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転職で損をしない退職後の手続き~社会保険の手続3つのケース

転職をする際、退職をスムーズにすることも重要ですが、意外と忘れがちなのが社会保険の手続き。知らないと損をする場合があるので、しっかり確認しておきましょう。

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社会保険などの手続きで損をしないために

社会保険や税金は、組織に勤めているときは給料から天引きされています。あまり意識することは無いので、いくら引かれているのか知らない人も多いかもしれませんね。転職の場合は、退職後間を明けずに働くなら、書類を退職前に受け取り、新しい職場に提出すれば、代わりに手続きをしてもらえます。

しかし、転職先がまだ決まっていなかったり、少し間を明けてから働こう、あるいは大学で勉強するといった場合、自分で手続きを行う必要があります。いつから働くかによって、必要な手続きについてまとめたので、転職を考えている方は参考にしてください。

 

退職と転職を同時に行う場合

退職後ブランクなしに働き始める場合は、自分で役所に行ったり書類を作成したりする必要はありません。基本的に保険、税金の手続きは、転職先に任せていれば大丈夫です。退職する前に必要な書類をきちんと受け取って、転職先の担当者に手渡せばOK。注意が必要なのは住民税です。

住民英は後払い

住民税は1月から12月までの1年分の所得に課税された税金を、翌年の6月から翌々年の5月にかけて支払うシステムです。退職が、1月から5月までの場合、一昨年分の住民税は払い終わっていません。そこで残りの未納分は、最後の給与から天引きされます。

6月以降の退職であれば、前年分の税金を払いはじめたところです。翌年5月までに払うべき住民税の払い方は次のように選ぶことが出来ます。

  • 退職時に一括で天引き
  • 自分で分割して払う(基本は年4回)

退職時の説明で住民税の支払い方についても説明があるはずですが、漏れている場合はきちんと聞いておきましょう。

 

一旦休養してから働こうと思う場合

働きたいと思えばすぐにできるだろうし、せっかくなので半年ぐらい休養を取ってから働こうかな、と思う人もいるでしょう。慢性的な看護師不足で、どこも看護師は大歓迎、働く場所が無い、ということはまずありません。

円満退職し、安心して休養する前に、まずやって置かなければ行けない手続きがあります。それまでは職場で処理してくれていた、雇用保険、健康保険、年金、所得税、住民税の手続きです。面倒だから嫌だなあという人もいるでしょうが、もしものときに困るのは自分。

雇用保険も使い方によっては得する仕組みもあります。雇用保険と健康保険の手続きについてお伝えします。

雇用保険、失業給付

失業給付で少しのんびりしよう、と当てにしているあなた。自己都合退職はすぐに給付を受けることは出来ません。一般的に3ヶ月と7日後にならないと給付は開始しません。

自己都合退職の場合、手続きをしてから7日間の「待機期間」と3ヶ月の「給付制限」が終えてから給付開始となるのです。最初の給付金が実際に振り込まれるのはおよそ4ヶ月後です。ただし、病気が理由で医師の診断書がある場合は、給付制限はありませんが、現在は働ける状態にあることが必要。

少しのんびりしようと思う場合は、ある程度の蓄えをしておく必要があります。

確定申告

退職した年に転職をしなかった場合は、確定申告をすることをおすすめします。職場で年末調整をして税金が返ってきていた人は、特に忘れないようにしましょう。大抵の場合税金の納め過ぎになっているので、確定申告をすることで収めた税金の一部が還付されることが多いです。

確定申告の方法は意外と簡単なもの。申告期限前でも提出は出来ますので、源泉徴収票をもらったらまず、自分で申告書に記入してみましょう。わからない場合は最寄りの税務署に出向けば、相談することが出来ます。

源泉徴収票、生命保険控除証明書、年金保険控除証明書、銀行口座の控え、印鑑、医療費控除がある場合は、その証明書などを持参します。

2月に入ると窓口が混み始めますので、早めに相談しましょう。ネットでも確定申告をすることもできるし、郵送でも受け付けています。

ネットで申告は国税庁のHP 国税庁 確定申告書作成コーナー

 

 

失業給付

失業給付は雇用保険の被保険者なら、退職後誰でももらえるというわけではなく、条件があります。まず、失業の状態であることが前提。再就職の意志やいつでも働ける環境や健康状態にあることなどです。失業給付は、「仕事を探し、1日も速く再就職してもらうために支給されるもの」です。失業給付の仕組みについて、もう少し詳しく解説します。

失業給付の対象

失業の状態であることが前提ですが、単に仕事をしていない状態であれば良いというわけではありません。

  • 働きたいという意志がある
  • いつでも就職できる環境、健康状態である
  • それにもかかわらず、再就職できないこと

が条件となります。つまり、「働き始めるのはもう少し先」と決めていても、再就職先を探している、という意欲を示すことが必要です。

  • 大学で勉教したい
  • 妊娠・出産・育児ですぐには働けない
  • 病気やケガですぐには働けない
  • 結婚などのため、家事に専念しようと思っている

などの場合は、失業給付を受けることはできません。あくまでも、就職先が見つかったらすぐに働ける、という状態でなければダメです。

また、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あることも条件となっています。新卒で1年未満でやめた場合は、対象になりません。*病院都合の場合は6ヵ月以上

失業給付を受けるための手続き

必要な書類を持って、退職後すぐに病院を管轄するハローワークに行きましょう。手続きをした日から受給資格が決定するので、遅くなればなるほど、失業給付の受け取りも遅くなります。必要書類は次の6点です。

  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票
  • 住民票または運転免許証
  • 写真(3×2.5cm程度の正面上半身)
  • 印鑑
  • 自分名義の貯金通帳

ハローワークに行き、求職票に必要事項を記入して受付に提出します。順番に呼ばれ、簡単な面談があり、離職票を受理されると、失業の認定となりますが、面談の際は、「求職中」であることを忘れないように受け答えしましょう。

給付を受けるまで

面談の際、「説明会」の案内を渡されます。指定された会場に、指定された日時に行く必要があります。失業給付の概要と不正受給に関しての説明があり、受給資格者証と失業認定申告書が配布されます。

  • 受給資格者証 受給の資格があることを証明する書類
  • 失業認定申告書 求職活動の状況などを記入し、報告するための書類

説明会後、ハローワークに行く日、一回目の認定日が設定されます。4週間に一度ハローワークに行き、失業状態であることを認定してもらい、お金を貰うという仕組み。

求職活動

失業状態である=求職活動はしているけれど、仕事はまだ見つからないということ。認定日までに何らかの求職活動を行っていることが必要となります。求人に応募する、ハローワークや民間の人材紹介会社が行う職業相談、就職セミナーなどに参加するなど、具体的な実績が必要です。

自己都合退職の場合の、失業認定から給付までのながれ

ハローワークに行く 受給資格決定日

  • 説明会に参加
  • (求職活動3回以上)
  • 第一回目の認定日
  • (求職活動2回以上)
  • 給付制限期間が終了
  • 第2回目の認定日
  • (休職活動2回以上)
  • 最初の失業給付の振り込み
  • 以後4週ごとに認定日

※認定日に相談することも、求職活動一回としてカウントされますので、実際には1回(初回は2回)の求職活動でOK.。

失業給付の支給額

支給額は、前職での給料をもとに決まります。

賃金日額×給付率(0.5~0.8)が基準。これの50%~80%が支給されます。

賃金日額: 退職前6ヶ月の給与の合計(ボーナスは除く)を180で割ったもの

支給割合は、金額によって異なり、賃金日額の低い人ほど割合が高くなります。又、年齢により支給額の上限が決まっています。

支給期間

いつまでもらえるかは、雇用保険加入年数により異なります。自己都合退職の場合は、

  • 10年未満    90日
  • 10~20年未満  120日
  • 20年以上    150日

です。10年未満で退職した場合は、ハローワークで手続き(受給資格決定)した後、約4ヶ月後から3ヶ月間給付を受けられます。9年11ヶ月で退職した場合は90日間ですが、あと1か月働いて10年努めてから辞めれば120日間となります。

1日違うだけでも30日の差があるので10年を節目、と考えている場合は退職日に注意しましょう。加入年数は通算ですので、合計で何年かが重要。職場が変わっていても大丈夫です。

再就職手当

給付日数が残っていても、再就職が決まると働き始める前日で支給は止まります。満額もらってから再就職したほうが得、と思うかもしれませんが、失業給付の目的は、再就職です。給付が先になっては本末転倒。そこで、再就職手当を儲けて、早く就職しようと言うモチベーションを高めています。再就職手当が支給される条件は、自己都合退職の場合以下のとおりです。

  • 失業認定後、7日間の待機期間が満了
  • 所定給付日数(給付がもらえる期間)のが3分の1以上残っている
  • 離職した前の事業所への再就職ではない
  • 待機期間満了後1か月以内にハローワーク、職業紹介事業者の紹介で就職
  • 1年を超えて勤務することが確実
  • 雇用保険加入
  • 過去3年以内に再就職手当、常用手当をもらっていない
  • 求職の申し込み前から採用内定していたものではない
  • 再就職手当支給決定日までに離職していない

再就職手当の支給額

再就職する時期により異なります。残っている日数がもともとの給付日数の

  • 3分の1以上  残りの支給日数の50%
  • 3分の2以上  残りの支給日数の60%

となります。

例:給付日数90日

  • 60日を残した場合 60日×0.6=36日
  • 59日を残した場合 60日×0.5=30日
  • 29日を残した場合 3分の1に満たないので支給されない

どこで再就職するのが良いか、それは個々の判断となります。

再就職手当を貰うには、就職した日の翌日から1か月以内に申請書を提出することが必要です。

求職者支援制度

雇用保険を受給できない、または受給期間が終了した人が、就職するために、職業訓練を受ける場合、職業訓練中の生活を支援するための給付(月額10万円)を受給できる制度です。訓練の受講、給付金の受給には条件がありますので、希望がある場合はハローワークで相談してください。

職業訓練、求職者支援訓練を受けながら失業給付を受けることも可能です。この場合も求職活動、認定日にハローワークに行くことは必要です。

求職者支援訓練 厚生労働省

健康保険

健康保険には職場を通して加入しているので、退職で資格を失います。日本は国民皆保険、ですので何らかの健康保険に加入する必要があります。無保険では病気やケガで病院を受信すると、全額自分で払わなければいけません。無保険期間が無いように、退職後すぐに加入することが大切です。

健康保険の加入、3つの選択肢

自分で加入するには3つの選択肢があります。

  • もともと加入していた健康保険の任意継続
  • 国民健康保険
  • 家族の健康保険の被扶養者

です。それぞれの健康保険によって受けられるサービスは、出産手当金などで幾つか違いはありますが、医療機関を受診した時の自己負担は3割、という基本は同じです。どの保険に加入するかは保険料が決め手となります。

任意継続と国保の違い

任意継続とは退職した後も、今までの保険に加入し続けるということです。2か月以上加入していたこと、退職した翌日から20日以内に手続きを行うことが条件です。最長2年まで加入できます。

  保険料手続き
任意継続 全額
(在職時の2倍)
退職後20以内に
自分の住所地を管轄する協会けんぽ
または加入していた健康保険組合に
必要書類を提出
国民健康保険 全額
(前年度の所得で決定)
元の職場で健康保険資格喪失証明を作成してもらう
退職後14日以内に市区町村の国保担当課に行き提出
退職の翌日から加入となり、保険料は遡って徴収される
家族の健康保険の被扶養者 なし
年収130万円未満であること
被保険者(家族)の勤務先で行ってもらう
退職の翌日から5日以内に行う必要がある

国民健康保険の保険料は、市区町村の国民健康保険の担当課で教えてもらえます。任意継続とどちらが安いかで決めると良いでしょう。ただし任意継続は退職した翌日から20日以内の手続きが必要で、それを過ぎると継続は出来ません。

どちらにするか判断に迷うなら、一旦任意継続の手続きをすませることも一つの手段です。やっぱり国保のほうが良いという場合は、任意継続の保険料を払わなければ資格は自然に喪失します。

家族の健康保険の被扶養者になる場合は、保険料は入りません。しかし、年収130万円未満という条件もあり、再就職を前提にしているなら、就職した時点でまた抜く手続きをする必要があります。短期間での出入りを嫌う家族もいる(手続きが面倒などの理由)のでどの保険に加入するのが良いのかは、ケース・バイ・ケースです。

 

スキルアップをしたい人

退職後、次の仕事につくのではなく、大学や大学院に入学して勉教したり、資格のための教育を受ける、留学するなどの場合は、学生という身分になります。「就職しようと言う積極的な意志があり、就職できる環境がある」という支給要件には当てはまらないので、失業の状態とはみなされず、失業給付は受けられません。

健康保険、年金、所得税、住民税は自分で手続きを行わなければいけませんので、退職後すみやかに手続きをしましょう。

自分で行う必要がある手続き

 退職前に必要なこと退職後に必要なこと何のための手続きか
雇用保険 雇用保険被保険者証と離職票を受け取る 転職活動を始めるまで、雇用保険被保険者証、離職票は保管 学校を卒業後、転職活動を初めてkラ失業給付を申請することも
健康保険 退職日に健康保険証の返却
国保に入る場合は健康保険資格喪失証明書の作成を依頼
国民健康保険
家族の被扶養者として加入
任意継続のいずれかを選択
何らかの健康保険に加入するため
年金 年金手帳を受け取る 退職後2週間以内に市区町村の窓口へ 国民年金の種別変更のため
所得税 源泉徴収性を受け取る 転職が年をまたぐ場合は自分で確定申告を
退職した年の12月までに転職した場合は、転職先に提出
所得税を支払うため
住民税 退職前に住民税の納付方法について確認
●1~5月に辞めた場合は、前々年の所得に課された未納分を、最後の給与から一括天引き
●6~12月に辞めた場合は「退職時一括天引き」「個人で納付」のいすれかを選択

 

出産時に受けられるサービス

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転職するまでの間に、出産、子育てをする人もいるでしょう。出産育児一時金、出産手当、育児手当などのサービスがあります。

出産育児一時金

どの健康保険にも、妊娠4か月(85日)以上で出産(残念ですが死産・流産・人工中絶の場合も対象)した時、一児につき出産育児一時金42万円の支給があります。

*産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は40.4万円)

出産手当金

基本的に在職中の人が対象です。国民健康保険にはありません。出産で給食した場合、無給となる人に支給されます。給与が一部出る場合には、その差額分が支給されます。

出産日(予定日より後に出産した場合は予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休み、給与の支払いがなかった期間が対象。ただし、

  • 1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する金額(給与が少ない場合はその差額)
  • 予定日より遅れて出産した場合、遅れた出産日までの日数が加算されます

退職後、次の2点を満たしている場合は、支給を受けることが出来ます。

資格喪失後の継続給付

被保険者の資格を喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。    資格喪失時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。

 なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の出産手当金はお支払いできません。

出典: 協会けんぽ

転職していても、1日のブランクもなく、加入が継続していればOK。

在職中に出産手当金を受けているか、受けることができる状態にあること。(給与が支給されているために、支給が停止状態、あるいはまだ請求手続きをしていない、と言ったケースです。

出産を期に仕事をやめようと考えているなら、出産手当金の申請まで行ってから退職したほうが得です。退職前に申請方法を勤務先に確認しておきましょう。

出産一時金も出産手当金も、2年以内であればさかのぼって請求できます。知らなかった、忘れていたという人は、後からでも請求することをおすすめします。

児童手当

出産後育児をサポートする児童手当があります。出産の翌日から15日以内に請求すれば、出生日の翌日から支給されますが、申請した日から支給となります。出産したらすぐに手続きを行いましょう。

 

まとめ

退職、転職をする場合に知らないと損をするのが雇用保険、健康保険などの社会保険や出産、児童手当などのサポートに関する手続き。退職後すぐに転職する場合と、少し休養してからの転職、あるいはスキルアップに専念した後に、再就職を考えている場合では、受けられるサービスや手続きが違います。

転職をどのように考えているかによる手続きの注意点を確認し、受けられるサービスはしっかり利用しましょう。

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