リンパの流れや血流を良くする、畳半畳分のスペースがあれば、いつでもどこでもできる、エコノミー症候群予防の簡単ストレッチを3つご紹介します。
避難所生活でエコノミー症候群
震度7の本震から7日たちました。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。避難所生活では、体調を崩される方も増えていて、エコノミー症候群の発症も。
「関連死」の疑いのある方が11人(21日朝刊より)いらっしゃるそうです。長引く避難所生活でさらに増加が懸念されます。
エコノミー症候群の予防
エコノミー症候群は、同じ姿勢を取り続けず、1時間ごとにちょっと歩き回るとか、水分をこまめに摂ることで予防は可能です。
避難所に入りきれない、などの理由で車で避難生活を送っている人や、トイレが少ない、混雑している、と水分を控える方も多く、エコノミー症候群の発症が多発。
熊本地震で、車中泊をしていた51歳の女性が亡くなられました。
トイレ事情は個人ではどうしようもありませんが、これからご紹介する簡単ストレッチなら、いつでもどこでもすぐにできます。
こまめな水分補給と、簡単ストレッチでエコノミー症候群を予防してください。パソコンの前に座りっぱなしのあなたもどうぞ。
いつでもどこでも簡単にできるストレッチ
脚がむくんでいるときにも効果的ですので、やり方を覚え、お風呂上りや寝る前の習慣づけにしてもよい方法です。主にふくらはぎの血流、リンパの流れを整えます。
- つま先立ちを交互にする
- ゆらゆらとんとん
- リンパマッサージ
健康な人でも、一日の終わりには体の老廃物がふくらはぎにたまり、むくむことが多いもの。血流やリンパの流れも滞った状態です。
これを解消するにはふくらはぎに刺激を与えるのが効果的なのです。刺激することで、ふくらはぎが大きなポンプとなり、滞っている血流を上に戻す働きをします。
つま先立ちを交互にする
足を肩幅に開き、内側が平行になるように立つ
①体が正面を向いたまま、肩を平行に保って行う
②足の指を折ってつま先立ち(膝を前にだし、足の指先だけで立つ)
③左右交互にリズミカルに行う(10回程度で可)
④同じ動作を、今度は上に伸びあがるようにして行う
⑤膝を曲げないようにして、足指で立つ(骨盤を動かす)
⑥左右交互に
⑦、②を繰り返す
ゆらゆらとんとん
床に座り、片足ずつ行う
①膝の下にタオルなどを丸めてあてがう
②軽く左右にゆらゆら振る
③タオルを膝の裏で軽く叩くようにとんとんする
④これを数回ずつ、左右の足に行う
力を入れる必要はありません。膝の裏を刺激することで、の効果が長く続く方法です。
リンパマッサージ
血流を改善すると同時に、リンパの流れも改善します。
足指のマッサージ
①床に座り、片足のかかとをもう一方のももにのせる
②親指と人差指、次は人差し指と中指、というように順番にチョキチョキするように足の指を開く
③小指まで終わったら指の付け根を押す
④指と指の間を開くようにする
⑤足の指の間に手の指を交互にいれ、反対の手で足首を抑えながらぐるぐる回す
⑥内回り、外回りを数回したら指をほどく
⑦足の裏を押す(足裏には多くのツボがあります)
⑧土踏まずを手の甲でポンポン軽く叩く(高血圧に良いとされています)
ふくらはぎのマッサージ
①床に座り、片足の膝を立てる
②足の甲を両手で交互に軽くなでる
③左右同じように行う
④手の親指と人差し指でUの字を作り、くるぶしをくるくるマッサージ
⑤左右同じように行う
⑥ふくらはぎの前側を下から上に向けてなでる
⑦ふくらはぎの後ろに手の親指と人差し指で挟むような形でマッサージ
⑧両足に行う
⑨ふくらはぎの後ろを両手の4本の指でおし、筋肉を割るように下から上にマッサージ
エコノミー症候群とは
長時間同じ姿勢を撮り続けていると、足の静脈に血栓(血流の塊)ができやすくなり、その一部が肺動脈を詰まらせる(静脈血栓梗塞症)のがエコノミー症候群です。
場合によっては呼吸困難で命を落とすことがあります。
海外旅行など湿度が低く乾燥している飛行機のエコノミークラス(座席が狭い)で長時間座っていると発症しやすいと思われているため、この名前がついています。ロングフライト血栓症とも言います。
災害時のエコノミークラス症候群
同じ姿勢を長く摂ることで発症しやすいため、飛行機に限らずタクシー運転手やトラック運転手などの発症も報告されています。災害時には車中泊で発症が起きやすい。
- 2004年新潟県中越地震: 車中泊でなくなる方が相次いだ
- 2011年東日本大震災: 4割の人に脚の静脈に血栓が認められたが、肺動脈を詰まらせた人は少なかった。ケガをしている人が少なかった、日中は家を見に行くなど身体を動かしている人が多かったためと思われる
今回熊本地震で亡くなられた方も、車中泊で肺動脈血栓塞栓症を発症していました。
エコノミークラス症候群の予防
- 脚や足の指を動かす
- 歩く
- 水分を十分にとる
よく体を動かして、脚の血流を良くすることが大切。座ったままでもかかとの上げ下げ、足の指をこまめに動かすのも効果があります。
トイレを気にして水分を控えると、血液が濃くなって血栓ができやすくなるので、こまめな水分補給は必要です。(アルコールやコーヒー、お茶などカフェインの入っている飲料は利尿作用があるので、水分補給の目的で飲むのは控えます)
弾性ストッキングの利用も効果があるので、非常持出し袋などに入れておいても良いでしょう。
絵心がないもので、説明する絵が掲載できなくてすみません。やり方は分かったでしょうか。
これらのストレッチやマッサージで、エコノミー症候群を必ず予防できるわけではありませんが、やって悪いことではありません。
足がむくんで疲れている時、寝る前などにも試してみてください。
まとめ~エコノミー症候群対策
熊本地震で被災された方の避難所生活は、まだまだ続きそうでエコノミー症候群も多発しているということ。心配です。
救援物資などは、徐々に届き始めたそうですが、一日も早く日常生活が戻って来ることを願います。
エコノミー症候群の予防は、同じ姿勢を撮り続けないこと、水分をこまめに摂ることが大事。その上で、今回ご紹介したストレッチ、マッサージを行ってみてください。
(ヨガやフットケアなどでよく行われるストレッチ、マッサージです)
こちらでも、22時前くらいに少し長い地震を感じました。早く終息して欲しい。被害がこれ以上広がりませんように。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ