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認知症との接し方4つの基本~JR事故、家族の監督責任で思うこと

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認知症男性JR事故、昨日最高裁の判決がくだされましたね。気になっていた方も多いと思います。思うところがあり、記事で触れようと思っていましたが、fujiponさんが既に言及してくださっていました。

 (ここまで深い洞察は私には無理でしたので、恥を晒すところでした^^;^^; 書かなくて正解だったと、ほっと胸をなでおろしております。)

 

ですので、認知症とのつきあい方、介護のポイントについて、日常的な視点でまとめます。

 

 

認知症との接し方

認知症の人は、認知機能などが障害されていくので、大きな不安を抱いています。

 

認知症の人の気持ちを知ることや、対応を工夫し、安心感を持ってもらうことで介護者の負担も減ります。認知症の進行を遅らせ、日常生活の質を良い状態で維持します。

 

認知症の人との接し方4つの基本

認知症の患者さんとの日常での接し方は、安心感を持ってもらうために普段から、以下の4つの基本を守って接するようにします。

  • ゆっくり優しい言葉
  • 短く簡潔に話す
  • 先回りして伝える
  • 出来ないことを非難しない

 

ゆっくり優しい言葉

話の内容を理解しやすくするために、ゆっくり優しい言葉で話します。相手の手を取って笑顔で話しかけるのも、こちらの気持ちが伝わりやすく、より安心してもらえます。

 

短く簡潔に話す

例えば、「着替えて外に行きましょう」と言うと、一度に2つの手順が含まれるので、認知症の人は混乱します。

 

「着替えましょう」と声をかけ、着替えるのを待ってから「外に行きましょう」と話すと、理解しやすく、行動もしやすくなります。

 

先回りして伝える

次に何をするか、と言う手順を忘れることが有り、作業が止まってしまうと戸惑って不安になったり、自信をなくしたりします。

 

例えば着替えている時に靴下を履くのを忘れていたら、「次は何をするんだっけ?」などと考えさせると、不安感を煽り逆効果です。「どの靴下をはこうか?」などと声を掛けます。

 

出来ないことを非難しない

認知症の人が迷ったり失敗したりを何度も繰り返すと、非難したくなることもあります。しかし、失敗や出来ないことで認知症の人は傷ついています。その上家族に非難されると、さらに傷つくことになります。

 

できるだけ寛容に受け止めてあげてください。

 

家族で出来ることは限られます。介護保険などの支援も積極的に活用することも大切です。

 

 

認知症の対応を工夫して症状や状況を改善

認知症の患者さんは、周りの人が予想もしないような行動をするものです。また、認知症の影響による行動や発言で、介護者が辛い思いをすることも。

 介護する人と認知症の患者さんの良い関係を気づくには、介護をする人が認知症の患者さんへの対応を考えて工夫することが大切です。

 

認知症の症状は、進行の程度により変化します。その時の症状に合わせた対応が必要です。

 認知症が進行しても、出来ることはしてもらうことも大切。例えば料理が出来なくなっていても、材料を切ることなら出来る場合、家族が手順を教えながら一緒に作ることが出来ます。

 

引きこもりの場合

認知症が進行すると、家に引きこもりがちになります。その背景にある理由となる心情を理解することで、対処法が見えてきます。

 

意欲低下、自信喪失、不安が原因で趣味や活動をやめてしまい、外出も少なくなることが理由となります。本人が理由をうまく説明出来ないことも多いので、注意深く観察し、原因を探りましょう。

 

周りがサポートすることで趣味や活動を楽しみ、続けることが出来ないかを考えます。

 

 

妄想の場合

軽度から中等度の認知症で見られる特徴が、物盗られ妄想です。大事なものを盗まれたと訴えます。

 

自分でしまったことを記憶障害のために忘れてしまい、不安な気持ちを避け、納得させるために、誰かが盗んだと思い込みます。一緒に暮らしている家族など、身近な人を疑います。特にお嫁さんを疑うことが多い。

 

ただし、疑った相手を嫌ったり憎んでいるわけではなく、記憶障害による症状です。

 

「とっていない」と反論するよりも、一緒に探します。見つかったら喜んで話題を切り替えると良いでしょう。見つからない場合は、別のことに興味や関心を向けると、その前のこと、「財布が盗まれた」には意識がいきにくくなります。

 

物盗られ妄想は繰り返しますが、都度落ち着いで対処していると、徐々に治まります。

 

 

興奮や暴力の場合

認知症が進むと、夜中に興奮して大声を出したり、ちょっとしたことで暴言をはいたり、暴力を振るったりします。

 

日頃から大きな不安を感じているので、戸惑いや驚きの感情が過敏になっているので、周りの人の何気ない行動や環境の変化で、戸惑いや驚きが増幅し、いかりや恐怖に変わって、興奮したり暴力につながってしまいます。

 

危険を感じたら、いったんその場を離れる、人を呼ぶ、一時的に非難するなど、身の安全を確保します。

 

落ち着いたら、いつ、どこで、どんな状況で、誰に、どの程度の興奮や暴力だったかを記録。状況の整理で、興奮や暴力の背景がわかることもあります。

 

中核症状と周辺症状

 

中核症状 物忘れ 
今いる場所や時間がわからない 
理解や判断の障害

次第に進行し、基本的に良くならない

周辺症状 妄想 
徘徊 
意欲低下 
抑うつ・暴力

周囲の対応で改善が可能

 

中核症状

脳の機能が失われたために起こります。記憶障害(物忘れ)、段取り良く物事を行えない、判断できないなどの症状が現れます。

 

周辺症状

物忘れや、日常生活に支障が出て不安になり、残された脳の機能が混乱、過剰に働くこともあります。

  • その結果
  • イライラや憔悴
  • 介護への抵抗(介護を拒んだり嫌がったりする)
  • 妄想(いじめられた、物を盗まれたなどと思い込む)
  • 徘徊、抑うつ(目的も無く歩きまわる)
  • 幻覚 (実際にはないものが見えたり聴こえたりする)
  • 暴言・暴力(大きな声をあげたり、つかみかかったりする)

など様々な症状が現れます。

 

 

まとめ

日常での認知症の患者さんとのつきあい方をまとめました。認知症の患者さんと同接したら良いのか悩んでいる人も多いでしょう。

 

有効な対処法はあります、認知症について正しく知り、自分や家族に出来ることを、出来る範囲で。

 

認知症の予防や、進行の防止に役立てましょう。

 

2025年には5人に一人が認知症の時代が来る、と言われています。老々介護や、介護離婚、心中などの悲惨な事故等々、問題は山積みです。在宅介護の方向にも向かっている。監督責任を問われる可能性も、多くなるのではないでしょうか。

 

アルツハイマーを治したり、発症を抑えるための新しい薬の研究も進んでいます。近い将来、画期的な認知症治療薬の開発が期待されています。

 

 

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