多くの人が変えている腰痛。年代によって腰痛が起こる原因に傾向が見られますが、圧倒的に多いのは原因が特定できないケースで、腰痛症または非特定的腰痛と呼ばれています。正しい姿勢を覚え、腰を支える筋肉を鍛えることで、予防や改善が期待できます。
腰痛の予防と改善
原因が特定できない腰痛に悩む人は多いです。ネコ背や背中の反らし過ぎは腰に負担がかかる姿勢です。腹筋や背筋のない人も腰痛になりやすい。
腰痛症は、心配する必要のあるものはあまりなく、日常生活で適切に対応すれば、痛みを軽減することも可能です。
腰痛がおこるメカニズムの確認、年代別に多い腰痛の種類、腰痛症の起こるメカニズム、腰痛の予防、改善についてお伝えしていきます。
腰痛の予防、改善
腰を支える筋肉が衰えると痛みが生じます。姿勢が悪いとさらに腰に負担がかかります。腰痛の予防・改善にはまず姿勢をチェックし、正しい姿勢を確認し、筋肉を鍛える運動を行うことが大切。
姿勢チェック
鏡の前に立って横を向きます
耳、肩、股関節、膝、足首が一色線で結ばれて入ると脊柱が緩やかなS字カーブを保っていれば良い姿勢となります。正しい姿勢は、腹筋と背筋で体重を前後に分散させることで、バランスを保っています。
- 猫背: 腰に余分な負担がかかる
- 反り返っている: 腰の筋肉が緊張して硬くなる
脊柱の形が不自然になり、腰痛を起こしやすくなります。
腰痛の予防・改善は運動療法で
腰痛の痛みの改善、予防に効果的なのは、運動療法です。
- 脊柱を支える力を高める→腹筋や背筋を鍛える
- 硬くなった筋肉をやわらかくする
普段から体を動かすようにすることも大切。
ウオーキングや水泳、水中ウオーキングなど、全身をよく動かすことも重要です。腰痛症は、心理的なストレスも痛みの原因となるので、運動はストレスの解消にもつながります。
具体的な運動方法は、腹横筋、脊柱起立筋、を鍛える方法、ハムストリングスを伸ばして骨盤を動かす方法を、最後に紹介していますので、参考にされてください。
腰痛の起こるメカニズム
背骨は横から見ると、まっすぐではなく緩やかなS字カーブを描いています、このカーブで上半身の重さが前後に分散され、腰にかかる負担を軽減しています。
脊柱の腰の部分は腰椎と呼ばれる5つの椎骨で構成されていますが、椎骨も含めた脊柱全体を支えているのは
- 腹筋(椎骨の前側にある)
- 背筋(腰椎の後ろにある)
この2つの筋肉が椎骨をしっかり支えて安定させることで、脊柱のS字カーブが維持できます。
腰痛の悪循環
腰回りの筋肉は、30歳代から老化が始まり、筋肉の衰えが腰痛の悪循環を起こします。
→加齢や運動不足で筋肉が衰ろえ
→脊柱が体重を支えきれず、姿勢が悪くなる
→筋肉が緊張し、コリや痛みが現れる、腰の柔軟性が失われる
→痛むので筋肉を使わなくなる
→加齢や運動不足で筋肉が衰える
また、体を動かさないでいると、筋肉が硬くなり腰回りの筋肉の柔軟性が失われ、可動域(動かせる範囲)が狭くなるので、少し腰を動かしただけでも、可動域の限界に達し、痛みが生じます。
年代別に多い腰痛の種類
- 10代~40歳代 椎間板ヘルニア
- 50代~70歳代 脊柱管狭窄症
- 70歳代~ 圧迫骨折
それぞれの腰痛に関しては、後日まとめたいと思います。
運動療法3つの具体例
筋肉を鍛える方法を2つ、硬くなった筋肉をやわらかくする方法1つです。初めてもすぐに効果を感じられるものではないので、最低でも数か月継続しましょう。また、激しい痛みがある時は、運動は控え、安静にすることが重要。ある程度痛みが治まってから、こちらでご紹介した運動などを始めましょう。医師の指示に従って行ってください。
腹横筋を鍛えて腰椎を安定させる
「自前のコルセット」とも呼ばれる腹横筋を鍛えます。腹横筋は腰椎を安定させる働きをします。
- 仰向けに寝て脚を腰幅に開き、ひざを90度に曲げる
- 手を背中の下に入れる
- 肩や胸に力を入れず、息をゆっくり吸い込む
- 息をゆっくりはきながらお腹をへこませる(おへそを床に押し付けるようにイメージする背中に入れた手も押し付けられ、抜けなくなる状態)
- お腹をへこませたまま5~10秒、浅く長い呼吸をする
一日10回を目安とする
脊柱起立筋を鍛えて姿勢を保つ
背骨を引き起こし、姿勢を保つ働きをします。
- 手足を肩幅程度に開き四つんばいになる(手首は方の真下、ひざは腰の真下)
- 力を抜く
- 息を吐きながら背中を真っ直ぐにする
- 5~10秒たったらもとに戻す
1日10回を目安
ハムストリングスを伸ばして骨盤を動かす
(おしり側)
ハムストリングスはひざの裏側にある筋肉群です。硬いと骨盤の動きが悪くなり、腰への負担が増えます。
- 椅子に浅くこしかける
- 背筋を伸ばし、胸をはる
- 伸ばす方の脚を前に出す(かかとだけを床につけ、ひざを伸ばす)
- 手は太ももの前に添える(力をいれない)
- 背筋を伸ばしたまま、上体をゆっくり前に倒す
1回20~30秒、左右1セットで一日3~5セットを目安にする
運動療法の注意点
- 必ず医師の指示に従って行う
- 強い痛みがあるときは運動は控えて安静にする
- 継続する
運動療法は、原因が特定できず3か月以上腰痛が続く、「慢性腰痛」の症状を改善するのに、効果的とされています。再発の予防にも高い効果が期待できますが、始めてすぐに効果が出るものではありません。数か月以上続けることが必要です。
まとめ~原因がわからない腰痛は運動療法を
腰痛で悩む人は多いですが、その多くは原因が特定できない腰痛症です。運動療法を続けることで、予防・改善が期待できます。
腹筋や背筋を鍛えて脊柱を支える力を鍛えたり、硬くなった筋肉を柔らかくしたりして、腰への負担を軽くすることで、腰痛の予防・改善に繋がります。
従来の治療に加えて腰痛の原因は、実は脳に有った、という考え方もあります。過去記事、腰痛の原因は脳にあり!腰痛治療の新常識~慢性化、再発防止策で詳しく解説しています。
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