健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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カラダは元には戻せない…肝硬変予防のためのABC

脂肪肝を放置していると、肝硬変に進むことがあります。更に肝がんをおこすリスクも高まります。脂肪肝についてのQ&A、知っておきたい肝硬変の症状をお伝えします。肝硬変対策にお役立てください。

カラダはもとに戻せない!肝硬変の予防と脂肪肝のQ&A

脂肪肝と肝硬変

脂肪肝は自覚症状がありません。早期の治療で改善できますが、発見できずに長い間放置していると、肝硬変へと進むことがあります。

脂肪肝になるリスクの高い人は特に、定期的な健康診断などでチェックしましょう。

肝硬変とは、肝細胞の線維化が進行して肝臓が固くなった状態です。肝臓の表面がデコボコしてきます。肝臓の働きと肝硬変の症状を確認する前に、脂肪肝のQ&Aを4つどうぞ。

 

脂肪肝のQ&A

 

内臓脂肪型肥満かどうか気になります。調べるにはどうすれば良いですか。

 

家庭で簡単に知りたい場合は、おへそ周りのウェストを測って調べます。

  • 男性85cm以上 
  • 女性90cm以上 

の場合は内臓脂肪型肥満の可能性が高いといえます。

ウエスト÷ヒップの値が

  • 男性0.75以上 
  • 女性0.8以上

の場合も内臓脂肪型肥満と考えられます。

正確に知るためには医療機関で調べる必要があります。CTでおへそ周りの脂肪のつき方と内臓脂肪の断面積を調べます。

断面積が100cm2以上ある場合に、内臓脂肪型肥満と診断されますが、放射線を使う検査なので、誰にでもおすすめできるわけではありません。

 

脂肪肝と診断されたのですが、薬が処方されていません。薬は必要ないのでしょうか。

 

脂肪肝は食事療法と運動療法が治療の基本です。この2つを確実に行うことで殆どの脂肪肝は改善されるので、薬を使った治療は一般的に必要ありません。

高血圧、糖尿病、高血圧などもある場合は、それらの病気の治療のための薬物療法が必要なこともあります。

 

どのくらい減量すれば脂肪肝は改善しますか。

 

一般的にBMIの値が「1」小さくなると脂肪肝が改善されると言われています。

体重が60kgなら、3kg程度の減量を目指すと良いでしょう。

ただし短期間で痩せようと無理をすると、その反動で食べ過ぎたり体調を崩すこともあります。

減量は食事療法と運動療法を組み合わせて、2~3ヶ月で1kgほど減らすほどのペースで、じっくり取り組み継続することが大切です。

 

閉経後に脂肪肝になる人が多いと聞きました。なぜでしょうか。

 

閉経後に脂肪肝になる人が多いのは、エストロゲンの急激な減少、基礎代謝の低下が関係していると考えられています。

女性ホルモンのエストロゲンは、脂質の代謝を高める作用があり、コレステロールなどの脂肪がたまるのを防ぐ働きをしています。

閉経後にエストロゲンが急激に減ると、脂質の代謝が低下しコレステロール値の上昇や、脂肪をため込みやすい状態になります。

こうしたことが脂肪肝の発生に関係していると考えられます。

又、閉経する年代は基礎代謝が低下する時期と重なり、若い頃と同じような食事をしていると摂取エネルギーが過剰になります。

いわゆる中年太りになりやすくなるので、閉経後に脂肪肝が発生しやすくなる原因の一つと考えられます。

 

肝硬変とは

肝臓は再生能力に優れていますので、肝臓に炎症が起こり細胞が破壊されても、再生を繰り返します。

しかし脂肪肝を放置していたり、慢性肝炎が続いて肝細胞の再生が追いつかなくなると、細胞は硬い繊維に置き換わり肝硬変へと進んでいきます。

肝硬変に進むと、元の健康な状態に再生することはむずかしくなり、肝がんを起こすリスクも高まります。

肝臓の持つ働きと肝硬変の症状について知識を持つことも、予防や対策に必要です。

肝臓の働きと肝硬変の症状

肝臓の働きが低下すると現れる肝硬変の症状は、肝臓の持つ働きにより大きく分けて3つあります。

肝臓の3つの働き

  1. 有害物質の解毒・代謝
  2. 栄養素の合成・貯蔵
  3. 胆汁の合成・分泌

肝硬変の症状

意識障害 
1.有害物質の解毒・代謝の働きが低下すると、アンモニアなどの有害物質が体内にたまり、「肝性脳症」を起こします。

脳に影響が及び、意識障害が起こります。

むくみ、腹水がたまる 
2.栄養素の合成・貯蔵の働きが低下すると、アルブミンなどのタンパク質をうまく作れなくなります。

アルブミンは血液中で水分を保持する働きがあり、量が減ると血管の外に水分が出てむくみが生じたり、腹水が溜まるなどの症状が現れます。

皮膚や白目が黄色っぽくなる 
3.胆汁の合成・分泌の働きが低下すると、胆汁の成分の1つであるビリルビンが血液中に増加します。ビリルビンは黄色い色素なので、皮膚や白目が黄色っぽくなる黄疸が起こってきます。

その他、だるい、疲れやすい、筋肉のけいれんなどが起こることもあります。

肝臓以外の異常

肝臓の働き以外にも門脈やホルモンの異常で現れる症状もあります。

門脈の異常 食道や胃の静脈瘤
肝臓が硬くなることで肝臓への血液が流れにくくなるため、門脈内の血液は肝臓を迂回して、胃や食道の静脈を流れるようになります。

大量の血液が流れ込むので、これらの静脈の壁が瘤のように膨らみ、静脈瘤ができることがあります。

本来は脾臓から門脈へ流れる血液が逆流して脾臓にたまり、脾臓が肥大して血小板の破壊が起こることもあります。

ホルモンの異常 
男性ホルモンと女性ホルモンのバランスも崩れてくるので、

  • 「手掌紅斑(しゅしょうこうはん)」手のひらが赤くなる
  • 「クモ状血管腫」胸などの細い血管が雲の形のように浮き出る
  • 「女性化乳房」男性の胸が膨らむ

が起こることもあります。肝硬変の治療については次回で。

 

まとめ

肝臓に脂肪が貯まる脂肪肝は、長期間放置していると慢性肝炎と同様、肝硬変に進行することがあります。脂肪肝の段階で適切に治療をすれば、もとの健康な肝臓に戻りますが、肝硬変に進むと元には戻りません。

脂肪肝の予防は生活習慣の改善ですが、肝硬変の進行を止めるためにも肝硬変について知識を持ち、症状が現れていないか注意をしましょう。

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