ナースほど誇れる仕事はありません

健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

看護師不足では病院は回らない。病院の危機は看護師軽視のツケ?

 

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看護師不足が問題となっていますが、優秀な看護師を採用して、教育と専門性を見直し、定着してもらえるようにすることは、病院にとって重要な課題です。

 

看護師からすれば、より自分の条件に有った職場をみつけやすい、より希望に有った職場で働きやすいということでもある。

 

職場で理不尽な扱いを受けたり、ライフスタイルの変化で、勤務形態を変えたいなどの理由で、転職を希望する看護師も増えています。人望のある看護師の管理職が辞めることで、連鎖退職が始まることも。

 

 

背景には、ほとんどの看護師が加盟している日本看護協会が、人材紹介機能を持っていること、看護師に特化した人材紹介をする、民間の業者も増えて、転職が容易になっていることがあります。

 

 

看護師の軽視が命取り

 

2006年の医療制度改革で、様々な医療シーンにおける看護師の役割は、より重要になり、より高く評価されるようになってきました。

 

しかし看護師は、医師の指示で働くという法規制や、組織構造は残っているので、未だに看護部を軽視している経営者もいます。

 

10対1から7対1*になった基準を満たすために、単に頭数を合わせるだけというケースも。

 

誤診と護身

夜間救急に運ばれてきた激しい腹痛の子供さんを、内科医が触診もせずに食中毒と診断、下剤を処方しました。

 

一緒に対応した看護部長は、「異物誤飲や腸閉塞の疑いもある」と助言しましたが、医師は自分の臨床経験の未熟さを指摘されたと感じたのか、それを無視したのです。

 

子供さんの腹痛はますますひどくなり、親御さんが別の病院に搬送しようとしたため、看護部長は内科部長に腹部検査を直接願いました。

 

 

検査の結果、腸閉塞が進行、癒着を起こしていて、緊急手術で一命を取り留めたのですが、親御さんの怒りは収まりません。

 

院長以下そろって患者さんのご自宅に伺い、謝罪した所、訴訟には至らなかったのですが…

 

 

あまりにもお粗末な院長

マスコミ向けに処置が遅れた理由を「『担当医は腸閉塞を疑ったが、看護師がその可能性を強く否定したので』ということにしてくれ。担当看護師には退職金を上積みするので、やめてもらう」と院長から申し出が。

 

看護部長は、「私も辞めます」と、担当看護師と一緒にやめてしまいました。

 

もともと院長の看護師軽視に不満を抱えていた看護師も、10人ほどが一緒にやめてしまったのです。

 

誤診の理由を捏造し、護身に走った院長。その事実が報道され、病院には患者さんがいなくなりました。

 

 

採算を考えない看護師採用

とにかく看護師を増員しようと、スタッフの出身校への訪問、結婚や出産で退職した看護師にも、復職を打診したところ、従来から勤務していた看護師が何人かやめてしまいました。

増員した看護師への待遇ばかりを厚くしたためです。

 

 

10対1から7対1に増員するということは、単純に考えて3人分の人件費が増えます。さらに、看護師不足の世の中です。黙っていても看護師が集まる病院なら関係ありませんが、募集にかかる費用も馬鹿になりません。

 

看護師を確保するためには、どんな手段をつかても良い。と考えていると、上記の例のように、、今いる看護師の転職を促してしまうことにもなりかねません。

 

医者は経営を学ぶ機会がない

医療法人の理事長や病院の院長は、法律により医師免許取得者である必要があります。しかし医学部では経営を学ぶ機会がありません。

 

経営感覚に乏しい病院経営者も少なくなく、看護師の役割を軽視した結果、深刻な看護師不足から、病院経営の危機を招くのです。

 

 

*10対1から7対1への移行

 看護師の配置基準が患者さん10人に対して1人から、7人に対して1人へと移行したこと。

 

手厚い看護体制を求め、急性期診療の入院日数を短縮するために、2006年4月に医療制度改革によって定められた、必要な看護師数の増員を求める新しい基準。

 

 

まとめ

 

優秀な医師や最新の設備を揃えていても、看護師不足では病院はまわりません。

 

患者さんのお世話をする看護師は、病院スタッフの半数以上います。院長や理事長といった、病院の経営者は、看護部の軽視は絶対にしてはいけないのです。

 

「7対1基準」を整え、チーム医療で、高度な医療サービスを提供する組織への体質改善が重要な課題です。

 

 

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