健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

胃酸の逆流、胃酸が上がるなどで胸焼けが長く続いたら我慢せず受診

胃液や胃の内容物が、食道に上がってくる胃食道逆流症には、2つのタイプがあります。症状があると生活に支障も出てくるので、我慢せず受診しましょう。胃食道逆流症の2つのタイプについて、原因や治療法などをお伝えします。

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胃食道逆流症とは

胸焼けや呑酸、胃もたれなどの症状がある場合は、胃食道逆流症である可能性が高いです。

胃液に含まれる胃酸は、食べたものを溶かしてしまう強い酸性ですが、胃の粘膜には胃酸から胃を守る働きが備わっており、胃壁を障害しません。

しかし、食道の粘膜には胃酸から守る仕組みは無いので、胃酸が食道に上がってくると、粘膜にびらん(ただれ)ができたり、何らかの症状が現れたりします。

びらんが見つかるタイプと見つからないタイプがあります。

 

胃食道逆流症の2つのタイプ

逆流症食道炎 

内視鏡検査で、食道の粘膜にびらんが見つかるタイプ

 

非びらん性逆流症 

症状はあるのですが、内視鏡検査では食道の粘膜にびらんが見つからないタイプ

従来は、たとえ症状があっても、内視鏡検査でびらんが見つからなければ異常なし、と診断されることがよくありました。現在は患者さんの症状が重視されるようになっています。

胸焼け、胃酸の逆流、呑酸(酸っぱいものがこみ上げてくる)などの症状が週に1~2回以上ある人を調べたら、6割以上の人には内視鏡検査で異常が見つからなかった、と言うデータもあります。

非びらん性逆流症の症状は、炎症やびらんがある逆流症食道炎と同じように、非常に強いことがわかっています。

 

気をつけたい症状

胃食道逆流症の症状で、最も多いのは胸焼けです。胸の中央部分からみぞおちの上のほうが、熱く感じたり焼けるように感じたりします。

酸っぱいものが上がってくる呑酸も典型的な症状です。この他、胃もたれ、吐気、喉の不快感等、様々な症状が現れることがあります。

これらの症状があると、生活の質に大きな影響を及ぼし、好きなものが食べられないなどの食生活に影響がでたり、集中力が低下して仕事や勉強に支障をきたすことも。

胃酸が食道に逆流して上がってきたときの感じ方には、個人差がとても大きいことがわかってきました。何も感じない人も3~5割います。

一方で、ほんの僅かな胃酸でも、胸焼けなどの症状が現れ、苦しんでいる人もいます。

我慢しないで、医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。

 

胃食道逆流症を起こしやすい人

ライフスタイルが発症に大きく関わっており、それぞれ起こしやすい人が異なります。

 

逆流性食道炎 

年齢や性別、体型によらず発症する 中高年の男性で太り気味の人に多い傾向 

 

非びらん性逆流症 

若い人、女性、痩せている人に多い傾向 几帳面で真面目、ストレスをためやすい人に多いと言われている

 

治療はどうする?

胃食道逆流症の治療は、胃酸の分泌を押さえ、生活習慣の改善などを行います。治療の中心は薬物療法と生活習慣の改善です。特に食生活の見直しを行い、ストレスのコントロールも大切です。

 

薬物療法

最初に用いられる薬はプロトンポンプ阻害薬です。胃酸の分泌を抑える作用をもち、胃食道逆流症治療の第一選択薬です。ストレスが原因となっている場合は、抗不安薬なども使われます。

 

生活習慣の改善

食べ過ぎ、脂肪分の多い食事、早食い、食後すぐに横になるなどの、発症の原因になっていると考えられる生活習慣を見直します。ストレスが原因と考えられる場合は、ストレスのコントロールも大切です。

 

ストレスとの関係

病気の原因にストレスがあることを患者さん自身が理解すると、治療はスムーズに進み、スオレスのコントロールもうまくいきます。薬の効果も高まると考えられています。

 

胃食道逆流症の原因

食道の筋肉の緩みや胃酸過多など、主に原因は次の3つに大別されます。

  • 下部食道括約筋の緩み
  • 胃酸過多
  • 食道の知覚過敏

これら3つの原因により、胃酸の逆流が起きやすくなったり、症状を感じやすくなったりします。

 

下部食道括約筋の緩み

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食道と胃の境目にあり、その部分を占める役割を果たしているのが、下部食道括約筋です。通常はこの筋肉の働きにより、胃酸や胃に入った食べ物が逆流しないように防がれています。

この筋肉が食べ過ぎ、脂肪分の多い食事が原因となり緩みやすくなると、逆流がおこり、胃酸が上がるようになるのです。

 

食べ過ぎ 

胃が膨らんで張り詰めた状態になると、下部食道括約筋が開きやすくなってしまいます。

 

脂肪分の多い食事 

脂肪分を多く摂ると、下部食道括約筋を緩めるホルモンが分泌されます。

 

腹圧 

太っている人、妊娠中の人はお腹の圧力(腹圧)が高くなるので、緩みやすくなります。

 

胃酸過多

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胃酸の量は、食べ物や体重と関連があります。胃の中の胃酸が多いほど食道に上がってくる胃酸が多くなり、胃食道逆流症の原因になると言われています。

肉類などタンパク質の豊富なものを食べると、胃酸の分泌が刺激されるので胃酸過多になりやすく、体重が増えたときにも、胃酸の分泌が増えることがわかっています。

 

食道の知覚過敏

健康な人でも、ゲップをした時などに、胃酸が食道の方に少し上がってくることはあります。

しかし、殆どの場合それを感じることは無いのですが、食道の知覚過敏がある人は、少しの胃酸が上がってきただけでも、それを胸焼けの症状として感じます。

知覚過敏はストレスと関係していると言われ、ストレスの影響で食道の知覚過敏が起こり、胃食道逆流症を発症しやすくなります。

 

まとめ~長く続く症状は我慢しないで病院へ

胃酸が逆流して食道に上がる胃食道逆流症は、生活の質に大きな影響を及ぼします。

長く続く胸焼けや呑酸などの症状がある場合、我慢せずに医療機関を受診してください。

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