薬には必ず副作用があるものです。いい加減な飲み方、つきあい方をしていると重大な事態を引き起こす可能性もある。原因不明の不調が、薬の副作用だったということもよくあるのです。副作用を恐れずに病気からの回復を目指す、薬と上手に付き合う方法です。
薬の副作用と飲み方
薬について、効果や飲む理由、飲み方、副作用などの説明を、きちんと理解しているかというと、なんとなく、とか処方されたから、と飲んでいるだけのことが多い。
その結果、間違った飲み方をしたり、副作用に苦しんだりする可能性もあります。
薬の副作用の症状を理解すると、きちんと指示通りに飲まないといけない理由もはっきりします。
薬の副作用
副作用は一般的に「薬を飲んだことにより起きる、身体に起こる悪い変化」と認識されています。では、実際にはどんな症状かというと、あやふやな部分が多いもの。
味がわからなくなる、気力がなくなると言った、一見薬の作用とは関係ない副作用が現れることも。副作用は思いがけないところに出てくるものです。
主な副作用の症状
あらわれる場所 | 症状 |
---|---|
循環器系 | 胸の痛み、ドキドキ、苦しい 心臓の音が大きく感じる、 脈が速くなる・遅くなる 顔が赤くなる 体がほてる、熱い 耳鳴り、足がむくむ 頭が重い、痛い 肩がこる 立ち上がるとふらつく、など |
神経系 | 頭痛、めまい、ふらふら感 うまく歩けない、回っている感じ 手足がしびれる、眠気 気力がない、不安 意欲に欠ける 声や首がしびれる感じ 寝ている間に無意識に歩き回る |
消化器系 | ゲップ、が出る、おなかがはる、痛い、 むかむかする、胸やけ、 |
呼吸器系 | 空咳がでる、息切れ、 胸の痛み、息が苦しいなど |
腎臓・肝臓・血液系 ~への影響 |
かゆみ、のどの痛み、口内炎 あおあざ、だるい、疲れやすい 皮膚や白目が黄色くなる、 顔やまぶたの裏が白っぽい 出血しやすい(鼻血、歯茎の出血)など |
アレルギー症状 | かゆみ、発疹、じんましん、 顔・首などに公の当たる部分に 発疹や水ぶくれができる 息が苦しい ものが呑み込みにくくなる |
その他のさまざまン症状 | 歯茎がはれる、出血しやすい 目がかすむ、ものの形が見えにくい 目が腫れぼったい 耳が聞こえにくい、手足が震える 筋肉の痛み、しわがれ声 変な味がする、味がわからない 体の力が抜けてしまうなど |
このような症状や、薬を飲んだあとで、明らかにいつもと違うと感じる症状がでたら、すぐに病院へ行きましょう。なんだかおかしいな、と思うくらいなら電話などで医師に相談しましょう。#7119でも良いですね。
医師に薬の飲み方を聞くのは患者の権利
医師は忙しく、なかなか質問しづらいこともあるでしょう。雰囲気で良く分かっていなくても、「わかりました」と言って診察室をでてしまうことも多い。
予め質問することをメモにしておけば、テキパキと聞くこともでき、応えてもらいやすいものです。
基本的に患者には、薬や治療内容についての説明を受ける権利があります。
5項目の質問、メモを忘れず
- この薬はなんという名前ですか
- どんな効果がありますか
- 私が飲むのは何のためですか
- 飲まなかった場合どうなりますか、例えば半年後、一年後の影響は?
- 薬の副作用はどんなものがあり、危険な症状はどんなもので、でても大丈夫な症状は?
薬と上手に付き合う方法
副作用を出来るだけ少なくする薬とのつきあい方は、2つのことに注意すれば良いだけです。
大前提として、自分の薬は自分だけが使うこと!同じ症状だから、と他人に分けてはいけません。
処方薬
- 医師の指示通りの量・回数で飲む(使う)
- 自分の判断で止めない
市販薬
- 症状が消えた、又は飲んでも効果がない場合はすぐやめる
- 妊娠中、授乳期間中、又は処方薬を飲んでいるときは、飲む前に医師や薬剤師に相談する
どちらも当たり前のことですが、結構いい加減な飲み方をしている方も多い。例えば、処方薬について、薬辞典で見たら、コワイ薬だったので量を減らした、とか頭痛持ちなので、毎日市販の頭痛薬を飲んでいる。とか。
つきあい方は単純ですが、守るのは意外と難しいものです。
前述しましたが、薬は「人に上げない、もらわない」を厳守です!
薬をのむ危険・飲まない危険
- 処方薬は勝手に飲むのを止めない
- 市販薬はいつまでも飲み続けない
処方薬は勝手に飲むのを止めないことが重要。医師が処方する薬は、効果についても副作用についてもきちんと考えていますが、市販薬はそうではないので、いつまでも飲み続けてはいけません。
いつ飲むの?薬の飲み方
食前、食後、食間とは。具体的には食前、食後は食事前や食事後の「30分以内」に飲むということです。薬は吸収されにくいので、胃腸が最も吸収しやすい状態の食前、胃を荒らす薬などは食後に、という理由からです。
良く勘違いされるのが「食間」これは食事中ではなく、食事後2時間が目安です。食間とされる薬は、空腹時の胃の粘膜を保護する薬や、特に吸収されにくい薬です。
「時間ごと」は、抗生物質や喘息に多く、食事とは関係なく◯時間おきに飲む、眠前(寝る直前)とか「医師の指示通り」という場合もあります。
薬の飲み合わせ
複数の薬を処方されることも多いですが、体内での相互作用で効き目が強くなったり、別の物質ができて身体に悪影響を与える可能性もあります。
薬の種類がふえるほど、悪影響の確率は高くなるので、複数の薬を飲むときは、飲み合わせに注意しなければいけません。
お薬手帳は、自分が飲んでいる薬がわかるので、医師に情報を提供することができ、新しく薬を処方するときには、飲み合わせの危険が少なくなるように処方してもらえます。
薬を飲む時の注意点
薬をのむときに、お茶はいけないと言われますが、普通のお茶なら大抵は大丈夫です。問題なのは、薬だけを飲み込もうとすること。
これは食堂の途中でくっついて潰瘍を起こすことがあるので、やってはいけません。白湯や水、お茶でも少し多めに飲みましょう。
アルコールは薬によって効き目が強まったり、弱まったりするので、一緒に飲まないようにします。
ジュースや牛乳などは、酸やカルシウムなどが薬と相互作用を起こして変質し、副作用につながることがあるので、基本的には避けましょう。
薬をもらう間隔と有効期間
病院で薬をもらう間隔は薬によって違います。同じ成分でも新しくでたばかりの薬だと、副作用を警戒して間隔が短くなります。
医師と相談して、必要な薬を出してもらいます。
有効期間は原則として、飲むように支持された期間内。湿気や直射日光を避けて保存します。インスリンや目薬などの液剤は冷凍庫で保存します。凍結は避けます。
市販薬の場合は、容器の有効期間内で。表示が無いものは概ね3年をめどにします。
まとめ ~薬は上手に付き合って
副作用は「最小限にとどめる」ことが可能です。「薬に副作用はつきもの」とあきらめず、医師や薬剤師に相談して、不愉快な副作用症状を改善してもらいましょう。
飲み方、使い方の注意などもわかるまで説明を聞くことが大切。
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