健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

情報の海で溺れていない?患者さんに灯りをともすのも看護師の仕事

情報があり過ぎて、その中で溺れているような状態に、灯りをともすのは看護師の仕事。害がないものでも一利があるかもしれません。昔の人の知恵が、科学にも負けない方法論に基づいていることもあるのです。

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患者さんが情報に迷わないようにするのも大切

看護師は巷にあふれる健康情報、昔ながらの知恵について、その是非を聞かれることも多い。

それらについて自信を持って答えることは、現実には難しいので、当たり障りの無い返事をしています。中でも難しいのは、民間療法について聞かれた時です。

 

害のないもの一利あり、かも

ケース・バイ・ケースではありますが、極端なものは除き、「そうですねえ、一度調べてみましょう」「一度試してみて、効果がなければやめたら良いのでは」くらいにお応えしています。

「薬ではないのでなんとも言えません。誰かが使って効果が有ったとしても、あなたに効果があるかどうかは、わかりませんよ」ではあまりにも事務的な返事のような気がするので。 

明らかに害がありそうなものはいけませんが、例えば知人に勧められたサプリメントとか、TVの健康番組で紹介されたものなど。害がなければもしかしたら一利あるかもしれません。

 

食事療法

糖尿病の患者さんの血糖値もHbA1cも、基準に近づいて来たので驚くと、親戚から勧められ、間食をところてんに変えたのだとか

私達も驚き、他の患者さんにも食事内容にところてんを加えてみました。が、血圧は変わらず、逆に体重が増えてしまいました。

誰にでも有効とは限らない、そもそもところてんの作用なのかどうかも不明です。

しかし、ところてんなら害はありません。試してみて効果がなければヤメれば良い。効果が有れば万々歳です。

バランスが良ければ問題はない

身内や知人などに食事療法を勧められても、あまり乗り気でない場合もありますが、断りにくい状況の場合もあるでしょう。

特定のものばかり食べる、普通は食べないようなものを食べなければいけない、と言った場合は危険です。きっぱり断るのが良い。

そうでなければ、一定期間試してみて、「私には合わないみたいです」と断れば角はたちません。 

民間療法の是非

つい先だってお亡くなりになった、女優の川島なお美さんが民間療法に頼られていた事がメディアで大きく取り上げられていました。 

西洋医学で打てる手はすべて試したがんの患者さんが、いちるの望みを託して民間療法に頼る事は少なくありません。。

抗がん剤や民間療法の是非を問うのはとても難しい。残念ながら利益が第一の場合が無いとはいえませんが、いずれにせよ、治療法を選択するのは本人とご家族です。

納得の行く治療を受けられるのなら、それもありでは無いでしょうか。

ただ、民間療法の良し悪しを尋ねられた場合は、本当に差し障りの無い言葉しかかけられないのも事実です。その是非を問うことはできない。

 

健康ブームは紅茶キノコから?

健康食品の走りとも言える、紅茶キノコが話題になったのは、41年前の1974年ですので、ご存じない方も多いでしょう。菌体を、砂糖を加えた紅茶で培養、その培養液をのむのだそうです。

高血圧が治った、ニキビが消えた、喘息が治ったなど様々な効能が書かれていました。

当時何100万人もの人が飲んでいたと思われます。しかし、雑菌が増殖すると言われて、一気にブームは去って行きました。 

その後もいろいろな食品が、◯◯に効く、と言われ、ブームになってはすたれていく繰り返しをしています。

  

いいものはいい、効くものは効く

昔の人の長い経験から来る方法は、近代科学にも負けない知恵とも言えます。

祖母は、私が風邪をひいて熱を出すと、必ず金柑のシロップ漬けの瓶を取り出し、お湯で薄めて「飲みなさい、楽になるよ」と持ってきてくれました。

祖母が子供の頃は、ハシカにかかると犀の角*を砕いて粉末にしたものに水、金柑の絞り汁、黒砂糖を入れたものを飲まされたらしい。 

犀の角には、軽い解熱、発汗効果があるとされ*、金柑は新鮮なビタミンC、そこにカロリーとしての糖分を入れて飲みやすくし、水分の補給もできる。まさに理にかなっている方法だったといえます。

犀角(さいかく)とは、動物のサイの角のこと。漢方薬として古くから使用されていた。

*科学的にみれば、サイの角は単なるケラチンの塊であり、これに薬効は実はほとんどない。

出典: Wikipedia  

 

情報の海で溺れないために

猫も杓子も健康ブーム。TVではどのチャンネルを回しても、健康番組を見ないことは無いほど。

「◯◯には△△が効く」と放送された翌日は、お店から△△が消えてしまうけれど、いつの間にかすたれていく… 

10のうそでもその中の2つに効果があれば「効く」、半分効果があれば「効果あり!」実際は残りの8、5、は効果は無いということです。 

一方、昔の人の長い経験からくる、病気の時の対処法には、近代科学にも負けない方法論に基づいているものが多いのも事実です。 

情報に流されない、確かな目が必要な時代となっています。

 

まとめ~情報を見抜く眼力

健康に関する情報の海で溺れないために、何が自分に取って必要な情報なのかを、見極める確かな眼力が必要です。 

看護師は患者さんが溢れる情報に翻弄されないよう、灯りをともす役割でありたい。民間療法やサプリメント、昔からの知恵などにも精通するのがベストですが、それは無理な話。 

であれば、せめて患者さんを傷つけずに、相談に乗っていけるようにしたいものです。

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