健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

妊婦でも看護師!妊娠における深刻なナースの悩み

看護職は流産率が一般職と比較して、異常に高い。妊娠がわかった時、ナースの悩みは…

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白衣を着た以上、妊婦でも看護師!

深刻なナースの悩みは?

  • 激務で妊娠を継続できるのだろうか、仕事を軽減してもらえるのだろうか
  • 仕事を軽減してもらうと、同僚や先輩ナースに迷惑がかかるから言い難い

ナースの母性健康管理は、自分自身と企業、双方の管理が必要です。闇雲に流産率の高さにおののくことはありません。妊娠中の労働について、双方の理解を深めることで、安心してナースの仕事を続けながら出産できます。

妊娠中も働く女性は多いです。看護師も例外ではありません。白衣を着ている以上、患者さんにとっては看護師。

 

とは言え、仕事をしている上で、危険だと感じたり、不調を感じることもあるでしょう。自己防衛も出来ないようでは、患者さんを守ることも難しいのでは。

 

数字に振り回されず、「妊婦でも看護師」であることを忘れずに、「看護師でも妊婦」であることも忘れずにいること。

 

それが、妊娠、出産を経て、安心してナースを続ける心構えです。

 

 

看護の現場は妊娠異常が多い

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一秒たりとも止まること無く、病棟内を飛び回る、ナースの1日はとにかく忙しい。そんな中で妊娠がわかったナースは、まじめで有ればあるほど、体の不調を言い難い空気があります。

 

実際に一般の事務職と比較すると看護職の異常妊娠は多く、流産率は異常に高い。

 

ですから、妊娠を機に看護師を辞めたい、というナースも多いのです。

 

 

自分を守るのは自分です

「つわりがあるのに、痰引きが多かったり、お腹が張って辛いのだけれど、言い難くて」

 

妊娠中の不調がない人もいるのかもしれませんが、いまだかつてお目にかかったことがありません。不調や心身の変化があって不思議は無いのです。

 

ただし、辛い時は、自分からアピールしなければいけません。ただでさえ人出の足りない職場です。「妊娠しているから大変ね。その仕事は私がやるからいいわよ」なんて、(本当は声を掛けたくても)、誰も言ってくれません。

 

辛さは人にはわからない

妊娠していても、症状は辛さは人それぞれです。自分には何が出来て、何ができないのか、はっきり言わなければ伝わるはずがありません。

 

申し出るのは、勇気がいるかもしれませんが、自分を守るのは自分です。

 

 

 

スタンダードプリコーション

看護師であるならスタンダードコンプリーションは理解していますよね?業務が体に危険だと思ったら、自己防衛しなければいけません。

 

先輩たちは、妊娠しても普通に業務をこなしていたので、人が居なくて忙しい、など、遠慮していては、突然倒れたり、返って迷惑をかけることにもなりかねない。

                            

ナースの責任と自分の体調をしっかり見つめて、どのように行動すれば良いかを考えることが重要です。

 

 

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業務の負担軽減、休業、検診時間の確保は比較的周知されているようですが、

 

時差通勤、勤務時間の短縮、勤務経路の変更、作業環境の変更なども申し出てれば認められることを知らなかったり、取りにくいのが現状です。

 

スタンダードコンプリーション

1996年にアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)が発行した隔離予防策ガイドラインにより提唱された「感染症の有無にかかわらずすべての患者に適用する疾患非特異的な予防策」

 

つまり、スタンダードコンプリーションとは、「すべての患者の血液、汗以外の体液、分泌物、排泄物、粘膜、傷のある皮膚には感染の可能性がある」とみなし、患者や医療従事者による感染を予防するための予防策(標準予防策)を講じることを言います。

 

具体的には

・手洗いの励行

・手袋・マスク・ガウンなどの正しい装着

・器具や器材の適切な取り扱い

・消毒や滅菌など環境の整備

・患者の隔離

 

などが具体的に定義されています。

 

 

いざ出産!入院先にナースだと伝える?

 妊娠中の通院、入院の時、ナースであることを伝えない人が多いです。中には同業だといえば、「相手の対応が変わるから」というナースも中にはいますが。

 

仕事中に不調になった場合は、同じ病院の産科ならすぐに対処してもらえる、という利点は確かにあります。

 

お互い気まずい、かも

ナース、とわかるとなんとなく、お互いに気まずいような気がします。相手にも夜とは思いますが、「看護師さんなら、わかるよね」と言った対応になるかもしれないと。

 

それに、単純によその病院の看護がどんなものかを知りたい、という好奇心もあるからです。

 

既にナースであることを知っているかもしれません。でも、「本人が言ったわけではないので」と自然に振る舞う看護師さんのプロ意識には脱帽です。

 

 

 

古いデータですが看護師の流産率の高さです。

看護師の流産率は一般の職業よりも高く、長年問題になっている。日本医療労働組合連合会の経年調査から、看護職(保健師、助産師、看護師、准看護師)の流産や切迫流産(流産しかかる状態)の増加ぶりがわかる。

同じ調査を基にしたものではないので単純比較はできないかもしれないが、一般事務職員では17.1%(全労連女性部が行なった『妊娠・出産・育児に関する実態調査』2007年)と看護職の妊娠異常の高さがうかがえる。

女性労働協会が09年に行なった『働く女性の妊娠・出産に関する健康管理支援実態調査』でも同様の数値が示されており、病院勤務の看護師の切迫流産が31.6%、切迫早産が32.6%となっている。

出典: ダイヤモンド・オンライン 2012年6月1日

 

 

企業に義務付けられた母性健康管理

 企業に義務付けられた、母性健康管理により、「妊娠したら夜勤は免除」「感染の危険が高い業務ははずす」といった措置が撮られる病院も増えてきました。

 

しかし、慢性的な看護師不足は深刻で、看護師自身が業務の軽減や休みを申し出にくい現状も少なくありません。

事業主は、女性労働者が妊娠・出産・産前産後休業の取得、妊娠中の時差通勤など男女雇用機会均等法による母性健康管理措置や深夜業免除など労働基準法による母性保護措置を受けたことなどを理由として、解雇その他不利益取扱いをしてはなりません。

(男女雇用機会均等法第9条)

 

 

まとめ

 

人手不足や経済状況から、業務の軽減が出来ない、辞めたくても辞められないという状況での妊娠、出産は深刻な問題をはらんでいます。

 

流産率の高さから、妊娠を機に辞めてしまうナースも多いですが、母性健康管理がきちんとできている職場なら、心配することはありません。

 

妊婦は方で守られている

しかし、その内容をよく知らなかったり、妊婦が法律で守られていること自体を知らない、若いナースもいます。

 

ナース自身も知識を得ること、雇う側も法律に従った母性の健康管理をすすめ、安心して妊娠、出産を経験することで、さらに成長。看護師としてのキャリアを続けていけることが望まれます。 

 

データ画像出典:(財)女性労働協会「企業における妊産婦の健康管理体制に関する実態調査報告書」(平成19年)より

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