健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

コミュニケーションスキルを磨くにはアサーティブが重要

看護師を辞めたい原因となるストレスの一つが、人間関係。中でもコミュニケーションがうまくいかないことです。ストレスとならないコミュニケーションスキルをつけるため、なぜうまくいかないのか理由を知り、アサーティブコミュニケーション、ノンバーバルコミュニケーションについて考えます。

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チーム(組織)の働き

人間は一人では生きていけません。守り、守られながら群れで生きています。

他の職業人と同じように、看護師も個人ではできないようなハイレベルの看護が、チーム(組織)であれば可能であったり、そのチームに貢献するために、一生懸命働くことで、自分のスキルを高めることもできます。

相手の存在を認め合うことの多い職場では、「チームのためにがんばろう」という気持ちや、「この病棟のチームの一員なんだ」という意識(帰属意識・仲間意識)が高まります。

しかし、チームとして機能していない場合、辞めたい思いが強くなり、離職へ繋がることが多いのです。

 

相手の存在を認め合う~アサーティブ

相性が合わない、考え方が違う、等など人間関係がストレスとなる原因は、きりはありません。

原因となることを理解し対処することで、コミュニケーションもうまくとれ、チームの一員として守り、守られる存在となります。

大事なことは、組織に貢献する、つくすだけという一方通行の関係ではなく、同時に組織の一員として守られる必要がある、ということです。

医師や他の部門などからの言動に問題が有れば、師長や主任が、「部下や後輩を守るのは私の責任」と正当な権利を主張するといった、管理職レベルだけの問題ではありません。

「守る」ということで大切なのは、職場の中で、相手の存在を認めあう、というスタッフレベルの関係です。

 

認めるとほめるの違い

相手の存在を認める、ということはほめたり良い評価をすることではありません。挨拶をする、ねぎらいのことばをかける、相手の話に耳を傾けるなど、ごくふつうの事も含まれます。

上手な言葉がけをする必要はありません。身振りや態度で示すことも多いのです。(ノンバーバルコミュニケーション)

人の話を聞くときに、相手の目を見るのも相手の存在を認めることです。

ねぎらいのことばをかけても、目を合わさずに言ったのでは、お座なりなことばにしか聴こえず、無視されたと感じてしまうこともあります。

 

ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)

救急現場では、指示確認のための復唱、「はい」「いいえ」という返答が非常に重要となりますが、声の大きさや口調も非常に大きな情報となります。

人間関係の好き嫌いも、ノンバーバルコミュニケーションが強く関わっています。

ことばの上では相手を気遣っているように見えても、相手を見て居なければ、「無視された」「軽く見られた」といった感情をもたらし、ストレスの原因となるのです。

 

状況によることばのすれ違い

人間関係の基礎となるコミュニケーションは、ことばとノンバーバルコミュニケーションでなされますが、状況によって伝わる意味が変わってきます。

ノンバーバルコミュニケーションがうまく使えなかったり、状況(場の雰囲気)が読めなかったりすると、正確な意思疎通ができなくなり、すれ違いやくい違いが生じます。

すれ違いが積みかさなると「嫌な人」「あの人は相性が悪い」という気分が生まれ、この気持が適切に処理されないと、ストレスとなっていきます。

 

同じ「もうやめて」でも状況によって真逆の意味に

  • 職場の飲み会で、公認の中であるYさんとSさん。YさんがSさんの魅力をしゃべりまくっていたので、Sさんが「もうやめて」と笑いながら言った。
  • 看護師のIさんに医師のTさんが飲み会のあと、「これから2人でのみに行こう」とIさんを誘い、Iさんの手を握った。Iさんは「もうやめて」と言った。

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同じことばでも、このように状況が違うと意味が異なってくるのです。

 

ノンバーバルコミュニケーションとは 

人間は他の哺乳類同様、表情や身振り、態度でコミュニケーションをとっています。

これをノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)と言います。表情を見て、相手の感情を本能的に感じ取り、身振りや表情で応答します。

 

個人の考え方

自分の物の考え方が、ストレスになっている人も多い。物事をなんでも2つに分けて考える「二分思考」の習慣がある人や、「話の裏ばかり考える人」などです。

 

二分思考

物事を勝ち-負け、合格-不合格、成功-失敗など2つに分けて考える二分思考は、物心ついた頃から身についています。

大変わかり易く便利で家庭や職場がうまく回るためには必要な考え方です。

しかし、何に対しても2つに分けてしまうのは問題です。

「この人は良い人、あの人は悪い人」、「頭の良い人と悪い人がいて、自分は悪い方」「お金持ちと貧乏人がいて、私は貧乏」など。

このようにいつも黒か白かの2分思考で考えると、ストレスを抱え込みやすくなります。世の中には、正反対のものが混ざり合っていることは、いくらでもあります。

 

可愛さ余って憎さ百倍

相手に対する好き嫌いの気持ちでも、混ざり合ったものです。どんなに愛する人でも、愛がピークに達すれば、「飽きる」「倦怠期」「別れの予感」が訪れます。

感情は複雑に交じり合っていて、時間とともに移り変わるものです。それを良い、悪い決めつけてしまうとストレスになってしまいます。

 

ダメな自分と決めつけない

患者さんの遺体を見て、恐怖や嫌悪を感じても、それは生物としての自然な本能です。なのに自分を、「看護師として失格。ダメな自分」「弱い自分」と決めつけるのは、自然な感情に逆らう事になり、ストレスに。

病気と戦った患者に対する敬意の念、死の恐怖も同じ自分の感情だと認める必要があります。

 

話の裏ばかり考える人

状況による意味の違い、「もうやめて」の例のように、会話の真の意味は状況によって変わるし、ウラの意味もあります。

例えば上司が「あなた、いつの間にか偉くなったわね」ときつい目で言ったら…

それは、「一人前になっていないのに、生意気」というのがウラの意味。

「今日は早いわね」と言われれば、いつもは遅いということ。

会話やコミュニケーションには、皮肉やひやかし、ひゆ、などを含めことばや文章が直接表す意味ではなく、別の意味を示しているものが多くあります。(メタコミュニケーションと言います)

 

メタコミュニケーション

世の中には、相手の言ったことを悪く考えるのが、くせになっている人がいます。歪んだメタコミュニケーションのくせです。

こういうタイプの人は、職場の人は皆悪意を持っている、と思えて、攻撃的になりがちです。本人だけでなく、周囲の人にとってもストレスです。

 

クレーマー

何を言っても話が通じない、必ず反論するというのがクレーマーの特徴で、中には悪意はなく、相手の不正をただそうとするという善意の動機もあります。

メタコミュニケーションの歪みがある人が少なく無い、と考えてよいでしょう。

 

家庭生活でもお互いの存在を認める

女性看護師の場合は、結婚、出産という幸せなはずの出来事もストレスとなってきます。職場環境も関係ありますが、原因の多くは、家庭内の役割分担に関連するものです。

パートナーや、夫の親、自分の親との関係もストレスとなります。病気になったり、嫌な人間関係に陥ったり、我慢が続かなくなり別居となったり。

家庭生活も、一方的な奉仕や、尽くしでは破綻します。パートナーや実の親、義理の親との関係お全く同じで、お互いの存在を認め合うことが重要です。

 

【参考】自分と相手の存在を認める~アサーティブ

アサーティブコミュニケーション

アサーティブなコミュニケーションとは、自分と相手の人権 (アサーティブ権) を尊重した上で、自分の意見や気持ちをその場に適切な言い方で表現することである。
参考:wikipedia

アサーティブネス

この思想そのものは、1960年代以降のアメリカにおける人権擁護の思想と運動を土台として発展してきましたが、最近では欧米に限らず、日本においても、企業のマネジメント、新人教育、学校教育、医療現場、リーダー養成研修等に広く活用されています。
参考:日立ソリューションズ

 

まとめ~コミュニケーションスキルを磨こう

相手の存在を認め合う職場は、チームのために頑張ろうという気持ちを持ち、技術や技能も高めることが可能です。

ほめられたら素直に喜ぶ。叱られたら素直に反省する。

コミュニケーションスキルを磨き、ストレスの原因を取り除けば、辞めたい思いはどこかに消えているはずです。

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