お正月休みに具合が悪くなった時、病院は休み、救急車を呼んだほうがいいかしら、どうしたら良いの?迷った時に
休日の緊急事態の対処法は?
年末年始は、やたらと救急車のサイレンが聞こえるなあ、と思った方いらっしゃいませんか。そうなんです。病院が休みのことも有り、通常よりも救急車がやってくる回数が多い。
看護師が教える緊急事態の対処法は3つ
- 119番通報 救急車をすぐに呼ぶ
- #7119、#8000の利用
- 当番医・救急外来を受診
それぞれを簡単にまとめてご紹介します。
救急車を呼ぶ前にあわてず状況判断
本当に緊急性があることもありますが、中には首をかしげるような理由で救急車を呼ぶこともあり、本当に救急車を必要とする人が利用できない事態も起こりえます。
一方、高齢の方などで救急車のお世話になるのは、嫌だ、迷惑をかけるから、とガマンしてタクシーで良いと言う方も時にいらっしゃいますが、遠慮してはいけません。
すぐに救急車を呼ぶべき場合もあるからです。
明らかに異常な状態でしたら、迷わず救急車を!
本人が大丈夫、と言っていても、一刻を争う場合ではないとは言い切れません。以下の様な症状・状況が見られたら、救急車を呼んでください。
- 急な激しい頭痛
- フラつき(立っていられないほどの)
- ロレツがまわらない
- 顔面麻痺
- 吐血
- 冷や汗を伴うような強い吐き気、嘔吐
- 呼吸が苦しい
- 突然の胸の痛み
- 手足のしびれ
- 応答がおかしい、ない
- 頭を強打
など
具合が悪い人の様子や状況など、いろいろと聞かれますので、正確にこたえられるようにしておきます。嘔吐物などがある場合は、その形状や色なども把握しておきましょう。
診察券や保険証、お金、薬を飲んでいたらそれなども用意して置くと良いですよ。
判断に迷うときは#7119、#8000で相談
- #7119: 東京消防庁の「救急相談センター」
- #8000: 厚生労働省の「小児救急電話相談事業」
救急車を呼んだほうが良いのかどうか、判断に迷った時の相談窓口が、#7119、#8000(子供さん)です。
持病や服薬が有れば、それらの情報も必要です。
救急相談センター 東京消防庁
#7119(携帯電話、PHS、プッシュ回線より)*一部つながらない回線あり
急な病気やケガをした場合に、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」、「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、「東京消防庁救急相談センター」を開設しています。
東京消防庁救急相談センターでは、これらの相談に相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、24時間年中無休で対応しています。
相談センターでは以下の相談を受け付けてくれます。
- 症状に基づく緊急性の有無のアドバイス
- 受診の必要性に関するアドバイス
- 医療機関案内
東京の他に、北海道、愛知、奈良、大阪をモデル地区として、「救急安心センター」という名称で「#7119」が利用できます。その他は従来通り119番で。
小児救急電話相談事業(厚生労働省)#8000
★小さなお子さんをお持ちの保護者の方が、休日・夜間の急な子どもの病気にどう対処したらよいのか、病院の診療を受けたほうがいいのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師への電話による相談ができるものです。
★この<事業<は全国同一の短縮番号をプッシュすることにより、お住まいの<都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
「#8000」は全国対応しているので、短縮番号に掛けるとご自身の都道府県窓口に転送されます。
当番医・救急外来を受診
緊急性はなさそうだけれど、ちょっとおかしいな、診てもらった方がいいかな、と言った症状なら、
市町村ごとに持ち回りの当番医が決められています。市町村のホームページ、広報誌や地元の新聞などに掲載されていますので、差し迫った症状でない場合は、これらの受診を。
混んでいるのは覚悟の上で
ただ、お正月はかなり混んでいることを覚悟してください。待っている間に返って具合が悪くなってしまうことも、少なくありません。自宅で様子をみて決めましょう。
新年から営業をしているドラッグストアなどが近くにあったら、薬剤師さんに相談してみるのも一つの手段です。
ただし、休みが終わったら、病院は受診してくださいね。もしかしたら原因が別なところにあるかもしれません。
年末年始に救急車が走り回るのはなぜ?
年末年始に救急車が走り回っているのは、お酒を飲む機会が増えたり、帰省ラッシュで交通事故や急病、ケガなどのトラブルが多いためです。お正月にお年寄りがお餅を喉につまらせる事故も、多発します。
かかりつけの医者に行こうにも、年末年始で長期のお休み、どうしたら良いかわからなくて、とりあえず救急車を呼ぶことも原因。中にはとんでもない使い方をする人もいるんですよ。
トンデモな救急搬送
ちょうど一年前、昨年の大晦日は夜勤でした。真夜中に救急車のサイレンの音、「よりによって大晦日に、緊急入院かなあ。」と思っていても、いつまでたっても急患室からの連絡がありません。
よくあることですが、軽い症状で、外来で対処でき、帰ったのだろうと思っていました。朝になり、夜勤の当直医に訪ねてみると、やはりそうでした。
救急患者は酔っぱらい
しかしです!真夜中にサイレンを鳴らして救急車でやってきたのは、20代の男性で、単なる風邪ひきの酔っ払い。
それも、郊外の友人宅で終電がなくなるまで飲んでいて、タクシーも拾えない。自宅が病院のそばなので、ここまで運んで貰えれば歩いて帰れる、とこの病院指定で救急車に乗って来たのだとか。
救急隊員は、おかしいと思っても拒否できないですからね。タクシー代わりに延々と運ばされた方たちが気の毒です。それに本当に救急車が必要な人たちが使えない事態も起こりうるわけですから。
#7119ができたわけ
自力で病院に来れる人や、単に救急車で来れば外来でまた無くて済む、なんていう考えで救急車を使う人も少なくない。
そのために#7119のサービスが生まれた、と言っても良いのですが、なかなか周知されないのがもどかしい。
もっと使いやすく、わかりやすく、広く知られるような仕組みができると良いですね。
まとめ
大晦日です。年末年始は病院もお休みです。外来患者さんは来ません。と言っても病気がお正月休みをしてくれるわけではないですから、基本的に医療従事者に年末年始は関係ないです。
お正月の暴飲暴食にご注意を!規制される方は安全運転を!
普段と違う生活になる方が多いと思います。身体もいたわって救急隊員にもお休みを!
病棟ナースも患者さんと一緒に新年を迎えます。
年末のご挨拶
ブログ開設から約2ヶ月、みなさまのおかげでここまで続けてこられました。
本当に有難うございます。
来年も、更新続けます!どうぞよろしくお願いします。
皆様、良いお年をお迎えくださいませ。
「Anのひとりごと」~今年最後の1ページ