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ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

ネコでもわかる!温泉の効能、入浴効果

普通のお風呂でも入浴の効果はたくさんありますが、温泉の成分には、体に良い影響をあたえるものがあることが、医学的にもだいぶわかってきています。ストレス解消や健康にも役立つお風呂、温泉の効能、入浴の効果を改めてご紹介。

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楽しみながらできる健康維持増進法

入浴は毎日の疲れを癒やし、ストレスを解消する最も手軽で効果のある方法です。温泉であれば、含まれる温泉の成分の効能や、周囲の気候・環境等による心理効果もあります。もっと入浴や温泉を楽しむために、温泉の効能や、入浴効果について少しウンチクを傾けましょう。

 

入浴、温泉の効用

温泉は、神経痛や高血圧など、なかなか治らない病気や、傷を癒やす療養手段でもありました。自然の中の温泉に野生動物も訪れるのは、本能的に温泉が良い、と知っているのでしょう。入浴するカピパラやサルの映像が脳裏に浮かんだ方も多いのでは。

体を清潔に保つ目的の他にも、入浴の効用として考えられるものには、直接作用と間接作用があります。

直接作用と間接作用

毎日の大切な生活習慣の一つである入浴。お風呂や温泉は、直接作用と間接作用が総合的に働き、体の機能を調節したり、健康を増進する効果があります。

 

直接作用 

  • 物理的作用(浮力、静水圧など) 
  • 温熱作用 
  • 泉質の化学作用(温泉の場合)

間接作用(湯治などしばらく温泉地に滞在した場合に働くことが多い) 
心理的作用(日常と違う気分) 
環境・気候作用(温泉の場合)

 

 

直接作用

血液の循環や心臓、血圧などに影響があります。具体的には

  • 浮力
  • 静水圧
  • 温熱作用
  • 泉質の化学作用

などがあります。

浮力

浮力で体が軽くなった分、関節などに負担をかけず、手足を自由に動かすことができます筋肉への負担が減り、リラックス効果も

筋肉や関節の障がい、神経麻痺やリウマチなどによる運動障がいなどがある人でも、運動がしやすくなります。足腰の弱った方に、水中ウオーキングが良いのも浮力によって、体への負担が減り、運動がし易いからです。このような理由からも、温泉がリハビリテーションに利用されます。

静水圧   

 

お湯につかると、水面からの深さに比例して、体の表面にかかる水の圧力が静水圧です 空気中、半身浴、全身浴によって心機能に影響があります

 

この静水圧は血液の流れや心臓に影響を及ぼします。全身浴をすると手足など体の抹消にある血液が、静水圧によって心臓に押し上げられ、心臓の血液量は1.5倍にもなります。呼吸や心臓の働きが活発になるので、健康な人であれば、軽い運動をしたような効果がありますが、心臓や日に疾患のある人には、心臓や胚への負担が強すぎます。

 

心臓の悪い人は半身浴で 全身浸かりたいときは、湯船に浮かぶような格好にすると負担は軽くなります

 
 

【静水圧の影響】

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水の物理的応用:静水圧作用 空気浴、半身浴、全身浴において静水圧が体内分布と心臓機能に及ぼす影響
出典:日本健康開発財団 
       

  • 空気浴 普通に立っている状態では、重力の影響で血液は下半身、特に足の方にたまっている
  • 半身浴 下半身に静水圧がかかり、血液は少し心臓に戻るので、①より心臓が大きくなるが、呼吸器や心臓の弱い人でもあまり負担はかからない
  • 全身浴 抹消にある血液が、静水圧により強く押し上げられて心臓に集まる。心臓の容量は約5倍、逆に胚は横隔膜により押し上げられるので、容量が減り呼吸が早くなる 呼吸器や心臓の弱い人には負担が大きいが、健康な人には心肺機能のトレーニングになり、血液の循環もよくなる

温熱作用

 

温熱作用には、血液の循環、新陳代謝を盛んにする効果があります

 

温熱作用で末梢血管系で動脈と静脈がつながっている動脈吻合が開き、静脈血にも酸素が多く含まれるようになります。この効果は42℃のお湯に10分間使ったとして、入浴後20分くらい続きます。

温熱で血管が拡張し、血液の流れが良くなる。その結果酸素や栄養分が体の隅々まで行き渡って、老廃物の排出がすみやかに行われることで、新陳代謝が活発になり細胞が活性化されます。

【温度の違いによる体への影響】

 

高温浴(42℃以上の熱いお湯への入浴) 
交感神経を刺激し、心身の働きを高めて活動的な状態を作る 朝、仕事前のやる気を起こさせようという時におすすめ

 

※血圧の上昇や血液の粘度を高めるので、すべての人に向いているわけではありません。

入浴してすぐに収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)ともに強い上昇があり、入浴後もしばらく血圧の高い状態が続きます。

入浴後1時間位は血液が濃くなり、粘度も高くなります。動脈硬化がある人は、血管の壁が暑くなって内腔が狭くなっています。ここに濃い血液が流れるので、より一層流れが悪くなり、脳梗塞を起こす危険性が高まります。

 

ぬるめ(38℃前後)の入浴 
高血圧や動脈硬化のある人、心臓の弱い人、高齢者などは、ぬるめのお湯にゆったり浸かるのが望ましい リラックスに繋がる

 

ぬるめのお湯は、収縮期血圧、拡張期血圧とも下がる傾向があり、粘度も低くなります。副交感神経の働きが優位になり、健康な人でもリラックスに繋がります。就寝前にぬるめのお湯にゆったり浸かると、眠りに入りやすくなります。

※脱衣所や浴室の温度管理にも注意。お風呂からあがった時に寒いと、血圧上昇が大きくなり危険で、風邪も引きやすくなります。

泉質の化学作用

 

温泉に含まれる成分には、体に良い影響を与えるものもあります 日本に一番多い温泉は食塩泉で、保温効果が高くゆざめしません

 

硫黄泉(二酸化炭素、硫化水素などを含む) 
成分が皮膚から吸収され、末梢血管を広げて血行を促進します。高血圧の人の血圧を下げる効果があります。
ドイツでは、高血圧や動脈硬化の患者さんの治療に利用されています。

炭酸水素塩泉や硫黄塩泉(ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む) 
神経の鎮静作用や抗炎症作用、末梢血管を拡張するなどの作用があります。
アレルギー性疾患や動脈硬化、慢性皮膚炎などに良いとされています。

食塩泉 
塩類は昼の表面のたんぱくや脂肪と結びつき、錯塩を作ります。それが皮膚の表面に薄い膜を作り熱の放散を防ぐので湯冷めしないのです。

*錯塩: イオンとイオン、またはイオンと分子が結びつき、さらに大きな一つのイオンを作って、それが他のイオンと結合して塩になったもの。

 

間接作用

お風呂や温泉が間接的に体に及ぼす影響のことです。主に温泉に行って、湯治のように少し長く滞在することで現れて来ることが多い。

 

気候や環境などの影響、日常と違うことによる気分転換、ストレス解消などの心理的効果 自律神経系や内分泌系、免疫系など

 

これらに総合的に作用して、本来持っている自然治癒力をうまく刺激し、体の抵抗力を高めます。成人病の予防になったり、軽い病気を治したりということにもつながります。

 

まとめ

寝る前にゆったり入るお風呂は、1日の心身の疲れを癒やしてくれます。昼間のお風呂も気分転換やストレス解消に最高!温泉と有ればなおさらです。日本は世界でもまれに見る温泉天国。種類が多く周囲の気候や地形などもバラエティに富んでいます。積極的に利用して楽しみましょう。

お風呂や温泉が苦痛、という人はまずいないですよね。お湯の温度や効能など、ウンチクを知らなくたって、気持ちが良い物は良い!ということにつきますが、一応ネタとして

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ