健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

特定健康診査とは?医療費控除よりお得な病気にならないメタボ検診

医療費控除、この時期税務署や申告会場は長蛇の列で、健康な人でも具合が悪くなりそうな混雑ですね。来年のためにかかった費用の控除ではなく、かかるであろう費用を節約する特定健康診査とは何かをお伝えします。

特定健康診査とは?医療費控除よりお得な病気にならないメタボ検診

特定健康診査とは

定期健康診断などで、腹囲を図りますね。これはメタボ検診とも呼ばれる特定健診の検査項目の一つです。正式名称は

「特定健康診査・特定保健指導」

と言い、平成20年4月から始まりました。

特定健康診査・特定保健指導とは、メタボリックシンドロームに着目した健診を受けていただき、その結果、生活習慣病の発症のリスクがあり、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、生活習慣を見直すサポートを実施するものです。
出典:厚生労働省 特定健康診査・特定保健指導をお受けになる方へ

将来病気になりそうな人を対象に、医療者が介入することで病気の発症を予防することを目的としています。また、この背景には、2025年問題など、増え続ける医療費の適正化という側面もあります。

特定健診によるメリット

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出典:生活習慣病の医療費に締める割合[資料]厚生労働省「平成22年度国民医療費」

高血圧や糖尿病など生活習慣病が医療費に占める割合は約30%、また、総医療費の内約65%が65歳以上の年齢層がしめています。

特定健診は、メタボに着目した検査を行うことで、生活習慣病発症のリスクの高い人に特定保健指導を行い、生活習慣病の予防と医療費の削減を目指します。

肥満から高血圧、糖尿病などを発症するメタボリックシンドロームは、生活習慣の見直しなどで改善、予防が可能です。

地域や職場などのメリット、個人のメリット

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メタボリックシンドローム該当者と被該当者の平均医療費の差額[資料]厚生労働省「保険者による健診・保健指導等に関する検討会(第7回)」(平成24年2月24日開催)
出典:5医療費等と疾病の関係を見る[788KB]厚生労働省 PDF

特定健診、メタボ検診を行うことで得られるメリットは

個人のメリット 

  • 生活習慣病のリスクがあるかどうかがわかる
  • 治療をしないとどうなるのかがわかる
  • どの生活習慣を改善するとリスクが減らせるかがわかる
  • 改善の方法がわかり、自分で選べる
  • その結果、重症化が予防できたり、死亡を回避できる
  • 医療費の削減

地域、職場のメリット 

  • 地域や職場特有の健康課題がわかる
  • 予防対象者や疾患を特定できる
  • どのような病気で治療や入院しているかわかる
  • 医療費が高い原因がわかる
  • 重症化が予防できる
  • 医療費の伸びを抑制できる

治療は早いほうがお得

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医療費適正化硬化の経年分析について 1人あたり入院外医療費(高血圧症、脂質異常症、糖尿
出典:第19回保険者による健診・保健指導等に関する検討会(厚生労働省:2016(平成28)年4月13日)
//www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121277.pdf

生活習慣病は重症化すれば治療にお金がかかります。食事制限や運動など治療も厳しくなっていき時間もかかります。しかし、軽いうちに発見できれば生活習慣を見直すだけでも健康を取り戻すことは可能です。

医療費と手軽さと言った2つの面で早く治療を開始することがお得、といえます。

特定健診の主な検査項目と判定値

検診結果が異常なしでも、検診時の健康状態に問題がないということです。また、基準値内であるかどうかも大切ですが、数値の変動はより大切です。毎年健診を受け、以前の結果と比較する習慣を付けましょう。異変をより早く見つけることが可能となります。

肥満

検査項目 肥満
腹囲(cm) ☆ BMI ☆
検査の目的・考え方 内臓脂肪の量を反映 身長と体重から割り出される数値 肥満の指標となる
疑われる病気 BMIが25以上、かつ腹囲が基準値以上の場合は内臓脂肪の蓄積の疑いあり
基準値 男性・・・85未満
女性・・・90未満
18.5~25未満
保健指導判定値 男性・・・85未満
女性・・・90未満
25以上
受診勧奨判定値

血圧

検査項目 血圧
収縮期(最高)血圧(mmHg) ☆ 拡張期(最低)血圧(mmHg)☆
検査の目的・考え方 血管の老化・動脈硬化を調べる
疑われる病気 高血圧が続くと動脈硬化から、心筋梗塞や脳血栓になりやすい
基準値 収縮期129以下
かつ
拡張期84以下
保健指導判定値 収縮期130~139
または
拡張期85~89
受診勧奨判定値 収縮期140以上
または
拡張期90以上

脂質

検査項目 脂質
中性脂肪 (mg/dL) ☆ HDLコレステロール (mg/dL) ☆ LDLコレステロール(mg/dL)
検査の目的・考え方 動脈硬化の進み具合の指標となる。 中性脂肪はHDLコレステロールの現象とLDLコレステロールの増加を促し動脈硬化を促進する。
疑われる病気 異常値の場合は、虚血性心疾患や脳血管疾患の発症の可能性もある。
基準値 149以下 40以上 119以下
保健指導判定値 150~299 39~35 34以下
受診勧奨判定値 300以上 34以下 140以上

血糖

検査項目 血糖
空腹時血糖(mg/dL) ☆ ヘモグロビンA1c(%) ☆ 尿糖
検査の目的・考え方 細胞内に取り込まれず排出されたり、血液中に余ったぶどう糖の量から糖の代謝異常を調べる
疑われる病気 数値が高いほど糖尿病の疑いが強い
基準値 99以下 5.5以下 ー(陰性)
保健指導判定値 100~125 5.6~6.4 ±
受診勧奨判定値 126以上 6.5以上 +(陽性)以上

肝機能

検査項目 肝機能
AST(GOT)(U/L) ALT(GPT)(U/L) γ-GT(γ-GTP)(U/L)
検査の目的・考え方 臓器や組織の障害を調べる 肝臓の障害に顕著に反応 飲酒による肝臓の障害を調べる
疑われる病気 数値が高いほど肝炎・肝硬変・脂肪肝などの疑いが高い。
ASTは心筋梗塞などでも上昇する
基準値 30以下 30以下 50以下
保健指導判定値 31~50 31~50 51~100
受診勧奨判定値 51以上 51以上 101以上

腎機能

検査項目 腎機能
尿蛋白 血清クレアチニン(mg/dL) 結成尿酸(mg/dL)
検査の目的・考え方 臓器や組織に障害がある場合発生 腎機能が低下していると高値になる 尿酸は一定量体内に保たれ、不要な分は腎臓などを経由して排泄される
疑われる病気 陰性の場合、腎臓の障害の疑い。
過労などで陽性になる場合もある
高値なほど腎臓の障害(CKD)が疑われる 尿酸値が高くなっている状態を高尿酸血症という
基準値 ー(陰性) ± +(陽性)以上
保健指導判定値 1.09以下
受診勧奨判定値 7.0以下

☆は特定保健指導の判定に関連する検査項目。
※基準値等参考: 今後変更になる場合があります。健診器官や検査機関により若干異なる場合があります。
厚生労働省健康局「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)平成25年4月 日本人間ドック学会「判定区分(平成26年4月1日改定)

メタボの敵、内臓脂肪を撃退!

内臓脂肪は皮下脂肪よりもつきやすいですが、落としやすいという特徴もあります。

生活習慣の改善に取り組み、少しダイエットするだけでも内臓脂肪を減らすことは可能です。

血圧や脂質、血糖の値も改善していきますので、言い古された対策ですが、食事、運動、気持ちの3つについて、最後に簡単にまとめました。

生活習慣の改善対策の目安として継続して行ってください。更に特定健診、メタボ検診を上手に活用し脱メタボ!医療費削減を目指しましょう。

メタボ改善、内臓脂肪撃退のポイント

  • 食事
  • 運動
  • 気持ち

食事 
お箸を置く習慣を付け、良く噛んで食べる

  • 満腹感が得やすくなる
  • 消化が助けられ内臓への負担が少なくなる

運動 

  • 姿勢をただし、シャキシャキ歩く 
    ▶姿勢を正して歩くと、普通に歩くよりエネルギー消費量がアップする
  • 日頃使わない筋肉を動かす 
    ▶筋肉がつくと基礎代謝が上がり、運動の持続効果も期待できる スクワットが特におすすめ
  • 日常に運動を取り入れる 
    ▶運動は一日のエネルギー消費量を増やせ、継続しやすい

気持ちの持ち方 

  • 選べる時は、健康的な方を選ぶ 
    ▶階段とエレベーター、和食と洋食等、小さな差の積み重ねが、1年後、5年後、10年後の大きな成果につながる
  • 歩数や体重など、その日の頑張りなどを記録する 
    ▶何か一つでも記録することが、毎日の健康意識の向上につながる
  • 健康宣言 
    ▶家族や周囲の人に健康宣言をすることで、継続のモチベーションが上がる。周囲の人は、応援や協力を。

 

参考:厚生労働省 
▶特定健康診査(いわゆるメタボ検診)・特定保健指導 厚生労働省 //www.mhlw.go.jp/seisaku/2009/09/02.html
▶5医療費等と疾病の関係を見る[788KB]厚生労働省 PDF /www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/chiiki-gyousei_03_05.pdf
▶第19回保険者による健診・保健指導等に関する検討会(厚生労働省:2016(平成28)年4月13日)/www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000121287.html

 

まとめ

生活習慣病は予防が可能です。医療費控除を受けるより、病気にならないようにすることが医療費の削減にもつながります。

メタボ検診、特定健診で健康管理を行い、特定保健指導の対象となった場合は、積極的に指導を受けて改善、予防を!

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