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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

免疫力低下の原因は食事!70歳でも30歳に若返らせるヒミツ

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免疫力は体に備わった自然体を守る仕組みです。加齢により免疫力の低下が起こると言われていますが、栄養状態の良し悪しも大きく影響するといえます。健康を維持する免疫力と食事、栄養素についてお伝えします。

食事は健康に大きく影響します。感染症を防ぐ免疫力の低下の原因は加齢による他、ストレスや睡眠不足、栄養不足。特に栄養状態は大きく影響します。

免疫力の低下と食事

人間の体は、何を食べたかによって変わるとも言われるように、食事は生命維持だけでなく、健康を維持するための重要な役割を果たしています。

栄養状態が良ければ、加齢による免疫力の低下を防ぎ、年齢が若い人と同等の免疫力を維持している、というアメリカでの報告*もあります。

免疫力を低下させる要因は加齢の他に、栄養不足、睡眠不足、ストレス等がありますが、栄養状態は特に免疫の働きに影響します。

免疫のしくみや、免疫細胞の働きについて知識を持つことも、免疫力の低下を防ぐために大切です。

加齢による免疫力の低下を回避し、人生を長く楽しむためには、どのような食事を心がければよいのか、免疫に関わる主な栄養素と機能性成分について、ご一緒に考えていきましょう。

今後、超高齢社会における栄養の問題として、健康寿命の延伸や介護予防の視点から、過栄養だけではなく、後期高齢者(75 歳以上)が陥りやすい「低栄養」、「栄養欠乏」の問題の重要性が高まっている。(3高齢者 1.はじめに)

引用:高齢者(PDF p.373~396)厚生労働省

免疫の仕組みと必要な栄養素

そもそも免疫とはなにかですが、細菌やウイルスなど外から侵入してくる病原体などを排除し、感染症から体を守ろうとする仕組みです。白血球の仲間で、免疫細胞と呼ばれる細胞がこの仕組を支えています。

免疫の働きは、必要な栄養素やエネルギーをきちんと取ることで維持されます。

免疫に関わる主な栄養素と機能性成分タンパク質

  • n-3系脂肪酸(DHA、EPAなど)
  • ビタミンA、C、E、B
  • 亜鉛(ミネラル)

などが上げられ、

  • 乳酸菌
  • オリゴ糖

などの機能性成分も免疫の働きに関わっています。

それぞれの詳細は後述しました。

病原体から体を守る免疫細胞

免疫細胞特徴
顆粒球

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体内に侵入した病原体を取り込み(食作用)、排除する
マクロファージ

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樹状細胞

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病原体を捉えて、病原体の情報を、ヘルパーT細胞に伝える
リンパ球T細胞ヘルパーT細胞

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樹状細胞から病原体に関する情報を示されると、B細胞に抗体をつくるように働きかける キラーT細胞を刺激する
キラーT細胞

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ヘルパーT細胞から刺激を受けると、病原体に感染した細胞を攻撃し排除する
B細胞

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ヘルパーT細胞から刺激を受けると、抗体を作って放出し、病原体を攻撃する
NK細胞

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病原体に感染した細胞を自らの受容体で識別し、攻撃する

免疫のしくみ

病原体が体内に侵入すると、免疫細胞の1種であるマクロファージなどが、すばやくその場に集まってきて、病原体を自らの細胞内に取り組んで排除します。

ある程度時間がたつと樹状細胞、ヘルパーT細胞、B細胞の連携により病原体を攻撃する「抗体」という物質も作られます。

再び同じ病原体が侵入したときには、B細胞が素早く抗体を作って放出するようになり、感染症の発症を抑えます。

免疫細胞の補足

マクロファージ 
単球が血中から組織にでてきたときにマクロファージに変化します。細菌・ウイルスなどの病原微生物だけでなく、組織の壊れた細胞や老廃物など必要のないものも食べ、キレイにしてくれるので、掃除屋とも呼ばれています。

リンパ球
B細胞とT細胞がありますが、B細胞(Bone marrow)は骨髄で作られ、T細胞(Thymus)は胸腺で作られます(発生するのは骨髄)。B細胞もT細胞もリンパ管や血管を流れ、体中を巡回します。

T細胞は骨髄から出てきたばかりの時はまだ未熟で、ヘルパーT細胞かキラーT細胞かは決まっていません。胸腺でどちらかに分化します。

ヘルパーT細胞 
免疫を調節する司令塔のような役割。サイトカイン(様々な細胞から産生され、様々な細胞の働きを誘導する物質)を産生、放出します。

キラーT細胞 
ウイルスを防御する主役です。ウイルスに感染した自分の細胞をまるごと破壊し、さらなる感染を防いでいます。ただし、キラーT細胞が働き出すまでに時間がかかるので、マクロファージやNK細胞がまず働きます。

NK細胞 
ナチュラルキラー細胞はウイルス感染した細胞やがん化した細胞など、異変が起きた自分の細胞を破壊しようとする性質があります。

樹状細胞 
最近になって注目され始めた免疫細胞です。マクロファージやB細胞に比べ遥かに高い抗原提示力を持っています。

 

免疫と栄養素

免疫の仕組みは複雑で、1つの栄養素や機能性成分を含む食品だけを、多量に食べれば良い、ということはありません。様々な食品を取り入れバランス良く栄養を取ることが大切です。

ただし、栄養不足にならないようにと食べすぎるのも良くありません。肥満も免疫力低下の要因と考えられています。

特に必要とされる栄養素と機能性成分について、もう少し詳しくみましょう。

タンパク質

マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラー細胞をアップ

働き・特徴

  • 筋肉や臓器を作る
  • ホルモン、酵素、抗体の原料
  • 栄養を運ぶ

不足すると「胸腺、脾臓、リンパ節の萎縮」「血液中のT細胞、マクロファージに変化する前の単球の減少」などが起こり免疫力が低下する

タンパク質を構成するアミノ酸には20種類あり、タンパク質の種類によって、アミノ酸の組み合わせが異なるので、バランス良くアミノ酸を摂ることが重要

多く含まれる食品

  • 牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉などの肉類
  • 味、鮭、あさりなどの魚介類
  • 卵、大豆製品、牛乳など

とり方のポイント

牛肉が嫌いなら鶏肉を食べるなど、好き嫌いがある場合は別の食品で補います。小食の人は、牛乳などをおやつに取り入れましょう。ご飯にお味噌汁、豆腐など豆類を組み合わせるとアミノ酸バランスが良くなります。

n-3系脂肪酸

n3

働き・特徴

中性脂肪を作る脂肪酸の一種で、αリノレン酸、EPA、DHAがある。細胞の増殖を促進するなどの働きがあると考えられており、アレルギーを抑える作用もある。

脂肪酸は、リノール酸などのn-6系脂肪酸に偏らないことが重要。N-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸が4対1になるように摂取することが勧められている。

多く含まれる食品

  • αリノレン酸 しそ油、えごま油、亜麻仁油、しそ、えごまなど
  • EPA、DHA さんま、いわし、さばなどの青背魚

とり方のポイント

しそ油などは火を通さず、ドレッシングなどに使うと酸化されずに取り入れられる。魚類はナスなどの野菜と一緒にフライパンで焼くと、EPAなどを野菜が吸い込み無理なく摂れる。

ビタミンC

マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラー細胞、B細胞、NK細胞をアップ

働き・特徴

  • マクロファージの食作用を強める
  • リンパ球の増殖や体内での移動を促進
  • NK細胞を活性化させる

などの働きがあると考えられている。水溶性ビタミンで、比較的短時間で排泄される

多く含まれる食品

ブロッコリー、ピーマン、アセロラ、レモンなどの野菜や果物類、イモ類、緑茶など

とり方のポイント

毎食野菜や果物で補給するのが良い。じゃがいもは加熱してもビタミンCが失われにくいので、多めに茹でておくと手間をかけずにビタミンCを補給できる。

ビタミンA

ヘルパーT細胞、キラー細胞、B細胞、NK細胞をアップ

働き・特徴

脂溶性ビタミンの1種で、粘膜の状態を良好に保つ。抗体の産生を促進し、腸にリンパ球が集まるのを助けると考えられている。

多く含まれる食品

豚肉や鶏肉のレバー、うなぎなど。体内で必要に応じてビタミンAに変換されるβカロテンは、人参やほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれている。

とり方のポイント

βカロテンは油脂と一緒に調理すると、吸収率が高まる。人参などを炒め物に加える他、茹でたものを肉料理の付け合せにすると良い。

ビタミンE

マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラー細胞、B細胞、NK細胞をアップ

働き・特徴

リンパ球の増殖を促進し、NK細胞やマクロファージの活性を改善する働きがあると考えられている。

多く含まれる食品

魚介類やアーモンドなどの種実類、ひまわり油などの食物油、かぼちゃなどの野菜類。

とり方のポイント

植物油は参加されやすいので、古いものは使わないようにする。おやつにアーモンドなどを適量とると、手軽にビタミンEを補給できるが、塩分のとりすぎには注意が必要。無塩アーモンドを選ぶとよい。

ビタミンB6

マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラー細胞をアップ

働き・特徴

食事から摂ったタンパク質は、アミノ酸に分解され、再び必要な種類のタンパク質に再合成される。ビタミンB6はこの過程に不可欠で、間接的に免疫の仕組みを支えている。

多く含まれる食品

牛レバー、鶏レバー、鶏ささみなどの肉類やカツオ、マグロ、鮭などの魚類。他にバナナやさつまいも、大豆など。

とり方のポイント

鮭いりのクリームシチュー、マグロ症が焼き、カツオの血合いの佃煮など、焼き魚や刺し身とは違った調理法も取り入れると、飽きずに食べることができる。

亜鉛

ヘルパーT細胞、キラー細胞、B細胞、NK細胞をアップ

働き・特徴

リンパ球の働きに関わっていると考えられている。不足すると、

  • 胸腺の萎縮
  • リンパ球の増殖の低下
  • T細胞、NK細胞の活性の低下

などが起きると言われている

多く含まれる食品

カキなどの魚介類、牛肉などの肉類、階層、野菜、豆類

とり方のポイント

加工食品やアルコール飲料を多く摂ると、亜鉛が不足しがちになる。献立に野菜や海草の入ったみそ汁やスープ、豆類の入ったサラダなどを加えるとバランスが良くなる。

乳酸菌

マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラー細胞、B細胞をアップ

働き・特徴

ビフィズス菌、乳酸桿菌など、様々な種類があり、多くは大腸に住み着いている。免疫に関わる働きには

  • マクロファージなどの食作用を強める
  • 食べ物に混じって侵入した病原体にB細胞を誘導する
  • T細胞を増加させる

など、多くの働きがあると考えられて入る。

多く含まれる食品

乳酸菌飲料、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、みそ、醤油、ぬか漬け、キムチなど。

とり方のポイント

ヨーグルトは食後のデザートに最適。味噌と混ぜてドレッシングにしたり、カレーなどの煮込み料理に加えても良い。

オリゴ糖

マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラー細胞、B細胞をアップ

働き・特徴

消化吸収されずに大腸に達し、乳酸菌、特にビフィズス菌の栄養源になる。ビフィズス菌が活発に増殖し、免疫に関わるビフィズス菌の働きも強まる。

多く含まれる食品

野菜などに僅かに含まれているだけである。その効果を得るために、甘味料として市販されたり、菓子やジャムなどに添加されたりしている。サプリメントもある。

とり方のポイント

オリゴ糖を使ったかぼちゃの煮物に、食後のデザートにヨーグルトを取るなど、ビフィズス菌とく組わせて取ると効果的。ただし、摂りすぎるとお腹がゆるくなることもあるので注意が必要。

食べ方の工夫

栄養に偏りのない食事を1日3回規則正しく摂ることが基本です。栄養の偏りや不足が生じると免疫力低下の可能性があります。

  • 食欲がない場合 献立の彩りを鮮やかにして見た目から食欲を刺激
  • 1人ぐらしの場合 ときには友人たちと1品持ち寄りで一緒に食事をする
  • 良く噛んで食べる よく噛むと食べ過ぎを防ぐことができ、消化吸収も良くなる

などの工夫をして毎日の食生活に気をつけ、免疫力の低下をふせぎ感染症に負けない体づくりを心がけましょう。

まとめ

生命維持のために食事をして栄養を摂ることが必要で、どんな食事をするかは健康に大きく関わってきます。

感染症から体を守る免疫力の低下は、加齢とともに起きますが、栄養状態の良し悪しも大きく関わっていることがわかっています。

免疫力の低下が起こる免疫細胞の働きや、免疫力低下を防ぐ食事、栄養素について確認することも大切です。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ

参考:栄養に関する基礎知識 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス

*以下の3つのグループで免疫力の指標となる4つの項目を比較。70歳代の健康な人たちは、同年代の低栄養状態の人たちほど免疫力が低下しておらず、30歳代の健康な人たちと同等の免疫力を維持している。

  • 30歳代の健康な人たち
  • 70歳代の健康な人たち(血清アルブミン濃度が30歳代グループと同程度)
  • 70歳代の低栄養状態の人たち(血清アルブミン濃度3.5g/dl未満)
    (参考:Lesourd B. American Journal of Clinical Nutrition 1997)