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ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

莫大な損失!看護師辞めたいを防ぐ組織で取り組むメンタルヘルス

働く人のメンタルヘルスは悪化するばかり、どこの職場でも長期休養の理由のトップはうつ病。医療の現場も深刻です。看護師本人にとっても経営上でも大きな影響がある、看護師のメンタルヘルスについて、何回かに分けて考えてみようと思います。

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看護師の過労消耗に気づかない

慢性の寝不足で注意力低下によるヒヤリ・ハットや、頑張りすぎてバーンアウト、退職する、看護師を辞める人も増え、問題となっています。ストレスが重なり、看護師が過労消耗しているのに、管理職が気づかなかったりうまく対応できないでいると、看護師のメンタルヘルスは悪化するばかりです。

今回は、主に看護師が辞めたいと思う状態や引き起こされる問題、メンタルヘルスが経営にも及ぼす影響などについて簡単にまとめました。

 

過労死の前に辞める看護師

長時間労働での過労死、職場うつで長期休職などが依然として深刻な問題ですが、看護師の場合、そうなる前に退職することが多いです。看護師の仕事が、転職、復職しやすい職種であることも背景にあります。

しかし、経営側にとって辞められてしまうことは、死なれたと同じことです。

看護師の離職は経営に打撃も

病院側は、一人前の看護師にするために莫大なおカネや人手をかけ、場合によっては外部からのコンサルタントを招いて研修も行っています。更に院内保育所を儲けたり、寮を用意したり…

又、1人がやめると、(たいてい他の施設に転職します)、同僚のモラルも低下させ、「この病院よりもっと良い所があるんだ」「ここにいてもいいことはないのかな」と更に人が辞めていくことにもつながる。ある大学病院では、毎年200人もの看護師が入れ替わっているそうです!病院の損失はいくらになるでしょうか。

スタッフのモラルの低下は、お金には換算できない由々しき問題です。

組織で取り組むメンタルヘルスケア

看護師のメンタルヘルスケアは、個人ではなく、組織で取り組む必要があります。新人看護師、プリセプターやベテラン看護師、師長などそれぞれがバラバラに関わっても、良い結果は出ません。

ストレスに押しつぶされそうになっている看護師の心を早く見つけ、聞こえない心の叫びに気づく事。メンタルヘルスケアに成功するコツは、メンタルヘルスに組織として取り組むことが大切です。

 

メンタルな理由で看護師辞めたい

メンタルヘルスの悪化は、先進国に共通の悩みですが、特に日本は非常に悪い。人口10万人あたりの自殺者数は23.1人、先進国ではダントツ1位、172カ国で9位。(2012年人口動態統計、厚生労働省)

看護師の状況については、確かな統計はないのですが、うつ状態になって辞めたいと思う人、離職する人も少なくありません。うつにならないまでも、メンタルな理由で看護師を辞めたいと考える人が非常に多いのです。

 

メンタルヘルスが悪化すると

メンタルヘルスが悪化すると、不眠や寝不足、アルコール依存症と言った症状や、毎日積み重なるストレスからくる不調、バーンアウトや、うつ病にいたり、離職へと進むことが少なくありません。また、スタッフのストレスは、病院の経営にも大きな影響を与えます。

 睡眠不足、不眠症、アルコール依存症

医師での調査結果ですが、睡眠時間が1日6時間より短い場合、そうでない日勤の医師に比べて、ヒヤリ・ハットの発生件数は1.7倍、生命にかかわるような危険な要素を含んだミスが1.2倍あったそうです。ビール2歩分飲んだくらいの「酒気帯び状態」だったとか。

看護師も、日勤でも夜の9時過ぎの帰宅や、夜勤などで長時間働く人も多い。脳が興奮した状態では疲れていてもよく眠れず、睡眠不足や不眠症、寝酒の習慣がアルコール依存症になってしまうことなどが多いのも現実です。その他よく見られるのは、

デイリーハッスル 

特別なトラブルがあるわけではなく、毎日余計な出来事があって、たくさんの仕事で神経を使う、時間におわれてイライラスする、といったストレスのこと。ごく普通のイライラでも、毎日続けば意外に負担が大きいものです。チリも積もれば山となって、脳という臓器にダメージを与え、心の不調を引き起こすこともあります。

バーンアウト(燃え尽き症候群)

一生懸命仕事に取り組んできたのに、期待していたほどには報われなかった、と感じて起きる疲労、あるいは欲求不満の状態を言います。 こころと身体が消耗し、だるい、無気力、悲観主義などに襲われ、仕事をする能力が低下した状態になります。 病名ではなく、症状や状態のことです。

うつ病

うつ病は心の病で休職する人の4~6割を締める病気ですが、知らぬ間に発症し、いつしか治るケースもありますが、最悪の場合自殺に追い込まれることもあります。女性は5人に1人が一生に一度でも、うつ病になると言われています。男性は10人に1人。

うつ病の身体のサイン 
眠れない、食べたくない、疲れやすいがポイント

うつ病の仕事上のサイン 
仕事が溜まって押し寄せてくる感じ
判断力が鈍って能率がわるくなり、日々の業務がやっとこなせる
集中力や注意力がおち、うっかりミスが多発する

うつ病の心のサイン 
初期にはメンタルヘルスが悪化し、やりがいや面白さが失われていく 
仕事が億劫で生きがいが感じられない 
意欲がわかず、イライラ、そわそわする 
仕事を辞めたいなど士気(モラル)の低下が起こる 
重症の場合は、自殺願望をいだくことも

ミスの多発、モラルの低下、メンタルヘルスの悪化は同時に起こります。

看護師辞めたいが離職に変わるとき

メンタルヘルスの悪化は、個人的な問題のように見えますが、実は医療事故のように組織で考えるべきテーマです。医療事故の取り組みはしている、待遇の改善もしている。なのに新人看護師ばかりか、4~5年目の看護師も辞めていく。こんな職場はメンタルヘルスに目を向ける必要があるといえます。

就職直後の4月に調査して、すぐに看護師を辞めたい、と答えた新人看護師が10%、数年後までには辞めたいと答えた看護師が33%といった結果が出た病院グループもあります。

 

看護師は転職が多い(し易いことが背景にあります)職種です。しかし、誰だって今いる場所が良ければ、辞めたい、転職したいなどと考えるのは、遠くへの転勤や遠方の親の介護など、よほどの理由があるときだけ。

同じ場所で長く務めたほうが、給与、退職金などの待遇の面でもスタッフとの連携など、人間関係でも遥かに良いのです。

それでも辞めたい、と思うのは多くの場合、こころと身体の健康に黄色信号が点滅し始めることがきっかけとなります。

 

まとめ

看護師のメンタルヘルスケアは、組織として取り組む必要があります。個人のがんばりでは対処できないことが多すぎるのです。看護師の離職は本人にとっても経営側にとっても大きな損失です。次回は心の叫びに気づき、メンタルヘルスの不調のサインを対処する方法や職場復帰のサポートについてお伝えしたいと思います。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ