健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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ためらわずに相談!こどもの発達しょうがい特徴と原因

子供に発達しょうがいが疑われる行動が見られた場合は、専門機関に相談することをおすすめします。必要な支援を受けられずにいると、将来的に社会生活への適応が困難になってしまう可能性があります。

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専門機関にためらわず相談

自分の子供に気になる行動が見られても、「しつけが悪いのかも」「はっきり診断されたくない」などと思ってしまうかもしれません。

しかし、発達しょうがいのある子供は、支援を受けずにいると社会生活での失敗を繰り返し、自信を失って自尊感情も育ちにくくなります。

子供の発達しょうがいの特徴と原因について以下で理解を深め、特徴的な行動が見られる場合は、早めに専門機関に相談することが重要です。

 

発達しょうがいへの対応

子供に発達しょうがいが疑われる行動がみられた場合の相談先には、以下の様な専門期間があります。

また、子供の困難を軽減する対応方法には、環境づくり、療育、薬物療法などがあります。

 

相談窓口

地方自治体や専門医があります。

【地方自治体】

  • 保健センター
  • 子育て支援センター
  • 児童相談センター
  • 児童発達支援センター

など

【専門医】

  • 小児神経科
  • 小児精神・神経科
  • 児童精神科

確定診断のためには、これらの発達しょうがいの専門医の受診が必要です。可能であれば、小児神経専門医や日本児童青年精神医学会認定医、を受診することが勧められます。

※以下のサイトで専門医、認定医が調べられます。

日本児童青年精神医学会 認定医

小児神経専門医のいる全国の病院・施設

 

発達しょうがいの特徴

発達しょうがいがある子供には、特徴的な行動が見られます。

しかし、周囲になじめない、じっとしていられない、読み書きが苦手などの行動が有っても、必ずしも発達しょうがいというわけではありません。

しつけなどの問題の場合もあるからです。

特徴的な行動の程度が強かったり、頻度が高い場合、そのために本人が困難を感じ、日常生活に支障をきたしている場合に発達しょうがいと診断されます。

発達しょうがいは

  • 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)
  • 注意欠陥多動性しょうがい)(ADHD)
  • 学習障害(LD)

の3つのタイプに分けられそれぞれ特徴が異なります。

 

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)の特徴

広汎性発達生涯の種類と特徴

   自閉症  高機能
 自閉症 
アスペルガー
症候群
社会性のしょうがい  +   +   +
言葉の遅れ  +   +   -
知的障害  +   -   -
こだわり  +   +   +

※プラスの数が多いほど特徴の程度が強く、マイナスの場合、その特徴はほとんどない

主に3つの種類に分けられます。いずれも「社会性のしょうがい」があり、他人の意図を十分に理解することができません。

  • 特定のものへのこだわり
  • 言葉の遅れ
  • 知的しょうがい

などを伴う場合もあります。

 

【自閉症】

知的しょうがいを伴うのが特徴で約8割の子供に見られます。社会性の障害も大きく、

  • 言葉の遅れ
  • 特定のものへのこだわり

も見られ、言葉の遅れをきっかけに気づくことが多い。

 

【高機能自閉症】

自閉症と似た特徴がありますが、知的障害は伴いません。言葉の遅れが発見のきっかけになりますが、多くの場合、言葉の遅れは徐々に改善します。

 

【アスペルガー症候群】

言葉の遅れや知的障害が無いのが特徴です。そのため言葉の遅れのある自閉症や高機能自閉症より、気づきにくい傾向があります。

 

注意欠陥多動性しょうがい)(ADHD)

主に注意力不足と落ち着きの無さや、衝動的な言動の2つの特徴があります。感情をコントロールしたり、集中したりするための機能が、うまく働かないためと考えられます。

 

【注意力不足】

  • 物忘れが多い
  • 気が散る
  • 片付けができない
  • 集中できない など

 

【落ち着きが無い、衝動的な言動】

  • 授業中に立ち歩く
  • おしゃべりが止まらない
  • すぐにカッとなる など

こうした行動のために、学校などでの社会生活に困難が生じることもあります。

 

学習しょうがい(LD)

知的しょうがいや社会性のしょうがいはありませんが、文字の読み書きや計算などが極端に苦手です。

そのため、努力が足りないなどと誤解されることが少なくありません。言葉や文字の理解などに関わる機能が、うまく働かないためと考えられています。

 

発達しょうがいの原因

発達しょうがいは、脳をコントロールする機能が、うまく働かないために起こると考えられています。脳には、「見る」「聞く」「運動する」と言った基本的な行動を司る機能があります。

実行機能、社会認知機能、言語機能など様々な脳の機能が組み合わさって働いて、目や耳から入った情報を整理。最終的には目的を持った行動を行います。

どの機能がうまく働かないかにより、現れる行動は異なります。

 

脳の機能

【実行機能】

  • 自分の感情をコントロールする
  • 物事に集中する
  • 自分の行動を省みる

などの働きがあります。

 

【社会認知機能】

  • 他人の表情や視線から意図を理解する

 

【言語機能】

  • 文字を読んだり話したりする

様々な状況に応じ、これらの機能が組み合わさって働くことで、社会生活をスムーズに送ることができます。

 

遺伝的要因

従来、発達しょうがいは親の育て方や教育が原因であると言われることがありましたが、現在は遺伝的要因が関係していることがわかっています。

発達しょうがいがある子供は、生まれつき脳の機能がうまく働かず、発症の原因となっているのです。

 

必要な支援を受ける

子供の発達しょうがいは一般的な病気とは異なり、個性や性格に近いものと捉えられています。

自分の感情をコントロールしたり、その場の雰囲気や他人の意図を理解するのが難しい。幼稚園や保育園、学校などの社会生活で困難が生じることがあります。

 

1クラスに2~3人

文部科学省のデータによると、通常学級には発達しょうがいの疑いがあるとされる子供は、40人学級で1クラスに2~3人いることになります。

そのうち約4割が必要な支援を受けられていないことがわかっています。

適切な支援を受けずにいると、社会生活での失敗を繰り返し、成功体験を積み上げていくことができません。自信を失ったり自尊感情も育ちにくくなります。

 

社会生活への適応困難に

適切な支援を受けられない状態が続くと、将来的に社会生活への適応が困難な状態になってしまいます。

子供特徴的な行動に親が早く気づき、専門機関に相談することが大切です。

 

まとめ~発達障害はためらわずに相談を

脳の機能がうまく働かず、感情のコントロールや目的を持った行動を取ることができないと、社会生活にうまく対応することができません。

発達しょうがいの特徴を理解し、早めに特徴的な行動に気づいて専門医に相談することが重要です。

家庭や学校での発達障害の対応はこちらも参考にどうぞ。

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