健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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ジェネリックのメリットと先発品後発品の違い~薬の変更はどうする?

ジェネリックにしますか?と調剤薬局で聞かれることが多くなりました。ジェネリックとはどんな薬なのか、いわゆる処方薬とどんな違いがあるのか、変えるメリットはなどについてお伝えします。

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ジェネリックとは

医師が処方する薬には、新しく開発されて発売された「先発医薬品(新薬)」と先発医薬品の有効成分に関わる物質の特許期間を過ぎた後に作られて発売される「後発医薬品」ジェネリック医薬品があります。

薬は基本的に「有効成分」と「添加剤」で構成されています。ジェネリック医薬品の有効成分は先発医薬品と同じで、ほぼ同等の効果が期待できますが、添加剤が異なる場合があり、全く同じと言えない場合もあります。

ジェネリック医薬品を使う大きなメリットは以下の2つがあげられます。

  • 薬が使いやすいように工夫されている
  • 価格が安い

有効成分 病状や症状に効くもの

添加剤 薬に色を付けて有用性を高める着色剤や、品質の安定化を図ったりするものなど

 

ジェネリックの2つのメリット

新薬の特許が切れるまでの長い間に、製薬技術の進歩があり、例えば先発医薬品では錠剤やカプセルが大きい形状だったものが、ジェネリック医薬品では小さく、飲みやすく工夫したものなどがあります。

新薬(先発医薬品)は開発に多額の資金が必要で、その結果薬価も高くなります。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)」はすでに効果や安全性などが確認されている有効成分を利用するので、研究開発費を抑えることができ、基本的に薬の値段を安く設定することができます。

ジェネリックの価格

新薬の開発には、有効成分を見つけることから始まり、その効果や安全性を確認するために、長い期間と数百億円もの投資が必要と言われています*。

それらの研究開発にかかるコストは薬の価格に反映されるため、高くなりますが、上記のようにジェネリック医薬品は先発医薬品より3~5割程度安くなる場合が多いと言われています。

また、

  • どの製薬会社のジェネリック医薬品を選ぶか
  • 窓口での自己負担額

等によっても薬の総額は異なります。薬によっては逆に高くなる場合もあるので、詳しくは薬剤師に相談してみてください。

現在処方されている薬と、ジェネリックとの差額の概算を日本ジェネリック製薬協会のホームページで調べることも可能です。(下部の参考をごらんください)

※最近ではがんの新薬、「オブジーボ」の価格論争が記憶に新しいですね。2016年11月に異例とも言える50%引き下げが了承され、今年2月から実施されます。

 

ジェネリックに変更したい場合

すべての先発医薬品にジェネリック医薬品があるわけではありません。有効成分の特許が切れていなかったり、そもそもジェネリック医薬品が作られていない場合などもあります。

一方で一つの先発医薬品に複数のジェネリック医薬品が発売されていることもあります。

処方された薬がジェネリック医薬品に変更できるかどうかは医師や薬剤師に相談してみてください。薬局でジェネリックの希望を聞かれることもあります。

自分で変更することも可能

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処方された薬を薬局で受け取るときに「薬剤情報提供文書」*に、現在飲んでいる先発医薬品にジェネリック医薬品がある場合、その名称が記載されるようになっています。

処方箋に変更不可の印と医師の署名がなければ、患者さん自身が薬局で変更するかどうかを決めることが出来ます。

「ジェネリックがある場合、変更しますか」と聞かれる場合もありますので、詳しい説明を受け選択することも可能です。希望がある場合は

  • 該当するジェネリック医薬品が先発医薬品とどう違うのか
  • 金額はどの程度安くなるのか

などの説明を受け、確認しながら変更することが勧められます。

分割調剤

ジェネリック医薬品を試してみようと思っても、「自分に合うのかどうかがわからなくて心配」ということもあるでしょう。その場合におすすめなのが「分割調剤」です。いわばジェネリック医薬品の短期間お試しの方法です。

例えば生活習慣病など慢性的な病気で症状が安定している患者さんには、長期間の薬が処方される場合もありますが、ジェネリック医薬品を使う場合に初めての薬を長期間も飲み続けるのを不安に感じることもあるでしょう。

分割調剤であれば短期間だけ試すことができるので、その結果、もしあわないと感じた場合には元の薬に戻し、何もなければそのままジェネリック医薬品を使い続けることが出来ます。

分割調剤を利用したい場合は薬剤師に相談してみてください。

注意点

ジェネリック医薬品に限りませんが、薬の添加剤の種類によっては、患者さんに合わない場合もあります。

特になんらかのアレルギーがある場合、その旨を予め医師や薬剤師にしっかりと伝えて、自分にあった薬を処方してもらうことが重要です。

複数の薬を使っていて、そのうち数種類の薬がジェネリック医薬品に変更可能な場合は、1種類ずつ試して自分にあっているかどうかなどの様子を見ながら、慎重に変更していきます。

一度に全部かえると、もし不都合な症状などが現れた場合に、どの薬が原因なのか特定が難しいため対処も遅れます。

 

まとめ

ジェネリック医薬品について更に詳しく知りたい場合は、医師や薬剤師に遠慮なく聞いてみましょう。そのためにも、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師を持つと、気軽に相談でき安心です。

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参考

安心してご利用ください ジェネリック医薬品 政府広報オンライン http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/4.html

▶効能効果、用法用量等に違いのある後発医薬品リスト
平成29年1月19日 現在 日本ジェネリック製薬協会 調べ /www.jga.gr.jp/pdf/effectiveness.pdf

▶簡単差額 /www.jga.gr.jp/general/
日本ジェネリック製薬協会