ナースのポケットには、あれやこれやと実にたくさんのものが入っています。もちろんナースの仕事に必要なグッズばかり(のはず)。
特に新人ナースは、いろいろな看護師グッズをポケットに詰め込んで、あらゆる事態に備えようとするものです。経験を重ねることで、ナースの仕事に絶対に必要なものへと、少しずつ整理されますが、やっぱり歩く道具箱に変わりはありません。
看護師にはどんな道具が必要か、道具箱の中身を覗いてみましょう。最近の看護師グッズは、使いやすさも工夫され、おしゃれなものが多くなりましたね。
ナースの仕事に必要な道具
ステート(聴診器)、駆血帯(採血するときに腕を縛る)この2つは無くてはお話にならない…
瞳孔計(緊急時に眼球を診ます)、絆創膏、時計、印鑑(最近は電子カルテが多いので出番は少ない)、ポールペン、はさみ、メモ、アンチョコ(必要ない人もいます^^;)
その他にも病棟や必要に応じて、あれやこれや(笑)。処置の前には、何が必要かを考えて、不足が無いようにしておかねばならず、処置で無くとも、ある程度のことに対応できる準備を、しておく必要があります。
準備が不足していると、何度も処置室までグッズをとりに、ダッシュすることになる。
病棟の名物ナース?!
とりわけ私のポケットはパンパンで、子供さんからは「ドラえもんのポケットだ!何が出てくるの?見せてみせて!」とよくせがまれ、同僚からも笑われています。
一見すると、ナースの仕事には関係なさそうなグッズも、あれこれ白衣にくっつけて(ポケットに入りきらない)ナースコールに飛び回る私は、病棟の名物ナース!
必要なグッズを想定して、ポケットをパンパンにしているのに、準備不足が多くて。何度も取りに走り回る私には、ドクターも患者さんも、きっと「やれやれ、またか…」と呆れているだろうなあ。
時計
腕にしていると邪魔なので、胸のポケットにぶら下げています。文字盤を逆さまにしているので、持ち上げるとちゃんと読める。
はさみ・テープ
使った後に患者さんのところに置き忘れないよう、紐を付けて白衣に止めています。テープもすぐ使えるようぶらさげ、です。
ハサミは「ナースシザー」と言って、看護師用の特殊な道具を使っています。(これもいいのを見つけた!)
ボールペン
使った時に置き忘れたり、すぐにどこかに言ってしまうので、よく使う黒が沢山入っています。(美容師さんが腰にぶら下げているような、おしゃれなペンケースも出回っているので、使ってみようかな)
パンパンポケットに、ぶら下げ収納(笑)
腕時計をぶら下げているナースが多いのはなぜ?
ナースの仕事では、時間を測ることが多いので、時計は必需品です。しかし大抵のナースは白衣につけたり、ぶらさげたりしていることが多いです。
ナースがなぜ時計をぶら下げているのか、それには理由があります。
ナースが時計をぶら下げる理由
腕時計は、患者さんにあたることもあります。排便処置などで手首付近が汚れたり、シャワー介助で濡れたりするため、衛生面からも時計の状態維持的にも、腕時計は避けたほうが良いです。
病院によっては「患者様に当たって痛い思いをさせてはいけないので腕時計は禁止」という規則がある場合も。
そこで服に付けるタイプの時計を利用している、ナースが多いのですが、私のように腕時計をぶら下げているナースも多いです。ただし見やすいように、向きを考えて。
腕時計はなぜ手首内側につけるのか
腕時計をしているナースもいます。一般的には手首外側にむけてつけることが多いですが、ナースは点滴の滴下合わせの時に、見やすいので手首内側につけていることが多いです。
点滴の滴数を調整する部分(クレンメと言います)を、親指で上下にスライドさせながら、「何秒に1滴」という感じで合わせるので、手首内側に時計がついていた方が見やすいのです。
右手で調整し、左手につけた時計で合わせ時、手首外側だと、自分の目の辺りに来る、滴下ポイントと時計を近づけるため、肩関節まで動かさないといけません。内向き付けなら、手を上に持っていくだけで良く、肩関節に余計な力が入りにくく疲れないのです。
看護師グッズ、こんな失敗も
駆血帯、くけつと読みます。「駆血」と言うのは採血をするときに、腕を縛ることです。結構きつく縛られるので、苦手な方も多いですね。
新人ナース、なりたてほやほやの頃に、夜勤の救急を担当した時の事。
夜勤の先生は、ほとんどが系列の病院から若い先生がやってきます。仕事以外のことはほとんど話しません。新人ナースは恐れ多くて気軽に口など聞けません。
「救急、来なければいいなあ」と思っていると、患者さんを呼びこむようで…
血液ガスを採る
救急の患者さんは外傷はなく、呼びかけに少し目を空ける程度。血圧、脈、体温、呼吸数、血中酸素飽和度を採って報告しました。
次は?
「血液ガスを採る」…さて、何をと考えて「確かキットが」と探し先生に渡した後、患者さんの腕を駆血しました。
先生は何も言わず駆血帯を外して、採血。
動脈採血なので駆血はしないのでした。先生は呆れ顔。その後血液ガスを計測、血糖を測った所低血圧と判明し、ブドウ糖を点滴して、患者さんは快方に向かいました。ホッ。
まとめ
看護師グッズは絶対に常に必要なものと、処置の内容などで準備するものがあります。ナースはたいていポケットをパンパンにして、どんな状況にも対応できるよう備えている。
最近は肩にかけるペンケースや、服に付けられるハサミ、時計など便利でおしゃれな看護師グッズも増えてきました。
病院にいかれたら、看護師グッズにも目をむけて、ナースごとの違いなど見てみると、待ち時間もあっという間に過ぎるかも。
ただし、ストーカーに間違われないように、十分注意してくださいね。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ