看護師を辞めたい理由の中には、「男性との出会いのチャンスが少ない」ということも少なからず有る。そこを考えて産業看護師に転職するのも、一つの選択肢。
看護師を辞めたいと思う理由
今の職場に給料や労働環境の不満があったり、人間関係の悩みなどで、看護師を辞めたい、もっと給料が高い病院、労働環境が良いところ、と転職を繰り返す看護師も少なくありません。
一方、交際相手として男性との出会いが少ないのも事実です。婚活や合コンで看護師さんグループが多いのは、その現れでしょう。
看護師を辞めたいと思った時、転職先を病院だけで考えていませんか。同期の看護師の結婚がきっかけとなり、産業看護師に転職した看護師がいます。
出会いを求めての転職
今の職場には不満はない。給料はいいし、待遇もいい。先輩やスタッフとの人間関係も良好。
患者さんも感じのよい人ばかり(笑)ただひとつの問題点は、個人病院なので医師やスタッフの入れ替わりはほとんどなく、出会う男性といえば患者さんだけ…
結婚を考えると「今の職場は辞めたい。もっと出会いが欲しい。」という気持ちが日増しに強くなり、彼女が選んだ転職先は、企業勤務の看護師です。企業看護師、産業看護師と呼ばれます。
転機は合コン
彼女の転機は、看護師グループで参加した合コンで、やってきました。合コンの場所はなぜか新橋。安くて美味しいお店も多いですが、一歩間違えると大変なことに(笑)
当時の勤務先の最寄り駅は新橋で、大きな病院も有りますが、会社帰りのサラリーマンがちょっと寄っていくようなお店が多い。
SL広場は深夜にはある種の人たちが多くなるし、昔の新宿歌舞伎町のような場所もあり、夜勤の時などは一人で歩くのは怖い場所。
白衣の天使には白馬の王子さま
実際はこんな乙女チックな出会いではなかったようですが…
合コンに参加した理由を聞かれ、「今の職場には出会いが無いから」と答えた彼女に
「え、近々ウチの会社で、健康管理室の看護師を募集するみたいだよ。詳しい話を聞いてみようか?」
と声をかけてくれた男性がいました。なんとか「彼女をモノにしたい」という下心もあったようで、一生懸命会社とのパイプを作ってくれたそうです。
その後夜勤の日は、新橋は「危ないから」と通勤に付き添ってくれたりしたのだとか。
口利きで決まることも多い企業看護師
新橋での合コンがきっかけで産業看護師に転職成功、さらに転職した企業の社員と結婚が決まり、退職することになりました。(ちなみに合コンのカレではないそうで。)
「風が拭けば桶屋が儲かる」ではありませんが、今度は彼女の同期の看護師に声がかかったのです。
もともと彼女も、前任者の結婚退職がきっかけで、転職が決まりました。そしてまた、今度は彼女の結婚退職で、後輩の転職が決まりそうです。
「次は私の番!」と後輩は、早くもバラ色の未来を今から思い描いているらしい…
産業看護師に転職するコツ
看護師同士、社員同士の口利きで、転職先が決まることも少なくありません。特に企業看護師の場合は、非公開求人が多く、さらに求人に情報が流れる前に、決まってしまうことも多いようです。
転職を考えている場合、看護師転職サイト、求人サイト、ハローワークなどの人材バンクの情報だけでなく、こういった繋がりも大事にすることが転職成功の鍵といえます。
キャリアとしての企業看護師
看護師の仕事をキャリアデザインの観点で考えると、代表的なキャリアは8つ有ります。
そのうちのひとつである企業での勤務、産業看護師についてどんな仕事か簡単にご紹介します。転職を考える時の選択肢の一つとして考えておきましょう。
産業看護師の仕事
企業でも看護師が活躍する場はとても多い。企業内の健康管理質や診療所で社員の健康管理者として、健康診断のお知らせや二次検査の案内などを行ない、社員が安全に業務を遂行できるよう、健康面でのサポート全般を行う仕事です。
外資系医療企業だと、医療材料の説明を語学力、医療知識を活かしてクライアントに説明する仕事をする看護師もいます。
健康診断は一大イベント
健康管理の仕事は、職員の健康診断を実施したり、その結果を管理すること。
健康診断は職員の数が多いと何日もかけて、部所を振り分けての一大イベントとなります。外部の健康診断専門会社に依頼することも多いです。
保健室的な役割も
近年は「企業うつ」も多くなっています。メンタルヘルスや過重労働の問題が多い傾向です。
メンタルに不調がある社員の相談にのり、必要に応じて総務や人事への働きかけをすることも有ります。
- メタボなどの生活習慣病予防のための保健指導
- 車内でのケガや病気の応急処置
- 健康増進のためのスポーツ大会などの企画・運営
企業における看護師の役割
企業の健康管理質や診療所は利益を生み出さない非生産部門です。健康管理質、診療所の受信者が増えても利益が上がるわけではありません。
すべての社員に健康的に勤務してもらうことを考えること、つまり非生産部門がいかに採算部門の方を支えることが出来るかが、産業看護師の大きな役割だと考えます。
非生産部門は、社員が安心して仕事に専念出来るような環境を、作り出す役割を持っています。
企業の役割分担は細分化されており、美味しくて健康的な食事は食堂の職員、家計簿のような財務的なことは総務や人事、そして看護師は、健康面に注意してサポートすることを考えます。
病院勤務との違い
病院勤務から企業勤務に転職すると、まず戸惑うのはルールの違いや雰囲気の違い。
まず、時間の流れが違う。病院ではとにかくそこにたどり着いたら、バタバタと白衣に着替え、仕事が始まる、と言う独特の雰囲気があります。
それが企業勤務では、多くのビジネスマンと同じように電車に乗り、会社に到着すると社員証を提示して中に入り、重厚な雰囲気が始まります。
ルールを覚え、雰囲気に慣れる
シーツ交換、選択の仕方や検査など至ることに独自のルールがあり、病院でのルールとは違うことを感じる。
採血や点滴は医療材料が違うだけで、使い勝手さえ分かれば問題はありませんから、ルールを一通り覚えてしまえば支障はありません。
しかし、時間の流れというか、独特の雰囲気、丁寧な言葉づかいや落ち着いた対応、は病院とはかけ離れたもので病院勤務が長いと、慣れるまで戸惑うことも多い。
例えば電話応対でも、受話器を取ったら最初に「お世話になっております。健康管理室の◯◯です」を言うと言った暗黙の了解があります。
看護師にとってのキャリアデザインとは
キャリアデザインとは、単に看護師としての職歴や経歴のみならず、仕事に対する意識や姿勢、仕事を通して達成可能な生活などを含めたライフプランの一部。
看護師の仕事を専門職業としての意識や専門能力の向上。社会的使命、役割意識などを含めた部分がキャリアデザインです。
辞めたいと思った時の選択肢はふたつ
看護師を辞めたいと思う理由にもよりますが、看護師自体を辞める、他の職場に転職(部署の異動も含む)の2通りの選択肢が有ります。
看護師の仕事自体をやめてしまう人もいますが、多くの場合は転職。
転職は目的を明確にする
慢性的な看護師不足で、現在看護師は売り手市場。多くの病院が看護師の獲得に躍起になっているので、看護師の転職は他の職種よりも多い。
しかし、いくら転職が容易だからと言って、単に今の職場への不満だけで辞めていては、同じことの繰り返しになる可能性が高い。
看護師を辞めたいと思った時に、キチンとしたキャリアデザインを考えることも大切です。
看護師求人の情報は、今回のような口コミ、紹介も意外と多いですが、ハローワーク、人材紹介会社、eナースセンターなどの求人から自分に有った情報を探して応募する、という流れが一般的です。
看護師転職サイトを利用して、転職に成功したAさんのコトの顛末は、「看護師を辞めたい時に転職を考えたら~看護師が転職で成功するコツ」でご紹介しています。こんなこともあるんだなあ、と是非参考にしてみてください。
まとめ~転職で解決することも
看護師を辞めたい、には今の環境に不満がある場合が多い。転職で解決することも有りますが、不満の原因をあきらかにし、その解決策も考えた上で転職を決意して欲しい。
安易な転職は、何の解決にもなりません。看護師の仕事について、はっきりとしたキャリアデザインを考えることが重要です。
どこにいても看護はあります。目先の仕事をこなしているだけでは何も生み出しません。
病気になってからの受診が多いのが病院ですが、企業での勤務では、病気にならないためにどうするか、という予防医学の分野にも関わることも可能です。
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