ナースほど誇れる仕事はありません

健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

病院食は患者の胃の意見に耳を傾けるべき。入院中の食生活の改善

 

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病院食は栄養は考えられているがまずいもの、と患者も病院も当たり前のように思っている現状がありますが、食事は、看護の上での重要な項目です。

看護者が“病人にとっての食事のあり方”に深く思いを致し、配慮をしなければならぬ。

「看護覚え書」から

 

ナイチンゲールは食事というものを、看護の上での重要な項目として取り上げています。

 

 

現在のように献立を作るところから、食事を与えるまでの業務がそれぞれ細分化されていない時代のことですので、看護をするものは、食事の準備から患者さんが食するまでのすべての過程に関与せざるを得ません。

 

そのため、看護のあり方を論ずるときに、食事についての発言も出てくるのでしょう。

 

 

病院食はまずいのが当たり前

ひところに比べ、病院食もかなり改善され、「◯◯病院の食事は美味しい」と言われるような病院も見かけられるようになりましたが、残念ながら依然として「まずい」のが一般的なようです。

 

栄養学的にどんなに良い食事であっても、美味しくなければ食欲もわかず、栄養不足に陷ることもありえる

 

制限食であっても、美味しく食べられるような工夫はできるはずですが、「病院食はまずいもの」と言う患者側の諦めや、作る方も「どうせまずいと思われているから」と工夫がない。

 

一人で何でもしなければいけなかった、ナイチンゲールの時代に比べて、それぞれの過程をそれぞれの専門家が分担する、というシステムの現代は、働くものに取っては過度の負担は軽減されました。

 

また、それぞれのリサーチが深められる、と言ったメリットはありますが、逆に細分化されたことにより、デメリットが生まれているのはいなめません。

 

 

食事は一つの楽しみ

患者さんにとって、食事は「治療の一つの手段」です。しかし、入院という単調な生活を救うための「一つの楽しみ」でもなければなりません。

 

経費の少なさ、調理をする人たちの労働条件の悪さ、などの側面を止むを得ないものと考えると、おいしい食事の提供は無理、と諦めてしまいがちです。

 

しかし、入院中の食生活の改善を、患者側も看護側も、もっと要求しなければいけないのでは無いでしょうか。

 

患者の胃の意見に耳を傾けるべき

食品分析表を絶対視し、「栄養のバランスがとれた食事」が最良と考えている人は少なくない。

 

ナイチンゲールは、患者さんに何を食べさせるかを決める立場の人は、患者の胃の意見に耳を傾けるべき、と考えています。

 

病人の胃は、様々な選択原理に導かれている

化学という学問は目下のところ、こと病人食に関しては、ほとんど何の知見をももたらしてはいない。(中略)食品分析表があるが、それは、ただそれだけのものである。ほとんど例外なく病人の胃は、単に食物中に含まれる炭素成分や窒素成分の量などでなく、他のさまざまな選択原理に導かれてはたらいている。(中略)疾病の経過の中で進行している回復過程についても実験室で学べる、ということには決してならない。

 

医師は胃の意見について何の情報も得られない

日に一回か、もしくはわずかに週一、二度しか患者と顔を合わせない医師たちは、患者自身あるいは患者を常時観察している人間の協力がないかぎり、これに関しては何の情報もえられない

看護婦の任務の中でも他に比較できないほど重要な任務は、患者の呼吸する空気に注意をはらうことについで、患者の食物の影響を注意深く観察してそれを医師に報告することなのである

看護師が患者の胃の意見について報告した時、医師はそれを受け止めて活用出来なければいけません。

 

病院食の時間について

食事の時間は決められていますが、問題となるのが夕食の時間。かつては16時ということもありました。12時にお昼を食べてから4時間ではお腹も好きません。

 

さらに朝食までの時間が長過ぎる。夜の10時頃にはお腹が空き、仕方ないので眠って空腹を紛らわそうとしても、空腹のために眠れない…

 

患者さんの食事時間が、いつが最も適切かを知り、それに合わせるように配慮することは、治療の面でもとても重要な事です。

 

食事時間を希望の時間にして回復

食事摂取が少なくて衰弱してきた患者さんに、「食べられそうな時間はありませんか」とたずねたところ、「◯時と◯時なら」と答えたので、食事時間をそこに合わせました。

 

するとみるみる回復してきたのです。

 

日常の食事時間と全くかけ離れていたので、入院後、病院の食事時間に合わせることが困難だったケースです。

 

経営者側の都合

病院での食事時間は、経営者側の都合で決められているので、患者さんや病院スタッフから要望をだしても、実現は難しいのが現状でしょう。

 

このような質問が出来、それに合わせられる柔軟性の有る病院は、多いとは言え無いのが残念です。

患者が食物を摂れる時刻について考慮を巡らすこと、さまざまな角度から患者の衰弱が最も激しい時間帯について観察すること、衰弱のはげしい時刻を予測しその時刻を避けるために、食事の時刻を組み替えてみること、そのためには観察と創意工夫と忍耐力(これらはまさに優れた看護婦が持っている特質である)が要求されるが、そうすることによって、もっと多くの生命が救われるであろう。

 

まとめ

ナイチンゲールが「看護覚え書」で食事について論及している内容は、現代でも通用するもので有ることに、驚きを隠せません。

 

病院食は、単に治療のための栄養補給だけでなく、美味しくなければ効果も半減します。さらに、入院中の生活の質を高めるため、一つの楽しみとして、食生活の改善も必要です。

 

 

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