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肝臓の役目を再確認!沈黙の臓器肝臓の病気を発見する血液検査の見かた

障害があっても症状が現れにくい肝臓、沈黙の臓器とも呼ばれています。どんな臓器なのか、肝臓の役目を再確認してみましょう。肝臓の主な3つの役目、肝臓の病気を発見するきっかけとなる血液検査の検査値の見かたもお伝えします。

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肝臓の3つの働きと血液検査

肝臓は体の中で最も大きい臓器で、成人では1.2~1.5kgの重さがあります。動脈と静脈のほかに、門脈と呼ばれる血管が通っていて、腸で消化吸収された栄養素を含む血液を肝臓へ運んでいます。

主な働きは以下の3つです。

  • 有害物質の解毒・代謝
  • 栄養素の合成・貯蔵
  • 胆汁の合成・分泌

肝臓は生成能力が高いため、この3つの働きが低下しても、なかなか症状が現れず発見することは困難です。

しかし、血液検査を受けると肝臓の状態を確認することが可能です。肝臓の病気の早期発見、予防のためにも、年に1度は血液検査を受けることをオススメします。

 

肝臓と血液

門脈から肝臓へと流れる血液量は、1分間に1000ml~1200mlと言われています。また、門脈の一部は膵臓(すいぞう)や脾臓(ひぞう)ともつながっていて、そこからの血液も入り、肝臓と連携して働きます。

有害物質の排出、栄養素の運搬、胆汁の合成などに、血液が大きく関わっているので、血液検査で肝臓の状態を確認することができます。

主な3つの働きとは

有害物質の解毒・代謝
肝臓は体内に入ってきたアルコールなどの有害物質を、毒性のない物質に作り変え、血液を介して体外に排出する働きをしています。

門脈を通して肝臓に送られてくる、アンモニアなど腸内細菌が作る有害物質の解毒・代謝も行っています。

栄養素の合成・貯蔵
食べたものから摂った糖質やタンパク質などを、利用しやすいように合成・貯蔵して、必要に応じて血液中に放出します。例えば食事などから摂った糖質は、

グリコーゲンとして肝臓に蓄えられる→夜間に糖として血液中に放出されています。

胆汁の合成・分泌
胆汁は食べ物の消化に必要で、古くなった赤血球が壊れてできる、ビリルビンと言う黄色い色素を材料にしています。肝臓はこのビリルビンを処理して胆汁を合成し、十二指腸に分泌する働きをします。

肝臓に障害があるとこの働きが著しく低下し、血液中にビリルビン場増えるので、皮膚や白目が黄色っぽくなる黄疸が現れます。

しかし、肝臓は再生能力に優れている臓器で、障がいされても再生を繰り返します。再生が追いつかないほど障がいされるまで、症状が現れず異変に気づきにくくなります。

肝臓の再生力

健康な人の肝臓の一部を削除したとしても、残った肝臓は約1年で元の大きさに戻るとされます。ネズミを使った実験では、肝臓を約70%切除しても、1週間ほどでもとに戻ることが確認されています。

 

肝臓の病気と血液検査6つの項目

肝臓の病気は急性のものと慢性のものがあり、慢性の肝臓の病気は特に注意が必要です。例えば

  • 脂肪肝 お酒の飲み過ぎや食べ過ぎで肝細胞内に中性脂肪がたまる
  • 肝硬変 脂肪肝の一部に慢性的な炎症が起こって発症する
  • C型肝炎 ウイルスを排除しようとして炎症が起こる 日本人に多い
  • 慢性肝炎 炎症が続くと移行する
  • 肝硬変 肝臓の再生が追いつかなくなると進行する
  • 肝がん 肝硬変から進行する場合もある

などです。

肝臓の病気を早期に見つけるためには、血液検査が重要です。

血液検査の6項目

血液検査では、主に以下の6項目について調べます。

基本検査項目特徴
ALT(GPT) どちらも肝細胞内にある酵素。
幹細胞が壊されると血液中に出てくるため値が高くなる。
特にALは肝細胞に多く存在し、肝臓の状態を調べる重要な指標になる。
AST(GOT)
アルブミン 肝細胞で作られるタンパク質で、肝臓の働きが低下すると値が下がってくる。
γ-GTP 肝臓内で作られる酵素。 アルコール摂取量が多いときや脂肪肝があるときなどに高くなる。
総ビリルビン 古くなった赤血球が壊れてできる黄色い色素。 肝臓の働きが低下すると値が上がる。
Che(コリンエステラーゼ) 幹細胞によって作られる酵素。 値が下がっている場合には肝硬変が疑われる。

これら以外にも、肝臓内で作られるALPという酵素の値を調べることもあります。ALTやAST,γ-GTPなどの値が高い場合は、B型肝炎やC型肝炎のウイルスについて調べる検査を受けることが、最も大切です。

血液中の中性脂肪、血小板の値など

肝臓の障害の程度などについて更に詳しく調べるには、以下の4つの項目も調べて確認します。

検査項目特徴
中性脂肪 肝臓とは直接関係しませんが、脂肪肝があると血液中の中性脂肪値も上がってきます。
アンモニア 腸内細菌が作る有害物質で、肝臓で解毒・代謝有れます。 肝硬変があるとこの働きも低下するため、値が高くなります。
血小板 血液成分の1つで、出血を止める働きがあります。 肝硬変があると、門脈を通る血液が脾臓に逆流、脾臓が肥大して血小板を壊すため、値が低くなります。 特にC型肝炎では、血小板が10万個/uLに下がると肝硬変が疑われます。
AFP、PIVKA-2 腫瘍マーカーというがん細胞によって作られるタンパク質。 肝がんがあるとこれらの値が上がります。 ただし、すべての肝がんで上がるわけではなく、これだけで肝がんと確定することは出来ません。

血液検査の値から疑われる肝臓の病気

疑われる肝臓の病気検査項目
(太字が基本的な検査)
特徴
肝障害 (脂肪肝、急性・慢性肝炎) ALT(GPT)
AST(GOT)
γ-GTP 中性脂肪
ウイルス検査
ALT、AST、γ-GTPの値が高い場合は、肝障害が疑われる。
B型肝炎、C型肝炎について調べるウイスル検査を受ける。
中性脂肪値も高ければ脂肪肝も疑われる
肝硬変 アルブミン
総ビリルビン
ChE(コリンエステラーゼ) アンモニア
血小板
アルブミン、ChEが低く、総ビリルビンが高ければ、肝硬変が疑われる。
血小板数は特にC型肝炎がある場合に調べることで、より詳しく確認できる。
肝がん AFP
PIVKA-2
どちらもがん細胞が作るタンパク質。
値が高い場合は肝がんが疑われる。
ただし、これらのタンパク質を賛成しない肝がんもあるので、確定診断はできない。

糖尿病がある人は要注意

糖尿病がある人は肝臓の病気にも注意が必要です。糖尿病があると肝炎ウイルスに感染していなくても、肝がんの発症率は健康な人の約3倍高くなるとされます。詳しいことは不明ですが、血糖を下げるインスリンの働きが悪化することが関連すると考えられています。

糖尿病の患者さんの死因で一番多いのはがん、その中でも多いのが肝がんです。

 

まとめ

肝臓の3つの役目、どれも健康に重要な働きです。肝臓は再生能力が非常に高く、障害があっても症状が現れにくいので、気づいたときには進行してしまっていることも少なくありません。

血液検査をすることで、疑われる肝臓の病気を発見することも可能です。肝臓が元気でその役目を果すことができるよう、肝臓の状態をチェックするためにも定期的な血液検査をお勧めします。

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