ナースほど誇れる仕事はありません

健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

医療事故とインシデント~看護師は冷や汗をかいては落ち込む

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人の生命を預かる医療の現場に、ミスは有ってはならないことです。

 

しかし、看護師を長く続けていると、冷や汗をかいたり、明らかなミスは誰しもが経験するもの。結果として大事になっていないから、仕事を続けていけるのです。 

 

医療事故を防ぐために、看護師や医療に携わるものが、心がけなければいけないことがあります。

 

医療事故を防ぐには

医療従事者は、あらゆる場面を想定して事故を防ぐシステムを作る責任があります。しかし、医療現場には予想を上回る何かが起き得る怖さも潜んでいる。

  • 患者さんを間違えそうになった
  • 薬を間違えそうになった

こんなヒヤリ・ハットは少なからず誰にでも起こりうること。一方で報道されるような重大な医療事故も起こっていることも事実です。

 

取り違え事故を防ぐために、非常な緊張を強いられるケース

事例注意喚起の方法

 漢字も全く同じ同姓同名の患者さんが2人、
 同時期に人工呼吸器を管理
 病状、薬剤も似通っていて主治医も同じ。
 年齢は異なる

 患者さんが意思表示出来ないので、
 医療チームが注意しなければならない

 

 漢字も全く同じ同姓同名、
 年齢、病気も同じ患者さんが2人、
 同時期に入院

 患者さんに同姓同名の患者さんがいる
 ことを知らせ、協力してもらう

 同性の患者さんが同時期に5人入院

 

 同性が多すぎて病室を分けられなかった
 (同室にして注意喚起する場合もある)

 

こういった偶然が重なる経験を重ねると、事故を引き起こす「魔の悪さ」といった人智を超える何かがあるのではないか、そんな無力感にとらわれることもあります。

 

自分のミスが重大な結果を引き起こすのではと、心底看護師の仕事が怖くなり、自分のようなものが、この仕事を続けていて良いのだろうか、ナース辞めたいと思いつめることも多い。

 

看護師は大抵の場合、冷や汗をかいては落ち込み、ナースを辞めたいと思う、この繰り返しで、結局は「続けるしかない」と受け入れていくのかもしれません。

 

ミスは許されない医療の現場

ミスを起こしやすい状況は常時あり、思わぬところでミスが起こる可能性は否定できません。

 

大きな事故が起きると、それについて話題になります。しかし「大きな事故を起こさないための緊張」で、小さなミスがたくさん引き起こされていることも、忘れてはいけない。

 

インシデントで事故防止

インシデントとは、医療ミスになる前に気づき、食い止められた「冷や汗モノ」の体験のこと。「ヒヤリ・ハット」とも呼ばれます。

 

インシデントがなぜ食い止めることが出来たのかを分析、自己防止につなげていこうとする考え方が浸透しています。

 

多くの場合、医療事故につながらないのは、ある処置が行われるまでに、複数の人間がはいり、そこでチェック機能が働くからであり、大きな医療事故では、複数のチェックをもすり抜けてしまっている点が、共通しています。

 

医療事故が増えた理由

これまで外に出なかった医療事故が表に出るようになってきたことも理由でしょう。

 

医療事故が増えているのも事実で、「医療ミスをする機会が増えたこと」これに尽きると思います。

 

医療技術の進歩で医療機器を操作する機会を増やします。ある行為をする機会が増えれば、ミスを起こす回数も増えるものだからです。

 

 

看護師不足にも要因

医療技術の進歩、それに伴う高齢化は、看護師が患者さんのお世話をする機会を増やし、看護師の仕事も増えるばかりです。

 

一方で慢性的な看護師不足から、多くの仕事をかかえる中で、ミスを犯さないように注意しなければいけない、ナースの緊張は、計り知れません。しかし、人間の集中力、緊張に耐える力には限界があります。

 

ミスが起こる機会の数が増え、起きやすい環境ができているため、ミスの数が増えているのです。

 

 

ミスを起こしやすい状況を自覚する

看護師の性格などによっても、ミスを起こしやすい状況は違います。

  • 忙しい時
  • 忙しさが一段落してホッとした時
  • 患者さんのペースに巻き込まれた時

など、自分がミスを起こしやすい状況を把握して、注意を怠らないことが大事。人の目を借りて助けてもらうのも、ミスを防ぐことにつながります。

 

 

大きな医療事故の報道

手術患者の取り違え、薬の注入ミスなどの大きな医療事故の報道を見るにつけても、様々な悪条件が重なっている点にも目がいってしまいます。

 

記憶にあたらしいのが、昨年12月の千葉で起きた手術患者の取り違えによる医療事故。

千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、誤った診断をして30代の早期の乳がん患者の右の乳房をすべて切除する不必要な手術をしたと発表した。別の50代の乳がん患者の検体と取り違えたためという。

センターでは昨年、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者11人が相次いで死亡していたことが発覚。県の第三者検証委員会から倫理審査体制の不備や患者への説明不足などについて指摘を受け、改革に取り組む最中だった。永田松夫病院長は「改革を進めている中での事故で、重く受け止めている。二度とこのような事故を起こさないようにしたい」と話した。

出典: 朝日新聞DIGITAL 2015年12月25日

 

一昨年、麻酔薬の不正使用による、新宿の女子医大病院の医療ミスで男児の死亡事故。

元気で活発だった2歳の男児が、東京女子医科大学病院(新宿区)によるずさんな医療の犠牲になってから8カ月以上。両親はいまだ眠れぬ夜を過ごしている。

今年2月、男児は同病院で手術を受け、集中治療室での人工呼吸中、麻酔薬「プロポフォール」の不正使用により死亡した。この薬は人工呼吸中の鎮静で小児に使用することは禁止されている劇薬で、しかも成人向け使用量の3倍以上が投与されていた。

出典:dot.週刊朝日 2014年11月5日

 

 

まとめ

あってはならない医療事故を防ぐためには、不幸にして起こってしまったミスの原因をしっかり検証し、再発防止に全力を上げなければいけません。

 

一方で、医療事故にはならなかったインシデントも、しっかり分析し事故防止につなげることも重要です。

 

看護師自らも、ミスを起こしやすい状況を自覚する、複数のチェックを怠らない、といったことも必要。

 

さらに、増える一方の看護師の仕事の負担は、ミスを起こしやすい状況を作ります。看護師不足の解消や労働環境の改善などが急務です。

 

 

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