寝付けない辛さ、不眠は多くの人が経験します。病気が原因で起こるものもありますが、生活習慣やストレスが原因の場合も多いです。良いと思っている習慣が、不眠をかえって悪化させている場合もあるので、確認してみましょう。
不眠症とは
生活習慣や精神的なストレスが原因で慢性的に続く不眠を不眠症と言います。睡眠不足は不眠症には含まれません。
睡眠不足は、仕事で忙しいなどで睡眠時間を確保できず、調子が悪い状態のことです。
様々な病気が不眠症の原因となりますが、気づきにくい病気には「睡眠時無呼吸症候群」「むずむず脚症候群」などがあります。見逃されやすいので注意が必要です。
生活習慣が不眠の原因になることは、よく知られていることであり、今更感もあると思いますが、不眠を招く10の生活習慣のなかには、「え、これいけないの!」と思うようなこともあります。
例えば「早寝早起きが大切」、というのは本当でしょうか。良いと思って行っていることが、かえって不眠症を悪化させている場合もあるのです。
不眠と生活習慣病の悪循環
不眠の影に何らかの病気が隠れている場合には、その病気に対する治療が必要です。
生活習慣に問題がある場合は、生活習慣や睡眠に対する考え方を見直して改善したり、うまく睡眠薬を用いたりして対処します。
不眠と生活習慣病は深く関係しています。
- 不眠があると糖尿病、高血圧などの生活習慣病が起こりやすいということがわかってきました。
- 生活習慣病があると、不眠が起こりやすいとも言われています。
生活習慣病の発症や悪化を予防するためにも、不眠症を治療し、不眠と生活習慣病の悪循環が起こらないようにすることが大切です。
生活習慣をチェック!
さて、本題です。不眠の改善に良かれと思って行っている習慣が、実はかえって不眠を悪化させているかもしれない、という事実。睡眠に関する常識、非常識は不眠に悩む環境によっても異なってきます。
以下でお伝えする生活習慣は、目新しいものではなく、一般的に言われていることですが、不眠に悩んでいる場合、改めて考えてみることも改善のきっかけとなるはずです。
例えば、「早寝早起き」は健康に良いとされますが、眠くないのに無理に早く寝ようとしても、眠れません。眠れずにモンモンとしていることがかえって不眠を悪化させているのです。
- 睡眠に関する固定観念をすてる
- 布団に入るのが早すぎる
- 目が覚めても起きる時間になるまで起きない
- 長い昼寝
- 寝だめ
- 熱いお風呂に入る
- 寝る前の運動
- 寝酒
- 夜中に喫煙や嗜好品をとる
- 合わないリラックス法
不眠を招く10の生活習慣
まず、睡眠に対する固定観念を捨てることが重要。多くの人は、睡眠は8時間必要、できれば午後10時前には寝た方が良い、などと思っているようですが、人間は疲労回復などのために体が必要とする時間より、長く眠ることはできません。
また、必要な時間は個人差があります。睡眠の質によっても変わってきます。
ある研究では、年代が上がるにつれて実際に眠った時間は短くなり、40代以降は7時間以下になっています。これに対し、布団の中にいる時間は50代、60代と年代が上がるにつれて長くなっていきます。
眠れる時間より長く寝床にいると、眠れない時間が長くなり、不眠が起こりやすくなります。
布団に入るのが早すぎる
睡眠は体内時計の働きが大きく関係しています。朝起きて陽の光を浴びてから、薬15時間たつと、眠くなることがわかっています。
早寝早起きは確かに健康によいですが、まだ眠くないのに布団に入っても、なかなか寝付くことはできません。
眠りたいのに眠れない、ということを繰り返すと、今夜も眠れないのではないかと言う不安が起こってきます。すると不眠恐怖症(布団に入ると不安で目が冴えてねつけなくなる)の状態になりかねません。
眠くならなければ眠れません。眠くないのに早めに布団に入るのはかえって良くありません。
目が覚めても起きる時間になるまで起きない
逆に、朝は遅くまで布団の中でダラダラと過ごしていると、夜眠くなる時間が遅くなります。
例えば5時に目が覚めてしまって、睡眠時間がたりないからと、そのまま布団の中にいるのではなく、一定の時間に起きて日の光を浴び、1日の活動を開始するようにします。
長い昼寝
昼寝には午後の活動を活発にする役割もありますが、たっぷり寝たほうが良いということはありません。
長い時間昼寝をすると、その分夜寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなって夜に眠れる時間が短くなったり、睡眠の質が低下します。
昼寝をする場合は、午後3時くらいまでに10~30分程度にしましょう。
休日に寝だめ
寝だめはできません。不眠に備え、寝だめをしておこうと休日に起きる時間を遅くする人がいますが、長く寝ることは、それまでの睡眠不足を補うことにはなるかもしれませんが、寝だめにはなりません。
遅くまで寝ていると体内時計が遅れて、夜の寝つきが悪くなり、休日明けの朝に起きるのが辛くなるだけです。
休日もいつもと同じぐらいの時間に起き、睡眠不足は適度な昼寝で補うようにしましょう。
熱いお風呂に入る・寝る前の運動
寝る直前に熱いお風呂に入ったり、激しい運動をすると、交感神経の働きが活発になり、寝つきが悪くなります。
お湯の温度は、睡眠だけでなく血圧などにも影響しますので、温めがオススメです。又、寝る前の運動は、軽いストレッチなどにしましょう。
寝酒
眠れないから、よく寝たいから、とお酒を飲むのは、実際には逆効果です。アルコール飲料は寝付きは早くなりますが、その後眠りが浅くなり、夜中に目が冷めやすくなります。
また利尿作用があり、トイレに行きたくなって目がさめることもあります。飲酒後に寝て2~3時間後に目がさめるような場合は、飲酒の影響が疑われます。
眠れないからと飲むお酒は、だんだん効き目が無くなり量がふえていくことも多いので良くありません。
夜中に喫煙や嗜好品をとる
夜中に目が覚めると、リラックスしようとしてたばこを吸う人や、ココアなどを飲む人がいます。
しかし、たばこに含まれるニコチンや、お茶やココア、チョコレートなどに含まれるカフェインは、覚醒作用があるので、逆に不眠を助長します。
合わないリラックス法
音楽、香り、照明など、不眠の解消に効果的とされるリラックス法には様々な方法があります。しかし、あなたにあったリラックス法でなければ逆効果になることも。
一般的に良いとされていたり、友人に効果があったからと行って、あなたにもあっているとは限りません。
あなたがリラックスできるかどうかを重視して、自分にあった方法を選びましょう。
気づきにくい病気、睡眠時無呼吸症候群と、ムズムズ脚症候群についてはこちらで。
その他睡眠に関する主な過去エントリです。
まとめ~快眠を目指すには
一般的に不眠解消に良い生活習慣、とされているものでもあなたには合わないことも少なくありません。
早寝早起きにこだわらず、一定の時間に起きる、眠くなってから布団に入る、など不眠を招く生活習慣からぬけだし、心地よい睡眠を手に入れましょう。
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