健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

突然死を防ぐ!アラフォーはスポーツを始める前にメディカルチェック

突然死を防ぐためにも、スポーツを始める前に、アラフォーに是非行って欲しいのがメディカルチェック。今回は循環器の検査についてお伝えします。

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心臓や血管の障害は突然死につながる

健康維持・増進、メタボ対策、ストレス解消、などなどスポーツの効能はたくさんあります。

しかし、健康診断や人間ドッグなどで異常が発見されなくても、循環器に問題がある人が、それに気づかずスポーツを始めると、突然死のリスクが高いことはご存知でしょうか。

特に学生時代や若い時にスポーツをしていた人は、無理をしがちなので要注意です。スポーツ中に突然死した人は、心臓や血管に障害があったことに気付かず、スポーツを始めた、というケースがほとんど。

スポーツによる心臓病の事故は突如として起こることがよく有ります。事前に自分の健康状態をよく把握しておく事が必要です。

同じ心臓病でも、若い人は先天性の病気が原因であることが多いのですが、中高年は後天的な病気、冠動脈疾患の場合が多く、全体の約8割を占めます。

 

突然死の危険性があるアラフォーは?

中高年の突然死の原因は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患、冠動脈疾患*が、全体の約8割を占めています。

心臓の筋肉への血流が悪くなって発症する病気で、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙などが動脈硬化を進めてしまうことが原因のことが多い。

以下はメディカルチェックの問診でチェックされる項目ですが、当てはまるものがある場合は、必ず病院で検査を受けてください。

*冠動脈疾患:冠動脈は、心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を送っている血管。冠動脈が動脈硬化などによって血管が狭くなり、血流が悪くなって起こる病気です。

 

動脈硬化に結びつきやすい5つの特徴

アラフォー以上で、スポーツ中の突然死のリスクがあるのは、以下の様な要素がある場合です。

いずれも心筋梗塞や狭心症の原因である「動脈硬化」に結びつきやすいという特徴があります。

 

【糖尿病】

糖尿病の人は血液中に含まれる糖分(ブドウ糖)を、うまく生命維持活動のエネルギーとして活用できず、血液中に糖分が余ってしまいます。

余った糖分が血管(動脈)を傷つけ、血管がもろくなったり、血管の内腔が狭くなるなどの動脈硬化を起こしたりします。

 

【高血圧症】

血圧が高いと血管を圧迫するので、動脈硬化を起こしやすい状態になります。

動脈硬化を促進させる、コレステロールや中性脂肪の血管壁への付着の度合いも、高血圧の人のほうが高いと言われています。

 

【肥満】

肥満は高血圧や糖尿病のリスクが高いため、動脈硬化を引き起こしやすいと言われています。

 

【高脂血症】

血中にコレステロールや中性脂肪などの脂肪が多くなっている状態です。脂肪が血管壁に付着、徐々に動脈硬化を進行させます。

 

【喫煙】

喫煙中は一時的に血流が悪くなり、心臓発作を引き起こしやすくなります。タバコに含まれるニコチンに、血管を収縮させる作用があるためです。

また、喫煙によって一酸化炭素が発生し、血管壁へのコレステロールの付着を促進、動脈硬化を起こしやすい状態にします。

 

要素が増えればリスクは累乗

これらの要素が一つでもあると、全く無い人に比べ、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患を起こすリスクが2倍になります。

2つ持っている人は4倍、すべて持っている人になると32倍(2の5乗分)冠動脈疾患になりやすくなると考えられています。

現在、これらの要素が一つもなくても、過去に肥満や喫煙の経験がある場合、かつて一度も経験がない人に比べ、リスクは高いといえます。

これらの要素の有無はメディカルチェックの問診でチェックされます。

 

メディカルチェックの目的

人間ドッグなどの検査は、生活習慣病の早期発見が主な目的です。スポーツを始める前の検査としては不十分といえます。

何も異常がなく問題ないと思ってスポーツを始めても、心臓病の事故は突如として起こることがよくあります。

メディカルチェックは、運動による障害や事故を未然に防ぎ、安心してスポーツを楽しむために行います。

運動することで悪化する危険性のある状態、虚血性心疾患(無症状)や、整形外科的障害を発見することを目的としています。

  • スポーツをしても良いか
  • どれくらいが適量か

を正確に判断するためには、スポーツクリニックなどで以下のようなメディカルチェックを受けることをおすすめします。

 

メディカルチェック5項目

  • 問診
  • 診察
  • 安静時心電図検査
  • 運動負荷心電図検査(トレッドミステスト)
  • 心エコー検査

【問診】

前述の動脈硬化に結びつきやすい5つの特徴のほか、

  • 普段運動をしているか
  • どのくらい運動をしているか
  • 突然気を失った(失神)ことがあるか
  • 運動中に胸の痛みやふらつきを感じたことがあるか
  • 家族(2親等以内)に若年・中年で突然死をした人がいるか
  • 定期検診で異常がなかったか
  • タバコを吸っているか

などを聞きます。これ以外にも話す内容から得られる情報は、全てチェックします。

 

【診察】

  • 聴診器による心音チェック
  • 血圧測定

など

 

【安静時心電図検査】

人間ドッグなどでも行われます。安静の状態で検査を受け、心臓に異常があるか、異常があるとしたらどの部分にあるか診断します。

 

【運動負荷心電図検査(トレッドミステスト)】

狭心症や心筋梗塞などの発作は、運動時に現れることが多いので、運動をして心臓に負担を与えている時の心臓の様子を、心電図にとります。

安静時心電図検査だけでは、異常を捉えることができない場合もあるからです。

 

【心エコー検査】

心臓の形態や機能、さらには大動脈の形がわかるので、先天的な心臓病を発見するのに有効です。

 

メディカルチェックの流れ

まず、問診、診察、安静時心電図検査で、体の状態を総合的に判断します。

心臓に異常が疑われる場合は、運動負荷心電図検査(トレッドミルテスト)や心エコー検査で、さらに詳しく心臓の様子を調べます。

前述の動脈硬化に結びつきやすい5つの特徴に該当し、家族に突然死をした人がいる場合は、トレッドミルテストを行います。

スポーツクリニックはスポーツのためのメディカルチェックを専門的に行っている期間です。

健康保険は適用されません。スポーツクラブで、トレッドミルテスト(運動負荷心電図検査)を実施しているところもあります。

参考:

スポーツ医学総合センター 慶應義塾大学病院

スポーツドクター検索 - スポーツ指導者 - 日体協

 

積極的な運動のススメ

メディカルチェックで異常なし、と診断されたら、健康維持、増進のためにも生活の中にスポーツを積極的に取り入れていきましょう。

生活習慣病の予防や、ストレス解消などにも効果が期待されます。

 

運動量と死亡率

1989年のアメリカでの調査ですが、

  • よく運動するグループ
  • 運動を少しするグループ
  • 運動をほとんどしないグループ

にわけ、8年間調べた結果、よく運動するグループが男女ともに死亡率が低いことが報告されています。運動は、心臓病などの病気の予防に役立っていると考えられています。

 

メディカルチェックで異常があった場合

異常あり、と診断されても、必ずしも運動してはいけないわけではありません。

病気によっては適度な運動が望ましい場合もあります。スポーツクリニックなどで、病気や体の状態にあった運動の方法を指導してもらうことをおすすめします。

 

まとめ~スポーツを始める前のメディカルチェック

健康のために始めたスポーツで突然死を招かないように、メディカルチェックをお勧めします。

特に若いころに運動をしていた人は、自分の体に自信があることが多いのですが、健康状態は同じではありません。昔のイメージを持ったままだと無理をしがちで危険です。

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