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AEDを押すのはあなた~AEDの使い方|心室細動を止める生命のリセットボタン

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突然倒れたり、反応がない人を見つけたら…

 

心停止の可能性があります。大声で助けを求め、119番通報やAEDの準備を。救急隊が到着するまでの応急処置が生死をわけたり、後遺症の有無にも大きく関わります。

 

AEDとは何か、どんな時に使うのか、そして生命のリセットボタン、AEDの使い方を確認します。

 

 

AEDとは

AEDとは自動体外式除細動器、Automated External Defibrillatorの略。

 

心室細動*に陥った人に必要に応じて電気的なショックを与え、収縮作用をしなくなった心臓の動きをもとに戻すための医療機器です。

 

*心室細動については後述しています。

 

AEDが生命のリセットボタンと呼ばれるわけ

こちらの救命率を見てください。心停止から3分で生存率は約50%に下がり、以降急激に低下していきます。

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出典: 東京消防庁 救急アドバイス 身につけよう 応急手当~応急手当の重要性~

 

救急車が到着するまで(平成26年度平均8.6分)に救命処置をした場合としなかった場合で生存率、社会復帰率に大きな開きが起きるのです。

 

以下の表は、AEDを使った場合と使わなかった場合の、1ヶ月後の生存率、その後の社会復帰率です。AEDを使用した場合の生存率は4倍~5倍、社会復帰率は6倍~7倍にもあがります。

 

一般市民が目撃した心臓が原因の心機能停止の症例のうち1ヶ月後平成24年度平成25年度平成26年度
除細動(AED)を実施した場合

生存率 41.4% 50.2% 50.4%
社会復帰率 36・0% 42.8% 43.3%
除細動(AED)をしなかった場合

生存率 10.3% 10.5% 10.6%
社会復帰率  6.1%  6.5%  6.3%

出典元: 総務省消防庁 平成27年度版「救急・救助の現況」95ページより編集

 

救急隊が到着するまで、その場に居合わせた人(バイスタンダー)が心臓マッサージをしたり、AEDのボタンを押して応急処置をすることで、助かる生命が確実に増えます。

 

 

心停止の応急処置の仕方

日本赤十字社では、わかりやすい動画で説明しています。14分ほどですので一度視聴しておくと良いですね。

【日本赤十字社】一次救命処置(BLS)~心肺蘇生とAED~

 

 

手順を確認してみましょう

倒れている人を見つけたら、周囲の安全を確認して

  • 反応を確認→動きや返事がなければ助けを呼ぶ(119番通報やAEDの要請など)
  • 呼吸の確認→呼吸をしていない場合は心臓マッサージ(肋骨圧迫)を開始
  • 人工呼吸 →出来る場合は心臓マッサージ30回につき人工呼吸2回のペースで

心臓マッサージは、

  • 倒れた人が動き出す
  • AEDが届く
  • 救急隊が到着(平成27年度の救急車到着までの時間は平均8.6分)

のいずれかの時点まで続けます。

 

もし周りに誰も居ない場合は、傷病者の反応の有無を確認し、意識がなかったら、

119番通報、救急隊が到着するまで呼吸の確認、心肺蘇生(心臓マッサージ)、人工呼吸を行ないます。AEDが直ぐ側にあるなら、電源を入れて指示にしたがって操作します。

 

AEDについて

AEDは誰でも使えるように動作が自動化されており、電源を入れると音声の指示が始まります。指示にしたがって操作を行ないます。(上記日本赤十字社の一次救命処置動画を参照)

 

AEDの使い方や救命講習は、消防署や行政、AED製造企業などが開いています。レンタルもできるので地域や職場などでも講習会を開くと良いでしょう。

 

AEDの正しい使い方10のポイント

倒れている人を見つけた時は、次の10のポイントに沿ってAEDを使用します。

  1. 大きな声をかける
  2. 無反応だっだらすぐに119番通報
  3. 息をしているか確認
  4. 呼吸を指定なければAEDを持ってきてもらうように頼み、その間心臓マッサージを行う
  5. AEDが届いたら、すぐに胸を裸にして、電極パッドを貼る
  6. AEDの電源を入れ、音声ガイドに従う
  7. 「電気ショックが必要」と音声が指示したら、倒れている人に誰も触っていないことを確認
  8. ボタンを押し、電気ショックを与える
  9. 電気ショックを与えたら、AEDの電極パッドを貼ったままで、再度心臓マッサージを行う
  10. 2分後に再度電気ショックを与えるかAEDから支持がある

 

参考: 心停止の人の救命の仕方は、以下のサイトで詳しい手順が入手できます。

AEDを使った救命の仕方 | AEDで助かる命 |  公益財団法人 日本心臓財団

救命処置の流れ(心肺蘇生法とAEDの使用) 消防庁

 

誰でも使えるAED

20003年に医師の指示がなくても、救急救命士の使用が認められる様になりました。それまでは、日本では医師しか使用が認められていませんでした。2004年7月からは、一般市民も使えるようになり、病院だけでなく、様々な場所に設置されています。

 

動作が自動化されているので、一般市民でも使用できるようになっています。

 

心臓疾患に限らず、ボールが胸を直撃した、スポーツをしている時の脱水、感電などでも心室細動は起こります。

 

スポーツ大会やイベントなどを開催するときは、AEDをレンタルし、まさかの備えをして欲しい。

 

AEDの主な設置場所

公益財団法人、日本心臓財団が設けているAEDの設置基準は

  • AED設置必須(クラスⅠ)
  • 駅(1日乗降客数1万人以上)
  • 空港
  • フェリー
  • 新幹線
  • 学校
  • スポーツ施設
  • 大規模な行政施設(市役所・図書館など)
  • 大規模な商業施設
  • マラソン大会、屋外プールなど、臨時・シーズンのみで人が集まるイベントや場所
  • AED設置必須(クラスⅡ)
  • 駅(1日の乗降客数1万人未満)
  • 中規模の行政施設(公民館など)
  • 中小規模の商業施設
  • 大規模な集合住宅(アパート・マンション)

となっており、該当する場所にAEDが設置されていることが多い。

 

AED設置場所検索

全国のAED設置場所を検索できるサイトです。いざというときに一番近いAED設置場所を素早く探すことが可能です。

通勤途中やよく行く場所のAED設置場所を、予め確認しておくと良いでしょう。

 

日本救急医療財団 全国AEDマップ

日本全国AEDマップ(無料版) iPhoneアプリ

日本全国AEDマップ(無料版) アンドロイド版

 

勤務先の最寄り駅、新橋の設置場所を確認してみた

港区のHPでは、区内のAED設置場所の検索ができます。最寄り駅の新橋付近を調べてみました。JR、メトロの新橋駅がある新橋2丁目だけでも13件あり、コンビニより多いとびっくりです。

 

AEDの設置箇所の理想は、3分以内にAEDが使える環境です。取りに行くのに1分、戻るのに1分、セットに1分、合計3分。

 

※日本心臓財団では、300mごとのAED設置を啓蒙しています。それは1分以内でAEDがとどき、5分以内に除細動を可能とするためです。

 

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新橋駅の構内は5箇所。

1)烏森改札内

2)銀座改札内(写真はここのAEDです。かなり年季が入っていそう)

3)日比谷改札内

4)汐留改札内

5)地下横須賀線総武快速線事務室前

※(工事等により)変更の可能性あり

※平成27年4月1日現在で港区有施設及び緊急時の使用にご協力いただいた事業所、企業におけるAEDの設置状況です。

出典: 港区AED(自動体外式除細動器)マップ

 

心室細動とは

心臓の寝室が小刻みに震えて、血液の循環ができない状態のことです。心室細動が起きたらすぐに救護をしないと生命に関わります。

 

心臓は御存知の通り、約1秒毎に収縮して、血管に血液を送り出すポンプの役目を果たしています。心臓は全体が強力な筋肉でできている臓器。ギュッと縮まるのは心臓にある洞房結節という場所から、電気的な刺激が出されて心臓全体に広がり、この刺激を受けるからです。

 

この刺激が別の場所から発生したり、途中で止まってしまって一気に伝わらない場合、今まで一方通行で心臓全体に広がっていた刺激が、あちこちへと進んで混乱し、心臓が一気に収縮しなくなります。これが心室細動です。

 

この状態から心臓の動きを復活させる働きをするのが、AEDです。

 

AEDの必要性

心室細動は、いつ、誰が、どこで陷るのか全く予測がつきません。心臓疾患だけでなく、スポーツ中や感電、といったことでも起こります。

 

心機能停止は、救命処置をいかにはやく開始できたかによって、生存率、社会復帰率が大きく変わってきます。

 

都心で倒れたとしても、救急車が到着するまでに平均で8分程かかります。その場に居合わせた人(バイスタンダー)が、いかに素早く応急処置を開始出来るかで、救える生命も増える。

 

心室細動は心臓マッサージでは治すことはできません。AEDを使う必要があるのです。

AEDの設置場所、AEDの使い方、さらに広がることを願います。

 

 

まとめ

命に関わる病気やケガ、いざというときに救命できるかどうかは、居合わせた人が、その症状や応急手当の方法を知っているかどうかにかかっています。

 

応急手当に関する知識と技術を学び、実際に行動できるようにしておきたい。

 

心疾患、脳卒中などの初期の兆候を見逃さないで、治療を開始することも、心停止の予防に重要です。いざというときは素早い

  1. 119番通報・AEDの用意
  2. 心肺蘇生とAED
  3. 救急隊、病院での処置

 が救命に繋がります。1、2はその場に居合わせた人(バイスタンダー)にしかできません。救急隊に引き継ぐまでの応急処置が、誰でも行える社会でありたいものです。

 

 

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