暑い時の不眠で多いのは、寝つきが悪いこと。暑いとなぜ寝つきが悪いのか、眠れない時の対処法をご紹介します。夜眠れない、早くに目が冷めてしまうといった悩みを解消、スッキリ目覚めて1日のスタートです。
暑いと寝つきが悪くなるのはなぜ?
暑くなると寝付きが悪い、眠れない夜にモンモンとして疲れがたまる。一口に夜眠れない、と言っても色々なタイプがあります。
暑いと寝つきが悪くなるのは、「恒温動物」に備わった、睡眠に関わる仕組みが関係しています。
深い眠りに入るためには深部体温の低下、脈拍数や血圧が下がることで、脳と体を休めています。暑いと寝つきが悪くなるのは、深部体温が下がりにくくなるためです。
快適な睡眠には、温度と湿度の調整が必要です。熱くて眠れない時の対処法で良質な睡眠をとり、疲れを持ち越さずに過ごしましょう。
やせ我慢は禁物
暑いと深部体温が下がりにくいのは、気温が高いからだけではありません。湿度が高くても熱は逃げにくくなります。
日本は高温多湿が多く、そのことも快適な睡眠を妨げています。自然な環境が一番、とクーラーを使いたがらない人も少なくありません。
特に高齢者に多いですが、最近の暑さは異常です。室内で熱中症にかかり、救急搬送される人も増えています。エアコン等の利用を我慢してはいけません。
寝付きを良くするためのコツ8選
スムーズに寝付くためには、暑さに対処して、体内時計がきちんと眠る準備を始める働きができるようにします。眠気が起こる温度まで深部体温が下がる工夫をすることが大切です。
- 部屋の温度と湿度の調整
- 熱を逃がす部位を冷やす
- 寝付けない時はいったん起きる
- 朝日を浴び、食事をきちんと摂る
- 眠るための飲酒はしない
- 日中、体を積極的に動かす
- 寝る前はカフェインを多く含む飲み物を控える
- 寝る直前に熱いお風呂に入らない
寝付くための具体的な工夫
- 部屋の温度と湿度の調整
就寝前にエアコンなどを付け、部屋の温度、湿度を調整する
冷え過ぎを防ぐようタイマーも活用
快適に眠れる設定温度を見つける - 熱を逃がす部位を冷やす
後頭部、首筋、脇の下など深部体温が下がりやすい部位を冷やしながら眠る
手や足の甲など深部体温を冴えるために熱を下げる部位は冷やすと逆効果 - 寝付けない時はいったん起きる
寝付けずにモンモンとするより一度起きる
部屋の灯りを付け寝床から出て、本を呼んだりしながら眠くなるのを待つ - 朝日を浴び、食事をきちんと摂る
朝日を浴びると体内時計がリセットされ、リズムを整えられる
規則的な食事も体内時計のリズム維持に役立つ - 眠るための飲酒はしない
お酒にはリラックス効果もあり、寝付きは良くなるが夜中に目を覚ましやすく睡眠の質が落ちる
寝酒を続けていると飲酒量が増える - 日中、体を積極的に動かす
心地よい疲労が残る程度の運動を毎日の習慣にする
暑い時は熱中症に注意 - 寝る前はカフェインを多く含む飲み物を控える
番茶や麦茶などにする
カフェインの感受性には個人差があり、午前中に飲んでも眠れない人や、飲んでも眠れる人もいる - 寝る直前に熱いお風呂に入らない
熱いお風呂に浸かると頭が冴えるので、就寝2時間前には入浴を済ませるようにする 夜の入浴は温めの温度で
眠れない、早く目が覚めてしまう
暑くなるといつもより早く目が覚めてしまい、睡眠不足を感じる人も少なくありません。
睡眠時間は一定ではなく、昼夜の長さと密接に関係しています。昼の時間が長い季節は、早く目が覚めても心配はないのです。
体内時計は日の長さで睡眠時間を調整
体内時計は日中に活動できる時間、日の長さによって、睡眠時間を自然に調整しています。
夏至は1年のうちで一番日が長くなる日ですが、睡眠時間が一番短い日でもあります。冬至が一番長い睡眠時間となります。その差は一般的に30分!
スッキリ目が覚めれば問題なし
良く「◯歳は△時間」と言った年齢別に必要な睡眠時間が報告されていますが、あくまでも一般的な人の平均の数値です。
25歳だから7時間眠らなければいけない、ということはありません。自然にスッキリと目が覚めたなら、朝が早くてもそのまま起きて問題はありません。
特に高齢者の場合、睡眠時間の長さにあまりこだわらないほうが良いでしょう。恒例になればなるほど、脳が必要とする睡眠時間は短くなります。
しかし、日常の活動量が減ってくるため、寝床に入っている時間が長くなりがちで、「眠れない」と感じてしまいます。
加齢とともに早寝早起きになっていきますが、男性は女性よりもその変化が顕著に現れやすい。
眠れないことを悩まない
睡眠時間は季節や年齢、性別によっても変化があり、いつも同じというわけではないことを理解することが大切。
自然に眠れるだけ寝れば良いのです。また、眠れないことをあまり神経質に捉えないことです。
- 夏になれば睡眠時間が短くなるのは当たり前
- トシを取れば朝早く目が覚める用になるのは当たり前
と考えるようにすることが大切です。
無理に寝ようとしない
眠れなければいったん起きてテレビをみたり、本を読んだりしましょう。
朝早く目が覚めたら、起きて活動をはじめましょう
無理に寝ようとすると、ストレスとなってしまいます。
不眠症の可能性をチェック
暑くて眠れない場合の多くは、寝付きを良くする8つのコツを行ったり、無理をして眠ることはない、と考え気持ちを切り替えて対処することで、快眠を得ることが出来ます。
しかし、以下の項目に当てはまる場合、不眠症の可能性があります。一度かかりつけ医に相談することをおすすめします。
不眠症チェック
- 夜、寝床に入っているのに寝付けない
- 夜中に目が覚める
- 朝早く目が覚める
などの問題があってツライ
- 眠れないため、日中に疲れを感じる
- 夜、眠れるだろうかと不安になる
不眠症とは、眠れずにつらいというだけでなく、日中に疲労感があったり、集中力がないなど、日常生活に影響を及ぼす病気です。
不眠症が長く続くと、健康上も様々な問題が起こる可能性があります。
不眠症が引き起こす病気
不眠症があると発症しやすいのは
- 高血圧
- 糖尿病
- うつ病
が知られています。また、食欲が高まることで
- 肥満
になる傾向もあります。
睡眠不足で注意力が低下し、事故にある危険性が増すことも見逃せません。
医師に相談し、適切な治療を
眠れなかったらどうしよう、という不安感が強い場合は、精神科や心療内科の受診をおすすめします。
睡眠に問題があることで、乱れた日中の調子を改善するのが治療の目的です。
眠くなるメカニズム
人間は哺乳動物で体温が一定の恒温動物。脳と体を休息させ無くてはならない夜の睡眠時間になると、手足が暖かくなるのは、まず手足の表面から熱を逃し、体内の熱を下げていくためです。
深い睡眠になるに従って寝汗をかき、さらに体内の熱を逃します。
体内の体温は、通常37.5℃位ありますが、これが36.9℃以下に下がると眠くなります。同時に脈拍数や血圧も下がることで深い眠りに入り、脳と体を休めています。
変温動物と恒温動物
爬虫類や両生類などは、気温と連動して体温が変わる変温動物です。気温が下がると体温も下がり、自然に活動ができなくなります。
人間は恒温動物なので、気温が下がっても体温を維持できるので、寒くても十分に活動出来ます。
しかし、活動しっぱなしでは休息することが出来ません。そのため、夜になると脳と体を休息させる時間を作っています。
睡眠時間になると、体内の熱を逃し、体温を下げる必要があるのです。
寝つきがわるい理由
暑いと寝つきが悪くなるのは、手足の皮膚からうまく熱が逃げず、眠気が起こる温度まで深部体温を下げるのがむずかしくなり、なかなか寝付けないことになります。湿度が高くても熱は逃げにくい。
冬にも寝つきが悪いこともありますが、寒いと手足の末梢血管が収縮して、熱の放散がうまく出来ずに深部体温が下がりにくくなるのが、一つの原因です。
まとめ~寝付きが悪いとき、無理に寝ようとしないのもコツ
暑くて体が疲れやすい季節、夜ぐっすりと眠って脳とからだの疲れをリセットするために、眠れない時の対処法です。
快適に寝つけるようにするコツもありますが、生活に支障がなければ無理に寝ようとしないことも、ポイントです。
自然に眠れるだけ眠り、眠れない、という不安が強かったりで不眠症が疑われる場合は、医師に相談しましょう。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ