便秘は女性の悩みと思いがちですが、実は50歳以上の男性で苦しんでいる人が多いのです。便秘は臭いおならだけでなく、口臭や体臭、ひいては体の不調の原因にも。男の便秘が多いわけ、便秘の解消方法をお伝えします。
腸内環境は便とおならでわかる!
便秘を軽く見てはいけません、便秘が健康に与える影響はとても大きいものです。毎日排便が無いと便秘、と思っている人も多いですが、週に2~3回でも便秘ではないことがあります。
便秘は、悪玉菌が勢力をふるう劣悪な腸内環境。自律神経のバランスが崩れると、腸内環境が悪くなり免疫力も低下します。
日常生活で、自分の腸内環境の状態を簡単に知ることができるのが、便とおならです。
臭うか、臭わないか
排泄される便の半分は腸内細菌です。腸内環境が良ければ、便やおならはほとんど臭いません。腸内環境が悪ければ、便もおならもかなり臭くなります。
腸内環境が良くない状況では、悪玉菌が勢力を奮っています。そのため腸内の腐敗が進み、アンモニアなどの異臭がある有害物質が発生して、便やおならとして体外に排出されるので臭いです。
便秘があったりおならを我慢すると、臭いにおいが体の中に取り込まれ、消化されたり血液に乗って口臭や体臭として排出されます。
重度の便秘がある場合は、強烈な体臭、口臭があるのでわかります。
おならの臭いについてはこちらのエントリーもどうぞ
高齢者に男の便秘が多い理由
男性の副交感神経は30歳をすぎた頃からがくんと低下します。腸内環境は自律神経の影響を受けており、腸のぜん動運動は副交感神経に支配されているので、副交感神経が高い状態のときに活発に動きます。
歳を取ると自律神経の働きが弱くなる上、男性は女性より10年早く副交感神経が低下します。これが高齢の男性に便秘が多い理由です。
便秘の解消には自律神経を整えること、腸内環境を整えることが重要となります。
腸のぜん動運動を支配している副交感神経を上げるには、日和見菌を善玉菌の味方にすることがポイント。善玉菌優位の腸内環境を整えることです。
善玉だけではダメ!バランスが大事です
長寿村と言われている山梨県の棡原(ゆずりはら)の、長寿者たちの腸内環境を調べたテレビ番組がありました。便通もよく健康な人たちの腸内環境には、ある一定の割合で悪玉菌もいました。
善玉が強くなるには、悪玉も必要だということなんですね。健康に最も良いのは、善玉菌が優位で、悪玉菌もいる状態です。
腸内環境のバランスについては、太りやすいのはデブ菌のせい!腸内フローラ、日和見菌の勢力争いでもお伝えしています。
善玉菌は生命力があまり強くありません。腸内環境を整えるのに整腸剤などの利用もたすけになります。
整腸剤は人によって合う、合わないがあるのである程度飲んでも効果が見られない場合は、他の種類を試す、医師に相談するなどしてください。
善玉菌優位の腸内環境を整える食事
- ヨーグルトなどの乳酸菌
- 乳酸菌の餌となるオリゴ糖
- 腸の掃除をする食物繊維を豊富に含む食品
- バナナ、大豆、納豆、ごぼう、アボカド、海藻、きのこ類など
乳製品は本来、日本人のからだにあまりあっていないので、食べ過ぎは良くない
乳製品の代替になる伝統的な日本食 大豆の発酵食品である、納豆、みそ、醤油など、漬物も発酵食品です。
副交感神経を優位にする食品
発酵食品以外でも、腸の働きを良くする作用、血流を良くする作用、便通を良くする作用のある食品は
大豆製品、豆類、緑黄色野菜、きのこ類、海藻類、ごま、玄米、小魚類、生姜など
があります。これらの食品は、腸内環境を良くし、免疫力を上げることができるといえます。
自律神経のバランス
ストレスや緊張がある時は、交感神経が上がり副交感神経が下がるので、腸の動きがかにぶくなり、便秘の原因となります。
便秘は悪玉菌がはばを聞かせた劣悪な環境なので、自律神経のバランスが崩れると、腸内環境は悪化し、免疫力が低下します。便秘は様々な病気や体のトラブルにもつながるのです。
「自律神経は、病気や健康と深い関係がある」小林裕幸 順天堂大学医学部教授
「副交感神経が下がったときは、免疫の中心であるリンパ球のファンクション(機能)が落ちるので、風邪もひきやすいし、がんになりやすい。様々な病気になりやすい」奥村康 順天堂大学医学部名誉教授
便秘の腸は汚れた血液しか作れない
腸は、食べ物から栄養素を級数して血液を作り、全身の細胞に送っています。
便秘の場合の腸内環境は悪く悪玉菌が増殖しているので、汚れた血液しか作れなくなっています。この汚れた血液が全身に送られるので、健康状態が悪くなるのは当然でしょう。
便秘を解消することは、臭いおなら、口臭、体臭を改善するだけでなく、体の不調や病気の予防にもつながるといえます。
食事以外の便秘解消法
腸内フローラのバランスを整える、自律神経を整えるのに、食事は重要なポイントですが、その他にも、適度な運動やストレスの発散、良質の睡眠なども大切です。
下剤の乱用がかえって腸内環境を悪化させることもあるので、常用せず、どうしても必要なときだけ使用する、というのも大切ですね。
腸の健康、過去記事の振り返り
菌活、便活の方法など、便秘の解消方法や、腸内フローラの改善、など腸の健康の過去記事の振り返りはこちらにまとめてありますので、合わせてどうぞ。
腸マッサージの方法なども動画を埋め込んでありますので、参考にされてください。
NHKガッテンより、便秘解消法3題
NHKガッテン(旧ためしてガッテン)でも、過去に何度か便秘について放送しています。その中から3つ、番組内容の概要をご紹介したいと思います。
出た!「便秘」新対策で劇的改善SP 2016年9月14日
こちらの放送の目玉は、「毎日夜寝る前に『うつ伏せゴロゴロ寝運動』」
- 夜寝る前にうつぶせの状態になり10分間動かずにじっとします。
- この時おへその辺りに枕やクッションなどを敷くとより効果が高いです。
- 10分経ったら、体を左右に転がすように傾ける動きを5往復行います。
この運動は、大腸に溜まったガスを追い出すことができます。すると、ガスのために動きがにぶくなっていた大腸が活発に動けるようになって、「大ぜん動」が復活!便秘を解消する効果が期待できます。
便秘! スッキリ大革命 2014年10月1日
便秘薬の飲みすぎで「大腸黒皮症」、「思い込みの便秘」があります。便秘薬は、飲みう付けると体制ができ、効きにくなる恐れがあり、成分には大腸を刺激する成分が含まれているので、粘膜細胞が死んで蓄積され、大腸黒皮症に。
一方、几帳面な人では、「毎日出さなくては」という思いこみで釧路を飲み続けてしまい、便秘が悪化することもあります。
食物繊維のとりすぎがしつこい便秘の原因であることも。食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、水溶性の食物繊維もバランス良く摂ることがたいせつです。
頑固な便秘が治った!腸スッキリ最新対策術 2010年4月21日
少し古い放送ですが、慢性便秘の3人に1人がこれ、という「スーパー便秘」。薬、食物繊維、水分摂取、運動などの対策が、場合によっては逆効果になってしまうと言う便秘です。スーパー便秘は正確には直腸性便秘と言い、主に
- 骨盤底筋運動障害 骨盤底筋がガチガチになっている
- 直腸瘤 直腸にポケットができている
の2つのタイプがあります。
直腸性便秘の治療には、バイオフィードバック療法と呼ばれる最先端の治療法、ポケットが大きい場合などには恥骨直賞金縫合術と言う手術があります。
出典:NHK ガッテン
まとめ~男の便秘は臭いおならの原因に
女性の専売特許のように思われている便秘。実は便秘外来で一番多い患者さんは50歳以上の男性でした。男の便秘に人知れず苦しんでいる男性が多いのです。
便秘があると、便がでた時やおならがとても臭いです。また、便秘で臭い便の臭いが体の中に戻り、口臭や体臭となることもあります。
便秘を解消するには、腸内環境、自律神経を整えることが重要。便秘の解消は、健康にとってもとても大切なことです。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ