロリ菌の除去

ピロリ菌は薬で取り除くことができます。特に過去に胃潰瘍になったことがある人、いつも胃の具合が悪い人は、ピロリ菌の検査を受けることをおすすめします。感染していた場合は除菌治療を受けると良いでしょう。

除菌治療

3種類の薬を1週間続けで服用します。2種類は抗菌薬(アモキシシリンとメトロニダゾールクラリスロマイシン)で、これに胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害薬を併用します。

1回の治療では除菌できないことも1~2割程度あるので、その場合は除菌薬の種類を変えて再度治療を行います。

 

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の服用

胃潰瘍の2~3割は、NSAIDsが原因で起きています。NSAIDsは痛み止めとして広く使われている薬です。市販の風邪薬にも含まれているので、多くの人が服用したことがあると思われます。特に関節炎やリウマチなどの治療によく使われ、長期間服用する場合もあります。

NSAIDsとは

消炎作用や鎮痛作用、解熱作用をもち、関節炎、リウマチ、脳梗塞、心筋梗塞など様々な病気の治療に使用されています。

胃潰瘍のリスクが10倍!

NSSIDsで胃潰瘍ができやすくなるのは、胃の持っている胃の粘膜を守る働きを、薬が押さえてしまうので胃の防御機能が低下し、胃壁が傷ついてしまうからです。

NSAIDsを使い続けている人を対象とした調査では、15.2%の人に胃潰瘍がありましたが、使っていない人では胃潰瘍のある人は1.6%だけです。NSAIDsを使い続けると胃潰瘍になるリスクが、薬10倍になると考えられています。

薬をやめられない場合

NSAIDsが原因の胃潰瘍は、薬をやめることで良くなることがあります。しかし、病気によってはNSAIDsを使い続けなければならないこともあります。例えば脳梗塞や心筋梗塞の危険性がある人です。

血液をサラサラにして固まりにくするために、低用量アスピリンを服用します。長期間服用するので胃潰瘍のリスクが高まりますが、脳梗塞や心筋梗塞の予防には、服用をやめるわけにはいきません。

このような場合には、胃潰瘍を予防するために胃酸の分泌を抑える、プロトンポンプ阻害薬を併用します。特に高齢者、胃潰瘍を経験したことがある人は、この薬の併用が重要です。

 

治療

出血している場合は内視鏡で患部を焼灼するなどして止血します。殆どの場合止血できますが、どうしても難しい場合は手術が選択される場合もあります。穿孔が起きた場合は緊急手術となります。出血がない場合や止血が成功した後は、薬物治療が行われます。

薬物治療

胃酸の分泌を抑える薬がまず使われます。胃潰瘍治療の基本となるプロトンポンプ阻害薬とH受容体拮抗薬(Hブロッカー)があります。さらに胃の防御機能を高めるプロスタグランジン製剤、胃粘膜保護薬が補助的に使われることもあります。

薬の服用で症状は数日から1週間で収まりますが、潰瘍じたいはすぐには完治しないので、2ヶ月ほど継続して服用することが大切です。

 

ストレスがきっかけに生活習慣の乱れなどが関わって、胃もたれや胃痛が度々起こる機能性ディスペプシアについては、こちらのエントリーで紹介しています。

胃の調子が悪い状態が慢性化…機能性ディスペプシアかも - ナースほど誇れる仕事はありません

 

参考

日本内科学会 消化性潰瘍の診断と治療雑誌Vol.94(2005)

患者さんと家族のための消化性潰瘍ガイドブック 日本消化器病学会

(://www.jsge.or.jp/files/uploads/02_kaiyou.pdf)

日経メディカル 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 2015/2/6

「胃潰瘍の原因はピロリ菌だけじゃない!NSAIDs胃潰瘍が増加中」

 

まとめ

胃潰瘍は主にピロリ菌が原因となり、強いストレスが加わることで発症しやすくなります。近年除菌が普及してきたことで、ピロリ菌による胃潰瘍は減少傾向にありますが、変わって増加しているのが、痛み止めに使うNSAIDsの服用によるものです。

それぞれの原因に対する予防を行い、胃潰瘍を発症したら、出血や胃酸を抑える治療を受けることが大切です。

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