健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

介護をする側、される側、認知症の対処を楽にするためのコツ

認知症の家族の介護に疲れ、痛ましい事件などが報じられることも少なくありません。介護者の負担を減らすことは患者さんにとっても、生活の質の低下を防ぐことにつながります。認知症と正しく向き合うための工夫や接し方をお伝えします。

f:id:lady-jhones:20161109232740p:plain

生活の工夫、周囲のフォローが大事

普段の生活に支障がある段階では、ちょっとした工夫で患者さん、介護者の負担は軽くなります。生活環境の調整や改善、患者さんができないことは周囲がフォローすることなどで対応します。

 

生活の質を下げないためのポイント

認知症の患者さんは、心の中が不安で満ちています。そんなときに、「どこに行ったか覚えている?」など、患者さんを試すような事を言うと、ストレスが増し、ますます不安に。

周りの人が病気を理解し、困ったときにはSOSを出せるよう先回りして対応するなど、ストレスを減らし、患者さんに無理をさせないことが大切です。

認知症の患者さんが生活の質を下げずに生活をするためには

  • 適度な運動
  • 生活の工夫
  • 周囲の人の接し方

 

生活の工夫

認知症の患者さんが不安なく暮らせるようにするためには、周囲の人が生活環境の調整や改善を図ることが大切です。例えば日付や場所を明示する、薬の飲み忘れの予防などです。

 

日付を明示する 

患者さんからよく見えるところに、今日の日付をはっきり分かるように明示します。

 

場所を明示する 

例えば、夜トイレに行きやすいように、トイレの電気をつけっぱなしにし、ドアを開けておくなどして、場所を認識しやすくしておきます。場所を示すプレートのようなものを目立つ場所に着けるのもよいでしょう。

 

薬の飲み忘れの予防 

1回分ずつの薬を言える袋がついたおくすりカレンダー(100均で売っています)や、1回分ずつ区切られた薬箱などを利用するとわかりやすいです。

ただし、今日が「何月何日」かわからない患者さんもいるので、本人の状態にあわせて、周囲が手助けすることも大切。手助けが得られない場合は、薬を使わないと言う選択もあります。

 

周囲の人の接し方~良い例、悪い例

外出前

 

出かけましょう
着替えましょう

 

着替えてから出かけましょう

 

ポイント 一度に一つ、短く簡潔に

 

料理中

 

次は塩をいれるんですね

 

次は何をするのかな

 

散歩中

 

その角を右に曲がるとおうちだよね

 

その角をどっちに曲がるの

 

ポイント 先回りしてサポートする

 

認知症の患者さんは、自信を無くしていたり、大きな不安を抱いたりしているものなので、そのような気持ちを軽減するように接することが大事です。

特に会話は、本人の状態に理解を示し、無理のないコミュニケーションを図るようにします。具体的には上の例に挙げたようなことに気を付けます。それぞれについて、もう少し説明しましょう。

 

周囲の人の接し方のポイント

笑顔でゆっくり話す 

話の内容がよく理解できなくても、相手が笑顔だと患者さんは安心し、楽しいと感じやすくなります。

 

短く、簡潔に話す 

同時に2つ以上のことを言わないようにします。例えば「着替えて出かける」は「着替える」「でかける」と一つずつ分けて簡潔に話すと理解しやすくなります。

 

先回りして言う 

例えば、料理をしていて手順を忘れた場合など、次の手順を先回りして言ってあげると、患者さんは迷わず、スムーズに行動できます。

 

できないことや失敗を非難しない 

患者さん自身ができないことや失敗に傷ついています。「なんでできないの」など追い打ちをかけるように非難せず、失敗を一緒に笑い飛ばしたり、失敗しないで済むようにフォローするようにしましょう。

 

引きこもりの対処

一日中家の中で何をするでもなく過ごす患者さんもいます。なぜ外出や趣味などを辞めたのかを考え、再び外出できるようにフォローする方法を考えてみましょう。

散歩が好きだったひとが外出しなくなったのは、家の場所がわからなくなってしまったことが何度か起き、不安になったことからでした。

家族や知り合いの方と一緒に出かけることで安心して散歩が再びできるようになりました。

周囲の人が認知症とはどのような病気なのかを理解し、患者さんの心理的な不安を減らすことが大切です。大切なのは、介護者が「介護は家族の義務」「正しい介護をしよう」などと力んで無理をしないこと。

介護者も無理なく、心身共に苦痛のない生活や余裕のある生活を続けられるようにしてください。大変な場合は、担当医や行政などに相談し、受けられるサービスがないか検討することも必要です。

 

まとめ~患者も介護者も無理をせず向き合う

患者さんも介護者も無理をせずに病気と向き合って、患者さんの負担を減らす生活環境の調整や改善、また、患者さんができないことは、周りがフォローするなどして、生活の質を高めるように工夫することが大切です。

「Anのひとりごと」~今日も1ページ