健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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男の妊活!ヤル気はあっても…意外にナイーブな男性心理と子作り

妊活は女性側がするもの、と思っていたら大間違い!不妊の原因約半数*は男性が関わっています。しかし、不妊の相談には女性だけの場合が多い。それには男性心理も関係がありそうです。今回は男の妊活についてです。

男の妊活!ヤル気はあっても…意外にナイーブな男性心理と子作り

男の妊活って?

妊活は女性がするもの、という認識が根強く「男の妊活ねえ、そりゃアレの協力だよね」レベルであるのは否めません。子作りには精力アップのサプリなどをのみ、排卵日に併せて…

そんな男性にまず知ってほしいのは、子供が欲しくて子作り中であるのに、なかなか妊娠できない原因の半分は男性にあるということ。男性側はどんな妊活をすればよいか、考えてみましょう。

一方で、女性だけでなく、男性が自分の検査が必要なことは重々理解しているのだけれど、なかなか踏み切れないでいる場合もあります。

意外なことに男性のナイーブな面が検査の壁となっている場合も少なくありません。

男の妊活、意識の差で無関係型、ナイーブ型と勝手に命名しその特徴などをまとめ、後述しました。心当たりがあったら、その意識をまず変えましょう。

 

問題はヤル気にあらず

日本の男性が疲れているのも回数が少ない原因

妊娠するためにはやはり子作りのための時間です。週に2~3回程度の頻度であれば、パートナーにいつ排卵があっても精子と出会えるはずです。

しかし、日本では20代では週に1回、40代では2週間に1回*の頻度が平均で、若いカップルでは排卵推定日1回、ということも。

週に1回の頻度では半分くらいは妊娠のチャンスをのがしていることになります。

この背景には、生活環境も大きく影響していると言われています。働きすぎでなど仕事環境や住環境などから

「面倒くさい」「疲れている」「その気にならない」*

などが理由として挙がっています。

*相模ゴム工業(株)が行った2012年の調査による

疲れすぎが妊娠の機会を少なくしている要因の一つですが、労働環境の改善などを待っているうちに女性も加齢とともに卵子の老化など、子宝に恵まれる確率はドンドン下がっていってしまいます。

女性側の妊活については過去記事で触れていますので、そちらをお読みください。

 

男の妊活

男性側が行える妊活としては、タイミング法に加え、2つの妊娠力がポイントです。

  • 精子の質
  • 男性機能が正常

精子の質 
精液検査で評価される粘液の中の精子の数、運動能力、遺伝子異常の割合など。遺伝子異常というのは、受精後成長できるかどうかに関係してきます。

 

男性機能 
妊娠のために必要なのは、女性の膣内で精子を放出できるか、ということ。

当たり前のことですが、披露やストレス等からそもそもヤル気が起きない、できても出せないED気味の男性が増えているのです。

 

こんな習慣ありませんか

男性も加齢とともに妊娠力は低下していきます。男性ホルモンの減少(精子の質・量の低下、ヤル気の減退)や酸化による遺伝子の損傷(精子の質の低下)などが起こります。もちろん個人差があり、60代などでも父親になったという話はあります。

妊娠させる力は普段の生活習慣にもよります。以下のような習慣が有ったら見直して改善しましょう。

長風呂・サウナ好き、下着はブリーフ派、タイトなズボンが好き 精巣温度上昇 

精子は熱に弱い性質を持っているので、精巣はわざわざ体から飛び出し、熱を逃しやすい形になっています。睾丸を温める習慣はできるだけ減らしましょう。

 

長時間の自転車、長時間のデスクワーク、たばこ 血流の悪化 

質の良い精子を作るには、栄養も必要。圧迫されて血流が悪くなると精子にとって良くありません。意識的に股間を開放するようにすると良いでしょう。

 

食事バランスの乱れ、飲酒、運動習慣なし 生活習慣病リスクが高い 

良くない生活習慣が続くと精子の室にも影響することがわかっています。出来ることから改善していきましょう。

 

慢性的なストレス・疲労感・睡眠不足 精神的ストレス 

精子の質や量は背音信的なストレスに影響を受けることがわかっています。

 

日常的にハードな運動・肉体労働・喫煙・屋外での仕事 酸化ストレス 

酸化ストレスが増えると精子にも遺伝子異常が増えます。妊娠しにくくなったり、受精しても育たないということがあります。

 

育毛剤の使用 男性ホルモンの低下 

育毛剤には男性ホルモンを抑えてしまう性質のものもあります。フィナステリドを主成分とした育毛剤では、性欲減退や精子の数の減少解いた副作用の報告があります。妊活中は使用しないようにしましょう。

 

精子の数や運動能力、男性機能

精子の数や運動能力を高めるのは、精子を作る材料になる栄養素をしっかり摂ることと、精子を作る能力が重要。

遺伝子異常の割合を上げないために、酸化ダメージから身を守る抗酸化を意識すると良いと思います。

さらに、精子の鮮度を考えると、禁欲は避けたほうが良さそうです。人工授精などでは精子の濃度を高めるために禁欲する場合もありますが、タイミング法など自然妊娠を目指す場合は、鮮度が下がりますので禁欲しないほうが良い、ということがわかってきています。

 

男性機能

男性の機能、というと、大きさや満足度などと考えがちですが、妊娠させる力とは関係はありません。重要なのは、女性の膣の中で放出し、卵管に精子を届けることです。

 

妊活のプレッシャー

妊活のプレッシャー

パートナーが真剣に妊活を始めると、排卵日の指定での子作りにプレッシャーを感じ、EDの原因になってしまうこともあります。「妻だけED」と言う症状も起こることがあります。

月に1回の子作りではなく体力的に問題がなければ、日常的に行うことがプレッシャーは少ないかもしれません。

それに、日頃からお互いのコミュニケーションという意味でも、精子の鮮度という意味でも良い影響はあるでしょう。

精子の質、機能に共通するのは、「心身ともに健康であること」、というあたりまえのことと、「精子にあった環境づくり」が大切です。

 

無関係型の男性

男性が良く誤解しているのが「アレはちゃんと出来るんだから、問題は無いでしょ。子供ができない原因はパートナーにあるのでは」と自分は不妊ではないだろうと思いこんでいること。

不妊ではないのだから、検査を受ける必要はない、なのでパートナーが一人で不妊の相談に医療機関を訪れ、不妊治療を行うにしても、女性任せ。

その結果辛い不妊治療に女性側との意識のずれが大きくなり、心も通わなくなり、離婚へと進んでしまうカップルも少なくないのです。

 

行為ができれば不妊ではない、は間違い

普通に夜の生活を送れていても、精子の数が少ない精子減少症や、精子の動きが悪い精子無力症だったりすることも少なくありません。これは精液検査をすればわかります。

膣内に放出された精子は、卵管まで到達しないと妊娠できません。精子の数が少なかったり運動性が悪いと、妊娠の確率は非常に低くなります。

普通に行為ができても、男性側に不妊の原因があることも少なくないのです。

 

不妊治療で負担の大きい女性

精子の数が極めて低い場合に検討する顕微授精の治療は、女性の体にとても負担がかかり、精神的にも辛い治療です。

男性の意識次第では、女性が「自分が原因ではないのに、こんな辛い治療を受けている。なのに…」と思い詰めてしまうのは当然の結果かと。

なかなか妊娠できない場合、女性の体のことをきちんと理解して思いやり、自分にも原因はないか、きちんと検査を受けて、男の妊活についてもしっかり考えていきましょう。

 

ナイーブ型

妊活の甲斐なくなかなか子供ができないと、まず女性側が自分に不妊の原因がないか検査を受けることが多いです。

原因がない、もしくはわからない場合は男性も検査を受けて原因があるかどうか調べることが大切なのですが…

検査の必要性は十分理解しているのに、なかなか検査を受けられない男性も少なくありません。その理由は意外なところにありました。

 

他人と比較

そもそも女性が通っている産婦人科やクリニックに一緒に同行するのが恥ずかしい。ということもあります。

子作りの頻度などを聞かれ、「人と違っていたら嫌だ」と思って正直に話せなかったり。

精液検査は自宅で自分で採取して、パートナーに持ってきてもらうと言う方法もありますが、それすらも恥ずかしく思う場合も。「人より劣っているかもしれない」などと考えてしまうようです。

ナイーブな心理が治療の妨げになっていることも少なくないのは、意外かも。他人と比較するようなことではないし、聞いた医師も別になんとも思っていません。

それよりも必要な情報、知識を受けられないマイナス面の方が大きいですよ。

不妊の疑いがある場合の妊活の方法や、治療について、一緒に相談することが重要です。

 

不妊の原因はどこ?

*広範囲の疫学調査は行われていないので、報告者によって異なりますが、男性側に問題があるのは50%くらいと言われています。(日本産婦人科学会PDFより)

WHO(世界保健機関)の調査データでは、男性のみに原因があるのは24%、双方に原因があるのが24%とおよそ半分に男性が関わっています。

不妊の原因やん分は男性にあり

 

EDとレス

EDが問題となることもありますが、若い世代では本当のEDはあまりいません。は自己処理はできても相手がいるとダメ、という精神的な性交障害が多いと言われています。

しようと思ってもできないのですが、女性よりも若い男性に多いのが現状です。また、最後の射精ができない射精障害も妊娠できません。

そもそも夜の生活がないレス、も最近増えています。良く言われているのが草食男子。若い世代はあまり性的なものを求めなくなり、アラサーを超えても女性経験のない男性も増えています。

また、女性の社会進出によるカップルの関係性の変化もあり、夜の生活に時間が取りにくいという影響もあると考えられています。

 

参考

男性の不妊の理由と薬物療法

  • 増生機能障害
  • 精路通過障害
  • 性機能障害
  • 加齢による影響

男性不妊症の薬物療法(2009年6月、日本産婦人科学会pdf N-197 より)

一般名 保険適用 効果が期待できる病態 投与例
HMG なし 乏精子症 75~ 150IUを 1~ 2回/週
HCG 造精機能不全 乏精子症 1,000~5,000IUを1~2回/週
エナント酸テストステロン 造精機能不全 乏精子症  
プロピオン酸テストステロン 造精機能不全 乏精子症  
メチルテストステロン 造精機能不全 乏精子症  
クエン酸クロミフェン なし 乏精子症 25~ 50mg/日
シアノコバラミン(ビタミンB12) なし 乏精子症 1,500μ g/日
酢酸トコフェロール なし 精子無力症 100~ 300mg/日
アスコルビン酸 なし 乏精子症 1g/日
カリジノゲナーゼ なし 乏精子症 精子無力症 50~ 600u/日
ATP なし 乏精子症 精子無力症 150~ 300mg
Co-Q10 なし 乏精子症 精子無力症 15~ 30mg
補中益気湯 陰萎 乏精子症 精子無力症 7.5g/日
八味地黄丸 陰萎 乏精子症 7.5g/日
牛車腎気丸 なし 乏精子症 7.5g/日

ビタミンB12やコエンザイムQ-10 など、普段の食事やサプリメントなどで必要量を摂るようにするのもよいでしょう。

 

参考資料

不妊 (www。jsog.or.jp/public/knowledge/funin.html)
男性不妊症 (www。jsog.or.jp/PDF/61/6106-189.pdf)
日本産婦人科学会 

「マイシード-亜鉛配合-for Men」

 

まとめ~妊活は男性も一緒に取り組むもの

男性の妊活サプリ:コエンザイムQ10、亜鉛、ソイポリア(ポリアミン)、シトルリン、葉酸、8種類のビタミン等、男性の元気に必要な成分をたっぷり配合。 <

「女もすなる妊活といふものを、男もしてみむとてするなり」(土佐日記)。

と言う気持ちではなく、妊活は一緒にするもの、不妊の疑いが有れば一緒に治療を受けることが大切です。

特に男性側も妊活に対する知識をもち、一緒に取り組むこと。そして何よりもパートナーを思いやる気持ちを忘れないようにしてください。男性も女性も妊活の基本は「健康であること」につきます。

「Anのひとりごと」~今日も1ページ