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躁状態の兆候を見逃さないことがカギ!双極性障害の治療、再発予防

双極性障害は、一度躁状態やうつ状態になってしまうと、自分が病気だとわからなくなります。再発予防にはうつ状態、躁状態に変わりそうなときに、その兆候を見逃さないようにすることが重要。家族の見守りも必要です。

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双極性障害の治療

治療の基本は薬物療法です。双極性障害と診断された時、診断を受け入れられないかもしれません。しかし、病気について正しく理解し、主体的に再発の予防に取り組むことで、発症前とほぼ変わらない生活を送ることは十分に可能です。

治療は長くかかることが多いのですが、薬をきちんと飲み続け、症状をコントロールしていきましょう。薬物療法と並行して社会リズム療法、ストレス回避も行うようにします。

双極性障害の治療の目的は、気分の波を安定させ、躁状態やうつ状態をコントロールし、寛解期(正常な状態)を維持することにあります。一方うつ病の治療目的は、落ち込んだ気分を正常な状態に回復すること。双極性障害とうつ病では治療法が異なります。

 

薬物療法

中心となる薬は、気分の波を平坦に近づけて安定させる作用がある、気分安定薬と呼ばれるタイプです。躁状態、うつ状態どちらも改善する効果があり、再発予防にも有効な薬です。この気分安定薬を基本として、患者さんの経過に合わせた治療が行われます。

双極性障害のうつ状態が非常に重く、自殺の心配がされるような場合は、気分安定薬を使った上で、抗うつ薬を併用することがありますが、通常はうつ病の治療薬である抗うつ薬を単独で使うことはありません。

双極性障害に抗うつ薬は有効性が認められていないだけでなく、経過が不安定になったり急に躁状態が現れる躁転を引き起こしたりする危険性があるためです。

躁状態の兆候

いったん躁状態やうつ状態になると、患者さんは自分が病気ということがわからなくなります。

家族や周りの人も患者さんの様子に注意して、いつもと違うと感じたときは早めに受診を進めてください。特に一度でも躁状態になったことがある場合は、再発の兆候を見逃さないようにすることが重要です。

寛解期(かんかいき)の患者さんに以下のような様子が現れていないか、注意してください。見られる場合は躁状態になりかけている可能性があります。患者さんが受診を拒む場合は、家族が主治医に対応を仰ぎましょう。

  • 朝早く起きて動き出す
  • 多弁になる
  • 良く電話をかけている
  • 服装やメイクが派手になる
  • 外出が多くなる
  • 金遣いが荒くなる
  • 帰宅が遅くなる
  • 口調がきつくなる

など

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再発予防の治療

躁状態やうつ状態から回復しても、再発予防のためには少なくとも2年間は気分安定薬を飲み続けます。

症状が無くなると勝手にやめてしまう患者さんもいますが、双極性障害は再発しやすい病気です。病気をよく理解し、医師の指示通りに服薬を続けます。

また、治療中は定期的に受診し、薬の量が適切かどうか、副作用は出ていないかなどのチェックを受けることも大切です。

薬を飲んでいても再発することはあります。気分の波を最小限にすることができるように、再発の兆候に気を付け、変わったことを感じたらすぐに受診します。再発した場合の対処を医師や家族と話し合っておくことも大事です。

 

社会リズム療法とストレス回避

薬物療法と並行して、社会リズム療法(生活リズムを整える)や、発症の引き金となるストレス回避などでも予防効果が期待できます。

生活リズムを整える

起床、就寝、食事、仕事など生活リズムをできるだけ一定に保つようにします。働きすぎや睡眠不足などで、生活リズムが乱れると再発しやすくなります。特に睡眠のリズムは大切です。

徹夜は躁状態のきっかけになりやすく、どんなに忙しくても睡眠時間はきちんと確保しましょう。自分の生活リズムを把握するために、睡眠や行動、気分などを記録すると良いです。

ストレス回避

自分には何がストレスになりやすいのかを把握し、できるだけストレスを受けないよう要因となるものを避けるようにします。人間関係や環境の変化などのストレスは再発の引き金や、症状悪化の要因になります。

避けられないストレスを受けたときは、すぐに主治医に相談し、薬物療法を強化するなど、対処することが大切です。

正しい理解と周囲のサポート

患者さんの気分の変化は性格の問題ではなく、病気によるものだということを十分に理解して、暖かく接してください。家族や友人など周囲の人が双極性障害を正しく理解し、患者さんをサポートしていくことも大切です。

また、患者さんが気づきにくい再発の兆候を見逃さず、必要に応じて受診に付き添う、主治医に対処を相談するなど、適切に対応することが患者さんのより良い治療につながります。

激しい躁状態や強いうつ状態が現れ、いっときも気が抜けないような場合はすぐに担当医に相談します。家族だけで対処しようとすると、疲れ切ってしまい、患者さんのサポートどころではなくなってしまいます。場合によっては、入院治療を受けてもらうことも検討します。

患者さんだけでなく、家族や周囲の人にもストレスを解消するための、息抜きやリフレッシュの時間が必要です。

 

まとめ

双極性障害の治療は薬物療法が基本で、並行して社会リズム療法、ストレスの回避を行うと効果が更に期待できます。正常な状態を覚えておき、再発の兆候を見逃さないことも重要です。

家族や周囲の人が病気を正しく理解して、患者さんをサポートすることも大切。場合によっては家族だけで対処しようとしないで、医師に相談することも必要です。

医療機関など周囲の助けも借りながら、できるだけ気持ちに余裕を持って患者さんをサポートできる環境を整えていきましょう。

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