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手の指の関節が痛い?変形性関節症かも。進行する前に早めの対処を

手指の痛みを招く代表的な病気に、変形性関節症があります。女性に起こりやすく進行することが多いので症状が軽いうちに受診して対処することが重要。痛みや変形が現れる場所により3つの病気があり、それぞれの特徴や対処についてお伝えします。

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手指の変形性関節症

膝などに起こる変形性関節症はよく知られていますが、手指の関節にも発症します。

指関節の骨を覆う軟骨がすり減って、指に痛みや変形が現れます。ヘバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症の3つがあり、いずれも女性に多い病気です。女性は男性に比べて関節や人体が軟らかいため、手指の関節に負担がかかりやすいこと、女性ホルモンの影響もありえると考えられています。

手指のトラブルを招く病気には、他にばね指ドケルバン病手根管症候群(いずれも過去エントリで取り上げています)もあります。手指は日常生活でよく使う部位の一つなので、これらの病気により痛みなどの症状があると、日常生活に支障が生じることもあり、また手指の病気は進行することが多いので、早めの対処が大切です。

手指の変形性関節症は、どの関節に軟骨のすり減りが生じるかによって、3つの病気に別れます。

  • 第一関節 ヘバーデン結節
  • 第二関節 ブシャール結節
  • 第三関節 母指CM関節症

と言います。それぞれの症状や特徴、原因、対処法について見てみましょう。

 

ヘバーデン結節・ブシャール結節

ヘバーデン結節・ブシャール結節の病態は、ほぼ同じです。初期は、物を掴んだりパソコンのキーボードを操作したりするときに、軟骨のすり減りが生じた関節に痛みが現れます。放置していると、指を使う動作をするときに痛むことが多くなり、更に進行すると指を動かさなくても痛みが現れるようになります。

手指の関節に、見ための変化も起こります。軟骨のすり減りが進むと、指関節の骨同士がぶるかり、関節の周囲に「骨棘(こっきょく)」と言うトゲのようなものができ、関節が太く見えるようになってきます。

また、関節が不安定になったり、指をまっすぐに伸ばせなくなる場合もあります。変形した関節上の皮膚に「粘液嚢腫(のうしゅ)」という水ぶくれのようなものができることもあります。

特徴と原因

どちらも左右対称に起こりやすく、どの指にも起こる可能性があり、場合によってはすべての指に発症することも。ヘバーデン結節とブシャール結節はそれぞれ単独で起こることもありますが、両方を発症することもあります。

第二関節に起こるブシャール結節は、関節リウマチと間違われることもありますが、関節の膨らみを触ると、

  • ブシャール結節は硬い
  • 関節リウマチは軟らかい

と言う違いがあります。

診断にはX線検査が必要です。関節リウマチとの識別のために、血液検査などを行うこともあります。

原因

ヘバーデン結節・ブシャール結節が起こる原因は、まだはっきりわかっていません。遺伝的な体質、関節を支えている靭帯の緩みなどが関係していると考えられています。

対処法

ヘバーデン結節とブシャール結節では、関節の働きに違いがあるので対象法が異なります。第一関節は動きを制御する働きがあり、関節が固まってもあまり不便は生じませんが、第二関節は固まってしまうと非常に不便になるので、動かすことも重要です。

ヘバーデン結節 患部を安静にして固定する 
テーピングで第一関節の動きを制限し、痛みを軽減します 
2cm幅の紙テープ、あるいはスポーツ用のテープを関節部分に2周ほど巻いて固定します。

ブシャール結節 固定せずに動かす
関節が固まってしまうと手が使いにくくなるので、できるだけ動かします
入浴中などに、手を握ったり開いたりするグー・パーの動きを、無理のない程度の強さで5~10回程度行います

どちらの場合も、寒い季節には手袋をはめて手指を温め、血行を良くすることが大切です
痛みが強い場合は、非ステロイド性消炎鎮痛薬の塗り薬や貼り薬、飲み薬で対処する場合もあります

 

母指CM関節症

母指CM関節症は40歳代以降の女性に多い病気で、親指の第三関節に痛みが現れます。CM関節は他のて関節より平坦な構造をしているので、軟骨がすり減ると骨が外側にずれていきます。進行すると関節が外れかかった状態(亜脱臼)を招きやすくなり、親指と人差し指の感覚が狭くなってしまうので、絞る、つまむ、回すなどの動作が困難となります。

女性に多い理由

母指CM関節症が40代以降の女性に多いのは、

  • 女性はもともと関節を支える靭帯が軟らかい
  • 加齢に伴って靭帯が徐々にゆるむ

そこに軟骨のすり減りが生じ、関節がずれやすくなる

ためだと考えられています。母指CM関節症も診断にはX線検査が必要です。

対処法

母指CM関節症は対立装具を使ってCM関節の動きを制限し、親指を少し広げた状態に保ちます。原則として1日24時間、固定したままにしておきます。対立装具は医療機関で処方されます。

対立装具
親指を立てるように固定する装具です。親指の負担が少ない状態を保つことができ、2~3ヶ月間固定すると、次第に関節が安定し、痛みが治まってくることが多いです。

装具で固定しても年単位で痛みが続く場合は、手術が検討されることもあります。関節の両側の骨を少し削って隙間を作り、そこに手首の腱の一部を移植して、関節を再建するなど、幾つかの方法があります。

 

変形性関節症以外で手首や手指の関節などの痛み、しびれがある病気についての過去エントリです。

www.nurse-diaries.com

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まとめ

手指の変形性関節症は、痛みが治療の目安となります。痛みが強いときは前述のような対処が必要となりますが、痛みが強くない場合は、関節に変形があっても、積極的に動かして問題ありません。何れにせよ、早めに受診し対処することは必要です。

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