膝が痛い人にこそ運動がおすすめ。運動と言っても自宅で簡単にできる筋トレとストレッチです。膝の周りの筋肉を鍛え、ストレッチで動く範囲を広げることで膝の痛みを和らげましょう。
膝が痛い人におすすめの運動
膝が痛い人には、膝の周りの筋肉や腱にかかる負担を軽くする筋トレやストレッチなどの運動を、継続して行うことがおすすめです。
特に鍛えたいのは、立ったり歩いたりするときに膝の関節を支える働きをする、大腿四頭筋(太ももの前側にある大きな筋肉)です。ストレッチで伸ばすと膝関節の可動域も広がります。
肥満も膝に負担をかけます。有酸素運動(ウオーキング、スロトレなど)でダイエットすることも大切です。
膝が痛い人におすすめの運動
- 筋力トレーニング:膝の関節を支える筋肉を鍛える
- ストレッチ:膝の可動域(動く範囲)を広げる
- 有酸素運動:体重を減らす
今回は、高齢者でも無理なく日常的にできる筋トレとストレッチをご紹介します。膝の痛みの予防にもおすすめです。
自宅でできる簡単筋トレ5つとストレッチ2つ
今回ご紹介するのは、大腿四頭筋を鍛える筋トレ4種類と、膝関節の可動域を広げるストレッチ2種類。膝が痛い人でも無理なく自宅で簡単にできる運動です。
注意点
- 血圧が高い、痛風、リウマチなど、持病がある場合は医師と相談してから
- 強い炎症がある、熱を持っている、腫れているなどの場合は避ける
- 無理をしない
- 痛みが悪化したらすぐ受診する
- 椅子は安定しているものを使い、平で滑らない場所で行う
筋トレはどの方法でもOK。1日2回行います。ストレッチは入浴したときに行います。どの運動も1回5秒、左右それぞれ20回を目標にします。継続することが重要です。
大腿四頭筋を鍛える筋トレ
椅子に座って行う運動
- 椅子に座り、両手で座面の横を掴み、片足をあげていく
- できるだけまっすぐに伸びるように太ももに力を入れる
- つま先は上に向け、そのまま5秒間保つ
- ゆっくり脚をおろし、反対の脚も同様に行う
立って行う
- 片手で椅子の背などを持ち、片脚を前に出膝を軽く曲げてたつ
- 曲げた膝を伸ばすようにして力を入れ(お皿を引き上げるようにする)5秒間保つ
- ゆっくりと膝を曲げた状態に戻す
- 反対の脚も同様に行う
床に座って行う運動
- 膝を伸ばして床に座る
- 片方の膝の下に丸めたバスタオルなどを入れる
- バスタオルを床に押し付けるように、太ももの前の筋肉に力を入れる
- 5秒間保ち、ゆっくり力を抜く
- 反対の脚も同様に行う
この運動を椅子に座って行う場合は、
- 椅子に浅く座り、片方の脚を真っ直ぐ伸ばす
- かかとを地面につけつま先を上に向ける
- 太ももの前の筋肉に力を入れる
床に寝て行う運動
- 床に寝たら片脚を曲げる
- 反対の脚を膝をまっすぐに伸ばしたまま、つま先を上に向けてあげる(20~30cmほど)
- 5秒間保ち、ゆっくり下ろす
- 反対側の脚も同様に行う
膝関節の可動域を維持するストレッチ
入浴するときに行うストレッチです。膝が痛い人は無理をしないようにしましょう。お湯の温度は38~40℃程度がおすすめです。まずお湯につかり、体を温めてから行います。
浴槽が広い場合は、滑らないよう十分注意してください。(画像は服を着ていますが、もちろんハダカで入浴してください)
膝を伸ばすストレッチ
- 脚を伸ばして座り背中を浴槽の壁につける
- 両手で膝を上から押し付けるようにしてちからを入れ、膝関節をよく伸ばす
- 5秒間力を入れて押したあと、力を抜く
膝を曲げるストレッチ
- 脚を伸ばして座り背中を浴槽の壁につける(浴槽が狭い場合は伸ばせるところまでで可)
- 片膝を深く曲げ、抱えるようにして体に引きつける
- 5秒間ちからを入れて惹きつけたあと、力をぬく
- 反対の脚も同様に行う
*膝を深く曲げられる場合は、浴槽の中で正座をしても良い。浮力が働くので強く膝関節を曲げずに行える。
プールでの運動も浮力で体重が軽くなり、膝への負担が軽くなるのでおすすめですが、毎日プール通いをするのは色々大変です。その点、浴槽で行う膝の痛みを治すストレッチは、簡単に無理なく毎日行えます。
NHKガッテンでも紹介された運動
「ガッテン ひざ痛がついに解消!関節を滑らかにする3分わざ」(2017.7.12放送)
膝伸ばし運動、お皿(膝蓋骨)のストレッチが非常にわかりやすく紹介されています。詳細は番組ホームページでごらんください。
知られざるひざ痛の原因「関節包」に注目!
ちょっとした動きでズキンとくる「しつこいひざの痛み」。
軟骨のすり減りが直接の原因かと思ったら、実はもう一つ忘れてはならない原因がありました。
それが、関節の周りを袋のように覆う「関節包」。この関節包や周囲の軟部組織には痛みを感じる神経がたくさんあり、これらが硬くなることによって、ちょっとした刺激で痛みを感じやすくなったり、曲げ伸ばしがしづらくなったりするのです。
オススメの関節包ストレッチで柔らか関節包を目指しましょう!
出典:NHKガッテン
膝の痛みの原因
膝の痛みは軟骨、半月板、筋肉など膝への負担を軽くするためにクッションの役割を果たしている衝撃吸収機能が低下してくると、起こるようになります。
膝が痛い人はとても多いのですが、それは日常的に膝に大きな負担がかかっているためです。平らなところを歩くだけでも膝には体重の2~3倍の力がかかっています。階段の上り下りではそれ以上の力がかかります。
加齢や運動不足などにより衝撃吸収機能が低下したり、肥満で体重が増えると膝にかかる負担も大きくなります。
- 軟骨: 膝関節の骨の接触面を覆っている。膝に掛かる衝撃を吸収、関節を滑らかに動かしたりする働き(軟骨は骨のように再生しません)
- 半月板:軟骨と軟骨の間にあり、衝撃を吸収する働き
- 筋肉:歩くときに着地の衝撃を吸収する働き
加齢・運動不足・肥満
歩くときに膝を使うので、年を取るほど膝を使う期間がながくなり、また軟骨の新陳代謝が加齢により悪くなり、軟骨がすり減りやすくなります。
運動不足は肥満にもつながりますが、筋肉が痩せてくるので筋力が低下し、衝撃を吸収できなくなって膝の負担が増します。
軟骨がすり減ると、骨棘(骨棘)と呼ばれる骨の突起や、軟骨の破片などが関節の周りを包んでいる幕を刺激して炎症が起こることがあります。
この炎症が、立ち上がったり歩き始めたりするときに現れる痛み(変形性膝関節症)の原因になります。
膝の痛みの悪循環
加齢・運動不足などが原因で
→筋力が低下、肥満で膝の負担増
→衝撃吸収機能が低下
→痛いのであまり動かなくなる
→肥満
→更に痛みが悪化
まとめ~膝痛には簡単な運動の継続が一番!
膝が痛いと、体を動かさなくなりがちで運動不足になりやすい。その結果筋力の低下や肥満につながり、かえって膝に大きな負担となって更に痛みが悪化する、という悪循環に。
運動は膝の周囲の筋肉を鍛えたり、ストレッチで膝の曲げ伸ばしができる範囲(可動域)を広げたりします。
膝の痛みを和らげるには、膝周りの筋肉を鍛える筋トレ、動かせる範囲を広げるストレッチが最も効果を期待できます。
きつい筋トレなどをする必要はなく、ご紹介したような、高齢者でも無理なくできる運動を毎日続けることが膝痛の一番の対策です。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ