膝の痛みの原因は、変形性膝関節症の可能性があります。自分の持っている発症リスクを知り、痛みの前兆として膝がこわばるなど、膝の痛みにつながる違和感を感じた段階で対策できるよう、違和感の症状などをお伝えします。
変形性膝関節症の前兆と発症しやすい人の特徴
変形性膝関節症は、加齢により軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかり強い痛みが起きます。痛い→歩かない→肥満→更に痛み、と言う悪循環に陥ることも多い。
更に進行すると歩くのも困難になり、寝たきりにもつながります。
多くの場合、変形性膝関節症の痛みの前兆として、膝がこわばるなど、膝の痛みの違和感があり、この段階での対策が重要となります。
変形性膝関節症の前兆を見逃さない
多くの場合、変形性膝関節症の痛みには前兆があります。
- 膝がこわばる
- つっぱり感がある
- 動かしにくい
などで、このような膝の痛みの違和感がある場合は、すでに変形性膝関節症を発症している可能性があります。
初期の段階では、立ち上がる時の膝の痛みなど、膝を使う動作を始めるときに痛みが出ることが多いです。
痛みの前兆がある、もしくは初期の段階で適切な対策を行うことで、症状が良くなることがほとんどです。
痛みの悪循環を断つ
膝に違和感があったり、痛みがあったりすると使いすぎ、と考えてあまり体を動かさなくなる傾向にあります。
その結果運動不足になり、体重が増えたり筋力が落ちたりするので、痛みは慢性化し強まります。
すると更に体を動かなくなるので肥満は進み、筋力も低下し痛みがいっそう強まる、という痛みの悪循環に。
更に進行すると介護が必要になったり、寝たきりになる可能性もあります。
痛みの悪循環を断つには、早期からの対策が重要です。自分の発症リスクを知り、痛みの前兆を見逃さないことが大切です。
体重が少し落ちるだけでも負担は軽減
変形性膝関節症の発症リスクのなかで、特に膝に大きな負担をかける要因が肥満です。
歩いている時は体重の約2~3倍の負担が膝にかかりますが、体重60kgの人が5kg減らすと、膝への負担は10~15kg減ります。階段の昇り降りでは25~35kgも減ります。
少しでも体重を減らし、膝に掛かる負担を軽減するようにしましょう。
こちらのエントリーでは膝の痛みの軽減についてお伝えしています。
ロコモ予防にも早めの対策を
ロコモティックシンドロームは主に筋力やバランス能力の低下などによって起こりますが、変形性膝関節症のような関節や骨の病気も、ロコモのリスクになります。
ロコモとは、関節や骨、筋肉、人体、腱、神経など運動に関係する組織の働きが衰えて、立つ、歩くなどの動作が困難になるリスクが高まった状態の事を言います。
ロコモを予防するためにも、変形性膝関節症の早期の対策が重要です。ロコモについてはこちらのエントリーもどうぞ。
変形性膝関節症の発症リスク
膝の痛みの悪循環をたつことができるよう、まず、変形性膝関節症を発症しやすい人の特徴を知っておきましょう。変形性膝関節症は、特に女性に多い病気で、加齢が主な原因。
膝関節の軟骨は、加齢とともに少しずつすり減り、それに伴い症状も進行していきます。
近年変形性膝関節症を発症しやすい人の特徴がわかってきました。自分が持っているリスクを知っておくことで早めに対策を取ることが大切です。発症のリスクには以下のような物があります。
- 加齢
- 肥満
- O脚
- 運動不足
更に近年注目されているのがメタボリックシンドローム。詳しい関係などは不明で、研究が続けられています。
発症リスクが高くなる理由
加齢
膝を長く使うほど膝に負担がかかり、軟骨がすり減るので変形性膝関節症を発症しやすくなります。
肥満
体重が増えればそれだけ膝への負担が大きくなります。軟骨のすり減り方も大きくなります。日常生活での膝への負担は
- 歩く 体重の2~3倍
- 階段の昇り降り 体重の約5~7倍
- 走る 体重の約10倍
例えば体重60kgの人は、歩くだけで約120~180kg、階段の昇り降りでは約300~420kgの負担が膝にかかります。
O脚
膝が外側に湾曲しているので、膝の内側に体重がかかり負担が大きくなります。そのため、内側の軟骨がすり減りやすくなります。
運動不足
体重の増加や、膝を支えたり動かしたりする筋力が低下する原因になります。膝にかかる負担が大きくなるので、軟骨も大きくすり減ります。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームの構成要因は、主に肥満、脂質異常症、高血圧、糖尿病(死の四重奏と言われています)。構成要因を3個以上持っている人は、全く持っていない人に比べて、変形性膝関節症の発症リスクが約10倍になると言う研究結果もあります。
まとめ~膝の痛みの違和感を見逃さない
痛みの悪循環を断ち、歩行困難や寝たきりを防ぐためにも膝がこわばるなど膝の痛みの違和感を見逃さず、変形性膝関節症を前兆段階、もしくは初期の段階で適切な対策をすることが重要です。
運動や日常生活の改善、特に肥満に注意し、少しでも体重を落とすように心がけましょう。
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