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脈がバラバラ、心臓の鼓動がおかしい不整脈、心房細動で起こる脳梗塞

心臓の鼓動がおかしい、脈がバラバラ。高齢者に多い脳梗塞、心原性脳塞栓症の原因となる、心房細動と言う不整脈の一種かもしれません。再発予防や後遺症の軽減のために、心房細動の見分け方を簡単にお伝えします。

脈がバラバラ、心臓の鼓動がおかしい等の場合、心原性脳塞栓症につながる心房細動かも。医療機関を受診して相談しましょう

心臓のトラブルで起こる脳梗塞、心原性脳塞栓症

脳梗塞は動脈硬化によって起きるもの以外に、心臓のトラブルが原因で引き起こされる心原性脳塞栓症があります。

心房細動と言って、何らかの原因で鼓動が不規則になることがありますが、血液がうまく流れなくなりよどんでしまうため、心臓の中に血栓ができてしまいます。

できた血栓がはがれ、動脈を通って脳へと流れ、脳の血管をつまらせるのが心原性脳塞栓症です。早期に再発する危険性が高いのですが、適切な治療で避けることは可能です。

再発の予防や、後遺症の軽減につながる素早く適切な治療を行えるように、心原性脳梗塞につながる心房細動の見分け方を知っておきましょう。

 

心原性脳塞栓症の対処

動脈硬化による脳梗塞は、少しずつ進行しますが、心原性脳塞栓症は脳の太い動脈がいきなり詰まります。そのため突発的に大きな発作が起きるのが特徴で、早期に再発する危険性も高い病気です。

また、重症化することも少なくありません。心臓の異常を早期に発見し適切な治療を受けることで、いざという時の対処もスピーディーに行うことも可能です。不整脈の一種、心房細動がないかどうかをまず確認してみましょう。

心原性脳塞栓症を発症した時は、素早い治療と適切なリハビリで後遺症を軽減することも可能で、治療を続けながら自立した生活をおくられている患者さんも、少なくありません。

心房細動の見分け方

心房細動かどうかは手首などで脈を取ってみるとわかります。心房細動は

心房細動の特徴
  • 脈の打つ間隔がすべてバラバラ

なのが特徴です。動悸や不快感を伴うこともあります。心房細動の疑いがある場合は、循環器系を受診することをお勧めします。

時々脈が1拍飛ぶのは、「期外収縮」と言って心房細動ではありません。脳梗塞とはあまり関係がないと考えて良いでしょう。

不整脈の種類

不整脈には期外収縮、徐脈、頻脈と3つの種類があり、心房細動は頻脈の一種です。

不整脈の種類

不整脈の種類特徴
期外収縮 心房性期外収縮 
心室性期外収縮
脈が飛ぶ
徐脈 洞不全症候群 
房室ブロック
脈が早くなる
頻脈 心房頻拍 
心房細動(粗動) 
発作性上室性頻拍 
心室頻拍 
心室細動 
WPW症候群
脈が早くなる

心房細動とは

脳梗塞の原因となる心房細動は、不整脈の一種です。心臓が不規則に打っている状態を言います。心房細動の原因はまだ良くわかっていませんが、過労やストレス、大量の飲酒と関係が深いと言われています。

高齢者に発症することが多いのも特徴です。心房細動はこれと言った自覚症状がないことも多く、本人も気づかないことがあります。家族も普段から高齢者の様子を観察し、心房細動がないか留意することで、いざと言うときに適切な対処をすることが可能です。

心臓の働きと心原性脳塞栓症

心臓の電気刺激伝導と心電図波形

出典:心臓の電気刺激伝導と心電図波形(日本心臓財団ハートニュース40号より)

心臓のトラブルが原因で引き起こされる心原性脳塞栓症は、心臓でできた血栓が血流に乗って脳に流れ、血管をつまらせることにより起きる脳梗塞です。

心臓が正常なときには規則正しい収縮(鼓動)を繰り返し、全身に血液を送り出しています。心臓のペースメーカーとして鼓動をコントロールしているのが「洞結節」という部分です。

洞結節からの電気信号が房室結節を通って心室に伝わり、規則正しい鼓動が引き起こされ、心臓の弁が開いて新鮮な血液が全身に送り出されていきます。しかし、何らかの原因で心臓にトラブルが起こり鼓動が不規則になることがあります。これが心房細動です。

脳梗塞の治療は時間との戦い

手足がしびれる、真っすぐ歩けない、言葉がでない…などの異変が突然起きたら、まず、すぐに医療機関へ行きましょう。発症から時間がたてばたつほど脳細胞の損傷は広がり、重い後遺症が残るので、脳梗塞の治療は時間との戦いです。

心房細動から起こる心原性脳塞栓症は、心房細動があることを本人や家族が知っていることで素早い対応が可能となります。心房細動の治療を受けている場合、上記のような異変が起きたら迷わず救急車を!

心房細動は自覚症状があまりないので、まずは脈を測ってみてください。脈がバラバラで乱れている、心臓の鼓動がおかしいなど疑わしい場合は、医療機関で相談することをお勧めします。

家族の適切な対処が行われた例

心房細動の治療を受けていたSさん、家族と食事をしているときに、突然言葉が出なくなり、半身にしびれや麻痺が起き、家族がすぐに救急車を呼びました。

Sさんは意識ははっきりしていたものの、麻痺は顔にまで達していたのです。搬送された病院で心原性脳塞栓症と診断され、すぐに血流を改善するための治療が行われました。

Sさんには慢性的な心房細動があることがわかっていましたから、スムーズに治療が行われ、適切な治療により再発の発作はおきませんでした。

リハビリで手足の麻痺はかなり回復してきましたが、失語症がなかなか良くなりません。現在はリハビリ専門病院で、手足の訓練と併せて言葉を取り戻す訓練を受け、心房細動の治療を続けながら自立した生活を目指しています。

 

まとめ

心臓のトラブルで起きる脳梗塞、心原性脳塞栓症は、心房細動と言う不整脈の一種が原因で起こることもあります。心房細動は脈を測るとわかりますので、脈がバラバラの場合循環器科を受診してください。

適切な対処をすることで、万が一心原性脳塞栓症を発症してもすぐに対処することができ、再発の予防や後遺症の軽減が期待できます。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ

参考:怖い不整脈と怖くない不整脈 国立循環器研究センター 循環器病情報サービス

 

2月8日に18歳の若さで亡くなられた、女性アイドル8人組エビ中の松野莉奈さんの死因は、致死性不整脈の疑いと所属事務所が発表しました。謹んでご冥福をお祈り致します。

1)致死性不整脈
 基礎疾患の有無に関わらず、放置すると短時間で死亡してしまう危険性の高い不整脈を「致死性不整脈」といいます。つまり、不整脈そのものの重症度が極めて高く、怖い不整脈の代表です。これらの不整脈が発生したら一分一秒を争って治療しなければ、悲惨な結果を招く可能性が高くなります。
 頻脈性不整脈:心室細動、持続性心室頻拍、トルサード・ド・ポワンツ
 徐脈性不整脈:房室ブロック、洞不全症候群

出典: 疾患別解説 | 不整脈とは| 公益財団法人 日本心臓財団