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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

避難生活、高齢者の熱中症が危惧!熱中症予防で知ってほしいこと

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早々と真夏日を観測している昨今、熊本地震で避難生活を余儀なくされている方、特に高齢者の熱中症が危惧されます。高齢者の熱中症による死亡者割合は、2010年の記録的猛暑後非常に高いままです。高齢者に熱中症が多い原因を知ることで、熱中症対策を可能な限り行い、熱中症が予防出来ることを願います。

高齢者の熱中症対処と予防

若い世代や中年層では、熱中症の対処や予防の方法なども広まり、重症化するケースは減少傾向にありますが、高齢者の熱中症による死亡者の割合は依然として高い。特に災害などで避難生活を送っている高齢者は、より注意が必要な季節となりました。熱中症のリスクの高い高齢者の、熱中症対処と予防をお伝えします。

 

高齢者に熱中症が多い原因と熱中症対処

予防するためには、熱中症になりやすい原因を知ることも大事です。原因となることを避けることで予防にも繋がる。高齢者の身体的特徴や、熱中症になりやすい日常生活を知り、予防につなげます。

高齢者は屋内、屋外での発症の割合がほぼ同じです。屋内でも屋外でも同じように日常生活を送る人が多いことも背景にあるようです。しかも若い年代に比べ重症化しやすいのも特徴で、熱中症による死亡者のうち高齢者の占める割合が多いのは、このためです。

高齢者の熱中症、身体的原因

  • 加齢により体内の水分量が不足し、脱水症状をおこす危険性が高い
  • 湿度変化やのどの渇きを感じにくく、水分摂取が不足し易い

高齢者は若い人に比べて、温度を感じるセンサーが鈍くなっています。20歳代の男性が僅かな熱量で反応を示すのに対し、60歳代男性ではその1.5倍~2倍の熱量が無いと反応を示しません。

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また、高齢者の汗の量も減っていて、60歳代の男性の汗の総量は、20歳代の男性の85%までに低下、部位ごとの汗の量も変化しています。発刊の機能の老化は、脚から体の上部へと進み、高齢になると、下部の発汗量減少を補うために、頭部の発汗が増加します。

日常生活での原因

  • トイレが近くなるのを嫌って水分を控える
  • エアコンを使わない
  • 服の脱ぎ着など、こまめな体温調整をしない
  • 持病や薬の影響
  • 家庭や地域で孤立

普段から体調が万全で無いことも多く、熱中症に気付かずに重症化したり、孤立しているために発見が遅れることなども原因となります。

避難生活では、特にトイレの問題から水分をセーブしがちで、エコノミークラス症候群のリスクが高い上に、これからの季節は熱中症のリスクも高まります。

症状と対処

熱中症の症状と対処は以下の通りです。

重症度症状対処
軽症
(I度)
 めまい
 たちくらみ
 脚の筋肉がつる
 涼しい環境
 体を冷やす
 水分・塩分の補給
中等症
(II度)
 頭痛
 吐き気
 嘔吐
 だるさ
 救急車を呼ぶ
 涼しい環境
 体を冷やす
 できれば水分・塩分の補給

重症
(III度)
 ふらふらする
 たてない
 意識障害
 けいれん

 

めまいや立ちくらみ、脚の筋肉がつる、と言った症状は、熱中症特有のものではないので、熱中症を発症していることに気付かず、進行してしまうことも多い。

特に高齢者は、持病があって熱中症とは思わなかったり、周囲から孤立していて異変の発見が遅れることもあります。周囲の人との繋がりを持つ、夏バテなどと思わず、早めに対処することが大切です。

 

熱中症を予防する生活術

今の日本の夏は、昔とは違い特に夜間外気温が下がっても、室温が外気温より高くなりがちです。そういった変化を認識し、対策を立てることが大切。夜眠れないと、翌日に疲れを持ち越し、体調の変化を招きやすいので、次のような点に注意し、熱中症の予防をしましょう。高齢者には、周りの人の気配りが重要です。

湿度・温度の確認

体感に頼らず、温度計や湿度計で、温度・湿度を確認しましょう。一般的に室温や28℃以下、湿度70%以下を目安に調整します。

エアコン、扇風機、換気扇などの活用

エアコンはスリープモード(就寝中用の機能)で温度管理をします。室内の空気を循環させるには扇風機や換気扇の併用を。扇風機は窓に向け、首振りでエアコンからの冷風に向けて上向けにします。また、直接体に風が当たらないように注意することも大切です。

窓からの直射日光を避ける

窓からの直射日光を遮ると、室温の上昇を抑えることができます。ヨシズやすだれ、カーテンなどで工夫します。

暑さに体をならす

本格的な暑さが始まる前の時期に外出を心がけ、暑さに体を慣らしておくことも有効です。暑い時期には、不要不急の外出は控え、普段からなるべく日中の外出も控えます。

水分の補給

こまめな水分補給を忘れずに。冷たい飲料をがぶ飲みするのはオススメできません。大量の汗をかいた時は、塩分も忘れずに補給が必要です。スポーツドリンク等が電解質なども取れるのでおすすめですが、大量に飲むと糖分のとりすぎになるので、適量に。

衣服などで調整

なるべく涼しい服装を心がけることも大切。汗を蒸発させやすい機能性下着の利用や、冷やしたタオルで体を拭く、保冷剤を使った予防グッズなど、様々な対策があります。

 

熱中症とは

暑い環境にさらされる、スポーツや肉体労働などで体内で熱が作られる

⇒体温が上昇し、大量に汗をかき、体の中の水分や塩分が不足する

⇒水分や塩分を補給しないでいると、血液循環に異常が起こる

⇒様々な障害がおこりやすくなる

⇒さらに熱そのものが臓器に障害を起こす

このような状態を総称して、熱中症といいます。

 

増える高齢者の熱中症f:id:lady-jhones:20160513235928p:plain

記録的な猛暑だった2010年、7月~9月に熱中症で救急搬送された人は、5万人以上、1年間の死亡者数は1600人を超えるという事態になりました。年ごとの気象条件に左右されますが、翌年は下降したものの、熱中症による救急搬送数、死亡者数は増加傾向にあります。特に高齢者の死亡割合が非常に高い状態は、そのまま続いています。

高齢者と熱中症

熱中症といえば、炎天下や空調の効かない工場などで起こるもの、というイメージが一般的でした。確かに若い年代から中年層ではスポーツや肉体労働中に多く発症し、屋内での発症は比較的少ない。また、熱中症対策が広く浸透したことなどで、重症化するケースは減少する傾向にあります。

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従来熱中症の死亡者のうち、65歳以上の高齢者は5~6割でしたが、2010年の記録的な猛暑を境に、8割前後を占め続けています。

グラフ資料出典:人口動態統計(厚生労働省)に基づく、熱中症死亡者数の年次推移(平成7年~26年)

 

まとめ

近年の異常気象は年々多くなっています。体温よりも高い気温が続けば健康な人でも、体調を崩します。ましてや高齢者への影響は計り知れません。自分では気づかない場合もある高齢者の熱中症。周りの注意喚起が重要です。

避難生活をされている方は、なおさら普段と違う環境でのストレスも加わります。被災地の皆様が、少しでも快適にこれからの季節を乗り切れますように。

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