健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

病気にならない薬!当たり前が一番難しい~食品と病気の関係を考える

からだが必要としているものを、毎日の食事で摂る。当たり前のことですが、これが病気にならないための一番の薬です。しかし、その当たり前のことが難しい。今回は食品と病気の関係について、ちょっと硬いお話です。

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病気にならない薬

そんな薬があるわけない、と思いますよね。あったら誰も病気になりません。医師や看護師は仕事がなくなってしまいます(笑)。でも、あるんですよ。それが食べ物です。

例えば、ちょっとしたいいものを食べ続けている人と、ちょっと害のあるものを食べ続けている人では、毎日の差はほとんどみえません。しかし長い間には健康を左右するほどの差となってくるのです。

食べ物は、体を健康にもするし、病気にもする力を持っています。病気になったときの薬は強い味方ですが、本当に必要なのは病気を治す薬ではなく、病気にならないようにする薬、つまり食べ物です。

しかし、当たり前の生活をすることが困難と言える現代社会。食生活の欧米化で動物性脂質、動物性たんぱく質、脂質は著しく増加しましたが、野菜や果物の摂取量は減少、魚離れも危惧されています。保健機能食品などを上手に利用することを考えても良いでしょう。

食品(トクホ、サプリメントなどの保健機能食品も含む)と西洋医学、漢方。それぞれの特徴から病気にならない体を作るには、また、病気を治す、改善する、予防するための考え方を知っておきましょう。

 

食生活の変化で増える生活習慣病

健康を維持するための基本は、バランスの取れた食生活、適度な運動、休養を取ることに深く関係しています。食事の欧米化で脂質などの多い高カロリーの食事や、加工食品、冷凍食品などの増加、食品自体の栄養価も減っています。

食品自体の栄養価も低下する傾向にあり、ビタミンB1やビタミンC、鉄分などは半減、ビタミン、ミネラル、食物繊維の不足は深刻です。エネルギーの摂取量が増えるに伴い、肥満や高血圧、糖尿病と言った生活習慣病の人が増え続け、子供の肥満も問題となっています。

様々な面で便利な生活が送れる時代ですが、バランスの崩れた食生活を送り、肥満や高血圧など、生活習慣病、栄養の偏りによる不調が増え、ストレスも加わって更に複雑な病気が増えてくる懸念があります。

 

病気になったら

風邪を引いたかな、と思ったときに大抵の人は風邪薬を飲んだり、暖かくして安静にするなどの対処をします。明らかに通常とは違う症状がある場合は、医療機関を受診し、病気と判断されると薬が処方されます。

西洋医学での対処が中心となりますが、はっきりした病気ではないけれど、不調がある、慢性的な症状で西洋薬では改善が見られない、などの場合漢方が検討されることもあります。

 

健康に不安があったら

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さらに、今は特に気になる症状はないけれど、例えば高血圧がちょっと心配。肥満気味で生活習慣病の兆しがある、などの場合に漢方やトクホ(特定保健用食品)、栄養機能食品、サプリメントなど健康食品で健康に気をつけよう、という方も増えています。

健康食品には、国の定めた規格や基準を満たす保健機能食品*(トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品)と健康食品から保健機能食品を除いたもの、いわゆる健康食品とよばれるものがあります。

病気になってから薬で直すのではなく、病気にならないようにするため、生活習慣を見直す、特に食事を見直すことが大事です。食品からだけではどうしても不足するもの、取りにくい物はサプリメントで補う、という考え方も出来ます。

また、病気になる前、不調を感じたときなどに漢方をもちい、体のバランスを整えるという方法も。

 

サプリメント

サプリメントはアメリカでは食事の不足を補う、の意のdietary supplementsと呼ばれています。

日本では1990年ごろからサプリメントと言われるようになりましたが、はっきりした法律的な定義はなく、健康食品、栄養補助食品、健康補助食品、機能性表示食品*などと様々な呼び方をされています。

アメリカのように薬と食品の中間的な位置づけが、日本では認められていないので、サプリメントは「食品」と言う分類になります。

 

サプリメントは食品

「薬」は有効性や安全性を確保するために承認・認可を受けたものをいいますが、薬事法により、効能効果、服用方法、1日量などを明確に表示しなければいけません。

一方、食品であるサプリメントは、「~に効く」のように効能効果を表示することは出来ません。そのため、「毎日のスッキリに」、「毎日の健康に」など、わかりにくい表示しかできないのが現状です。使いたい人にとっては、何がどういいのか判断することが難しい。

しかし、日本ではサプリメントとしてしか扱われていないものでも、中国では生薬として、ヨーロッパでは医薬品として使用されているサプリメントもあります。

サプリメント選びは、本当に良いものを見分ける目や情報を集める力、自分にあったものを見つける目が必要といえます。

 

サプリメントを摂る3つの目的

  1. 食事だけでは不足する栄養素(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、食物繊維など)を補う
  2. 様々な不調をケアする
  3. より健康でありたい、いつまでも若々しくありたい、など1と2の中間に位置する

という目的があり、目的によってサプリメントの摂り方も変わってきます。

 

食事を補う 

食事では不足する分を補うので、毎日サプリメントで補います。体調変化には関係なく続けて摂ると良いでしょう。

 

不調をケア(特定の目的がある)

不調の症状を押さえたいと思うときには、続けて飲む

 

健康維持・体調改善 

大豆、ごま、DHA・EPA等、普段食べる食品がもとになっているサプリメントを選び、ほぼ毎日摂ります。

サプリメントの使用上の注意

薬と違って、サプリメントの多くはすぐに効果が現れたりしません。少し長い目で様子を見る必要があります。

サプリメントの種類は実に多岐に渡ります。食生活やライフスタイル、体調と相談しながら、賢く、上手に利用することをお勧めします。

特に持病がある、不調が続く、などの場合は医師に相談のうえ利用しましょう。病院の薬を飲んでいる場合は、薬や病気の種類によっては注意が必要です。

アレルギーがある方は、原材料名欄を確認してください。特定原材料7品目(卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生)は表示が義務付けられています。

その他のアレルギー物質については、メーカーにより対応が異なるので、問い合わせましょう。

水溶性のものは多くとっても尿と一緒にでてしまうことが多く、脂溶性のものは体内に蓄積され、副作用の可能性が高くなります。

また、医薬品として使用されているような成分もあるので、多く摂ると副作用の可能性も高くなります。目安量を守ることが大事です。

サプリメントを何種類も飲むと、同じ成分が重なり過剰摂取になる、同じような働きがあり作用が強くでてしまうということもあるので注意が必要です。

 

▶サプリメントを使用する場合の注意点

  • 効果はすぐに現れないので様子を見る
  • 体調と相談
  • 病院の薬を服用している時は医師に相談
  • アレルギー物質に注意
  • 目安量、飲み方を守る
  • 飲み合わせに注意

副作用 

サプリメントの副作用として多いものは、胃腸障害(胃の不快感、便秘、下痢など)、皮膚の発疹などがあります。薬の副作用がでやすい人は、サプリメントの飲み始めは少量で様子を見る、1ヶ月位は体調の変化に注意するようにしましょう。

 

東洋医学(漢方医学

西洋医学が体をパーツとしてとらえるのに対し、漢方では体を全体としてとらえます。

漢方でも体のどこに不具合があるのかを考えますが、治療に関しては西洋医学のように、パーツだけを考えるのではなく、体全体を良くすることでその不具合や症状を治していく、と言うのが漢方の基本です。

同じ症状があっても体力がある人と虚弱な人では、胃腸や便の調子、精神状態など体の状態(証)によって薬が変わることもあります。

その人の全体をとらえて薬を決め、本来あるべき状態に体を戻すため、一人一人の証に合わせた治療が行われます。

漢方薬は丁寧な問診など、入念にその人の情報を集めることから始めるので、微妙なアンバランスにも注目して体質改善を目指します。

 

慢性疾患を特異とする漢方

自分では調子が悪いと思うのに、検査しても異常がない、異常がないといわれても、実際調子が悪い。

漢方は虚弱体質、アレルギー体質、成人病、婦人科疾患、自律神経失調症、慢性的な耳鳴りなど、「病気未満」の症状に対して力を発揮します。

原因がわからなくても、何らかの症状があれば、「気」「血」「水」などのどこかに問題があって起きているものととらえ、それを改善することで症状を治そうとします。

また、体を機能系で5つに分け、一つのつながりとしてみていく「五臓」の考え方もあります。

 

五臓とは

漢方でいう五臓は内臓だけを指すのではなく、そのほかの全身の働きを含めたより広いとらえ方をします。

 

五臓の役割

 

エネルギーを蓄え体に供給、発育を促進し、耳・骨・生殖を司り、水分の代謝の働きも担う

 

 

主に「肝臓」の働きと関係があり、血液を貯蔵し、血流を調整する。自律神経に関係が深く、ストレスの影響を受けやすい

 

 

全身に「気」をめぐらせ、不要な気を排出するなど、「気」の働きをコントロールする

 

 主

に「心臓」の働きと関係があり、血液を循環させる

 

 

消化・代謝系や水分を調整する

 

漢方薬の処方例

漢方薬の多くは即効性があるものではありません。毎日の体のバランスを改善していくものなので、じっくり取り組む必要があります。現代医学ではなかなか改善されない不調には、東洋医学の視点に立った治療を見直してみることもよいでしょう。

  • 虚弱体質、心身の疲労がたまっている、加齢などにより腎の働きが弱っている
    六味丸
  • 加齢により足腰の冷えやだるさ、耳鳴り 
    八味地黄丸、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
  • 自律神経やストレスでおこりっぽくなっている 
    最古加竜骨牡蠣等(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 

漢方の生薬3つのタイプ

漢方の生薬には、「上品」「中品」「下品」の3つのタイプがあります。

 

「上品」
体質を強化するなどのこうかがあり、副作用なし。毎日摂取できる「命を養う」もの

 

「中品」
少量または短期間なら副作用がなく、毎日摂取でき、穏やかな作用で「精を養う」もの

 

「下品」
病気の治療作用が強いが、しばしば副作用を伴う

薬で急激に病気を治すような西洋医学的な治療よりも、日常の食事や食品に近い健康食材、穏やかに作用する漢方などが大事です。

 

西洋医学

体をパーツとしてとらえます。症状の原因を突き止めようといろいろな検査機器を使ったりして原因を探すことを重視し、原因が見つかったら、それを投薬や手術などで取り除きます。

病気の原因が特定の細菌やウイルスであれば、それを退治することで病気を治します。

このように治療で解決できる病気に対しては、西洋医学は有効な治療法と言えます。病院の診療科がパーツでわかれているのも、それぞれのパーツの治療を分担しているからです。

病気の原因を突き止めるために、体をパーツとしてとらえるのは利にかなっているのですが、検査機器などが発達してきても、すべての病気の原因を突き止められるわけではありません。

 

症状を改善するための薬

原因がわかっても、治療方法がなく症状を緩和する治療しかできない場合もあります。また、頭痛やめまい、イライラなどいろいろな症状を訴える不定愁訴などでは、検査をしても特定の原因はつかめません。

原因がはっきりしないため、抗不安薬など、症状に合わせた薬が処方されますが、根本的な治療にはならず、長く症状と付き合っていくことになります。

症状を改善するための薬が処方されますが、一時的な解決法と言っても良いでしょう。

病気と言うほどの原因がなくても、様々な症状が生活の質を低下させることも多く、また、病気の発症につながるケースもあります。

 

機能性表示食品
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*栄養機能食品 特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものをいいます。

*特定保健用食品(トクホ) からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えたりするのに役立つ、などの特定の保健の用途に資する旨を表示するものをいいます。

*機能性表示食品 事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品です。〈疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を除く。)を対象としているものであること。〉平成27年4月に始まった制度です。

出典:消費者庁  ://www.caa.go.jp/foods/pdf/150810_1.pdf 画像含む

 

まとめ~健康維持にはまず食生活の改善から

病気にならない薬は食べ物です。しかし現代の食生活では栄養バランスが偏ったり、必要な栄養素が不足したりすることが多い。

病気ではないけれど不調がある、高血圧や肥満など生活習慣病を予防したい、健康を維持したいなどと考える時、まずするべきことは食生活の改善です。

その上で漢方で体のバランスを整える、サプリメントを補助的に利用する、と言う選択もありかな、と思います。

*ドラッグストアや通販で様々な種類のサプリメントが手に入りますが、利用に当たっては注意が必要です。不安な場合は薬剤師や医師に相談することも大切です。

健康食品が場合によっては、病気の原因となるリスクもあることも知っておく必要があります。

「Anのひとりごと」~今日も1ページ