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ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

看護師のブランクと復職、転職~再就職で重視する条件とは

看護師が出産、子育てなどで一旦職場を離れることは、キャリアの中断・ブランクと考えることも、ブラッシュアップの期間と考えることもできます。ブランクがある看護師の再就職への不安や、重視する条件とは。

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再就職で重視する条件

現場を離れるのはブランク?

妊娠、出産、子育ての体験は、看護師のキャリア形成上、重要な意味を持っていると考えます。看護師自身の人生観、社会観、家族観などに影響を与え、臨床の現場から離れていてもキャリアを磨きなおす期間ととらえます。

 

キャリアのブラッシュアップ期間

子育てを通して得られる知恵や新たな価値は、次世代に継承することで、新たな知識を創造していきます。看護師にとって子育てなどでいったん臨床の現場を離れることは、キャリアブランクではなく、キャリアのブラッシュアップ、磨きなおすということで、看護師としてのさらなるキャリアの形成につなげることが可能になると考えます。

看護師不足と子育て支援の整備

2005年に「次世代育成支援対策推進法」の制定で、子供を産み、育てやすい環境づくりのための行動計画を作成することが、自治体や企業に義務付けられましたこの法律に基づき、子育て支援を巡る仕組みは確実に整備されてきています。

また、深刻な看護師不足から、優秀な看護師の採用や、離職をふせぐため労働環境の整備や、待遇の改善、教育制度の充実なども進んできています。

結婚、出産による休業・離職

しかし、まだまだ育児と仕事の両立ができないと、辞めていく看護師も多い。社会、地域、職場の環境的な問題だけでなく、感情的な方向、家族や夫婦、個人の価値に基づく問題も多いのです。

結婚、出産による離職者が増加し、子育て経験者が職場に少なくなっている現状も、仕事をつづけながら無事に出産を迎えられるのか、子育てと両立させていけるのかを不安に思い、辞めたいと考える看護師が多いのも事実です。出産を控えた看護師や、休業、離職から復帰した看護師が、どのようにすれば子育てと仕事を両立させていけるのか、職場全体で考えていくことも必要です。

 

再就職に際して抱く不安

厚生労働省の調査結果によると、日々進歩する医療技術に対応できないのでは、という不安と、家事・子育てとの両立の不安が大きいです。

  • 最新の看護の知識・技術に対応できるか33.4%
  • 家事・子育てと両立できるか32.6%
  • 保育など育児支援体制の確保10.0%
  • 再就職者に対する教育体制が整っているか7.6%
  • 家族の健康問題・介護への対応3.6%
  • 交代勤務に対応できるか1.9%
  • その他4.7%
  • 不安はない3.0%

参考: 看護職員就業状況等実態調査結果 資料2 厚生労働省

ブランクがあるけれど大丈夫?

数ヶ月のブランク、5年、10年というブランクからの再就職者は多いです。ブランクが長ければ長いほど、医療技術の進歩に驚くことが多いですが、看護師の仕事の基本は、意外と以前のコツや動作を覚えているものです。

実際に看護をしているうちにカンを取り戻していけるので、数ヶ月はカンを取り戻す期間と考え、わからないことはきちんと尋ねること。若い看護師でも、あなたの先輩です。先輩の行動のあり方を観察したり、確認して行くことが大事。初心に戻り素直な気持ちで再スタートすることです。

とは言え、経験者として即戦力を求められもいます。バランスをうまくとり、新しい職場に溶け込む努力を怠っては行けません。

ナースセンターの再就職支援プログラムや、転職サイトなどの支援サービスを利用することも役に立ちます。病院主催の研修があることも。

 

再就職にあたり、重視する条件は?

一方、中央ナースセンターの分析結果によると、就職の際に重視する条件は、年齢、性別によって多少の差がありますが、勤務時間、給与、通勤時間、看護内容などが多い。(上位3つまでの複数回答)

再就職の際に重視する条件

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重視する条件女性 (%)男性 (%)全体 (%)
勤務時間 73.1 45.6 72.2
給与 53.9 73.5 54.5
通勤時間 46.3 27.6 45.7
看護内容 43.0 52.2 43.3
休暇 35.0 42.4 35.2
子育て支援 10.4 1.5 10.2
キャリアアップ支援 4.3 15.1 4.6
保育施設 2.6 0.6 2.5
宿舎・寮 0.9 4.5 1.0
その他 4.0 4.6 4.0

平成26年度 ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析報告書 p65~p66 日本看護協会 中央ナースセンター

 

女性のトップ3は、勤務時間がダントツ、ついで給与、通勤時間であるのに対し、男性のトップ3は給与がダントツで、看護内容、勤務時間となっています。独身か既婚かまではわからないので、一概には言えませんが、概ね女性側に家事や育児の負担が多い、ということが背景にあるのでは、と思います。

子供はどこに預ければ

少し前に「保育園落ちた」が国会でも問題になりましたが、産休明けを控えた看護師も子供の預け場所探しに必至です。仕事と私生活のバランスを取るのが難しいのは、看護師だけではありません。病気になった時は本当に大変です。夫婦どちらが休むかをめぐって、離婚にまで発展してしまった例もあります。

再就職の際には、子供が小さいと家族の協力なしには仕事との両立は難しいです。あなたの再就職を家族が後押ししてくれることが最低限必要でしょう。もし、そうでない場合、家庭の不和が子供の心にも影を落とす可能性もあるので、なぜ今再就職したいのか、あなた自身が明確にすることも大事です。

家事、子育てを分担しない夫

夫と家事育児について話し合いをしていますか。結婚前には「家事は分担して、手伝うよ」と言っていたのに、現実は食べたものの後片付けもしてくれない、洗濯物もうまく干せない…あるいはちょっと手伝っただけで、ちゃんと分担していると思い込んだり。

夫に不満を抱いている女性は多いです。イクメンということばがもてはやされるようになっても、やはり圧倒的多数の男性が、子育て・家事はほとんど妻に任せきりなのが現状です。こういった事情も女性の職場復帰をためらわせる原因となります。

男性を責めるのも問題

しかし、単純に男性を責めるのも問題があります。月の残業時間が過労死ラインの80時間を超える男性社員も少なくありません。厚労省が行った調査*では、残業時間が80時間~100時間の企業は10.8%、100時間超が11.9%と合わせて2割にも及んでいます。従業員が1000人を超える会社に関しては、50%以上で過労死ラインを超えて残業をした従業員がいました。(2015年12月~2016年1月、10154社に調査依頼、内1743社が回答)

参考:厚生労働省委託事業 過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業 みずほ情報総研㈱

 

まとめ

看護師が一旦職場を離れたあと、再就職しようと思うとき、不安に思うのは技術や知識が日々新しくなる医療の現場に、すぐに対応できるかどうかということ。次いで、家事や育児との両立が上げられています。

様々な事情や現状があり、これ、と言った回答は出せませんが、再就職支援プログラムや、転職支援、子育て支援などの制度も上手に利用したいですね。家族の理解、強力も大切です。

しかし、何よりも大事なのは、あなたの仕事への情熱!

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ